軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ポヨポヨボディで入浴するの?

この洗い方自体、初めてだからどんなものかと思ったけど、シャーロットちゃんのリラックスした顔を見る限り問題無さそうだ。

ただ、後から浴室に入ってきたイメルダちゃんに「はしたない!」って言われてしまった。

多分、わたしが胡座をかいていることを言っているのだと思う。

湯浴み着を着ているので取りあえずは色々と隠れているので、大目に見て欲しい。

体を湯で流した後、お湯に浸かるイメルダちゃんが、龍のジン君を撫でつつ訊ねてくる。

「なんで、そんな髪の洗い方をしてるの?」

「ん?

シャーロットちゃんは病み上がりだからね。

体を冷やさないように、お湯に浸かりながら髪を洗おうと」

まあ、ほぼほぼ問題ないと思うけど、一応なのだ。

ただ、イメルダちゃんは苦笑しながら言う。

「いや、でもそれ、のぼせたりしない?」

あ、確かに!

慌てて「大丈夫?」と訊ねるも、シャーロットちゃんは笑顔で「まだ大丈夫!」と言ってくれた。

とはいえ、急いで終わらせなくては!

リンスの入った壺を右手で持ち上げると、左手で出した白いモクモクに向けて中身を垂らす。

壺を置いた後、右手からもモクモクを出してしっかり泡立て、それで、妹ちゃんの黄金色の髪を洗っていく。

お湯に濡れたシャーロットちゃんの髪、キラキラ輝いて本当に綺麗だ。

……なんとなく、黄金羊さんを思い出した。

元気にやっているかな?

そんな、ちょっとセンチメンタルな気分になっていると、入り口から何かが入ってくる気配を感じた。

視線を向けると、白いポヨポヨボディがスルスルと移動してきた。

スライムのルルリンだった。

なにやら、浴槽の縁まで来ると、興味深そうに湯を眺めている。

「え?

入りたいの?」

すると、ルルリンは〝ちょっと入ってみたい!〟というように、ポヨポヨと体を揺らした。

まあ、別に構わないけど。

「入るなら、まずは体を洗ってからね」

というと、イメルダちゃんが立ち上がり「わたくしが洗って上げるから、こちらに来て」と声をかける。

ルルリンはスルスルと、姉的妹ちゃんの方に向かって移動する。

あ、そんなことをやっている場合じゃ無かった。

急いでシャーロットちゃんの髪に付いたリンスを、お湯で流して上げる。

こんなもので大丈夫かな?

「もういいよ」

と言って上げると、妹ちゃんは「ありがとう、サリーお姉さま」とニッコリ微笑むと、ちょうど、湯に入ろうとしているルルリンの元まで歩いて行く。

そして、ニコニコしながら「ルルリン、気持ちが良い?」と訊ねている。

お湯にぷかぷか浮いているルルリンは、〝良い!〟という様にぷるんと揺れた。

可愛い!

いや、次はイメルダちゃんの髪を洗って上げなくては!

「イメルダちゃんは外で髪を洗う?」

と訊ねると、「ええ、お願い」と頷きつつ、浴槽から立ち上がった。

龍のジン君はその体からスルリと降りる。

そして、ルルリンとシャーロットちゃんの方に泳いでいく。

人見知りが激しかったジン君も、すっかり打ち解けたみたいだった。

って、そうじゃなく……。

湯椅子を持ってきて、イメルダちゃんを座らせる。

そして、茶色の長い髪にゆっくりとお湯をかけていく。

「ねえ、サリーさん。

わたくし、髪も自分で洗えるようになりたいわ」

体に関しては自分で洗うようになった妹ちゃん達だけど、髪に関してはわたしが洗って上げていた。

二人とも髪が凄く長いというのと、わたしの白いモクモクでやる方が圧倒的に早いからという理由でだ。

ちょっと前までは冬だったし、余り時間をかけすぎると風邪を引いちゃうからね。

ただ、春が過ぎて夏になればそのような心配は無くなる。

ママ達の毛を洗って上げたことを考えたら、さほど苦でも無いけれど……。

まあ、出来るに越したことないかな?

「じゃあ、ちょっとやってみる?」

「ええ」

色々説明して上げると、流石は我が国の宰相様、そつなく洗っていく。

その様子を見守りながら、考える。

町には3日に1度、行くとしてそれ以外の日は何をやろうかだ。

あ、そういえばヴェロニカお母さんに笛を教わろうと思っていたんだ。

あと、飼育小屋の拡張のために木材を準備した方が良いかな?

それと、物作り妖精のおじいちゃん達、船を作るって言っていたのどうなったのかな?

いつも、なんやかんやお世話になっているから、いくらかは手伝う必要があるかな?

そういえば、 飛鳥人(ひちょうじん) のフュルーちゃん、レモン手に入ったかな?

出来れば夏前までには、欲しいんだけど……。

難しいかな?

あ、そういえば、小白鳥の皆が大草ウサギ祭りだっけ、一緒に狩りをしようって言ってくれてたんだった。

あれ、どうしようかな?

やっぱり、諦めた方が良いかなぁ~

そんなことを、つらつら考えていると、イメルダちゃんは髪を流し始めた。

一通り終えた後、後ろを振り向き「どうかしら?」と確認してくる。

「ん~

もう少し、この辺りを流した方が良いかも」

と言って上げると、イメルダちゃんは言う通りにしてくれる。

「大丈夫だよ」

と頷き、浴槽に戻って貰う。

シャーロットちゃんが立ち上がり「もう出る!」と言うので、浴槽から出るのを手伝って上げる。

そして、浴室まで付いていき、布で一通り、体と髪を拭いて上げる。

シャーロットちゃんも、ある程度出来るようになったけど、病み上がりだから念のためにね。

シャーロットちゃんに服を着せようとしたら、妖精メイドのウメちゃんが飛んできて〝こっちはやっておくから、お風呂に行ってきて!〟という様に身振り手振りをしてくれた。

ありがとう!

浴室に戻ると、イメルダちゃんがのんびり湯に浸かっている。

わたしも足先から静かに浴槽に入ると、極力波が立たないよう、ゆっくりとその隣に移動する。

そして、肩まで湯に沈める。

う~ん、温かくて力が抜けていくぅ~

わたしがまったり気分になっていると、ルルリンがポヨポヨしながらこちらに流れてくる。

その上に、スルスル泳いできたジン君がよじ登り、何やら嬉しそうにしている。

浮き輪とかに乗っている気分なのかな。

可愛らしくって、笑ってしまった。

イメルダちゃんも「何をやっているのよ」と言いつつ微笑んでいる。

う~ん、平和だ。

とはいえ、夏はもうすぐそこまで来ている。

色々やらなくてはならない!

よし、頑張ろう!