軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

17.コーララ山脈へ

山盛り積んでと言っていたので、この際遠慮無く。

カニ爪美味しかった……。これも思い出し味覚? 俺こんな美味いカニ爪グラタン食べたことあるっけか?

爪と言うが、爪は二つしか無い。つまり、実際チョキチョキしてるわけではなかった。なので何個もあるからいただきだ。

他にも、パン類や肉類とたくさんある。お野菜少なめだな。

重量制限を喰らうと、動きが二割減になるらしい。魔物相手には致命的なので、そうならないよう気をつけなければならない。増やす方法は、【持ち物】の量を増やす、またはアイテムポーチを買う、あとはレベルアップ時にプラスされていく分らしい。アイテムポーチはとてもお高いという。【持ち物】を増やすには、ステータスの耐久を増やす。これは最初に説明があったし、今もステータスウィンドで耐久に触れるとポップアップで説明が出る。

が、しかし、耐久は上げる気はまったくない。

ソーダはタンクなので、ごりごり上げているそうだ。

花火師になって以来の冒険ギルド。今日もNPCからユーザーまで、たくさんの人で溢れていた。特に、依頼掲示板前はたぶんこれ、人数間引きされているやつ。

あちこちにA6程度の紙に色々書いてある物が、所狭しと貼り付けてあるが、実際は近づくと綺麗に順序よく目の前に並び出す。

コーララ草の名を見つけ、それをぽちっと押すと詳しい依頼内容が出てきた。

【コーララ草採取依頼】

難易度F

コーララ山脈にて、コーララ草を採取し持ち帰ること。

報酬 一本500シェル。プラス10本以上の成功報酬20000シェル。

つまり、コーララ草1つにつき500もらえるが、10以上持って帰ってきたら別に2万もらえるということだ。

俺は依頼内容の右下に出ている、依頼受諾ボタンを押す。すると、ナビゲーションが現れ受付へ道が作られる。

きちんとギルドへ受諾する旨を言えということだな。

「すみません、あちらのコーララ草の依頼を受けたいんですけど」

「まあセツナさん! 嬉しいです。なかなか誰も受けてくださらない依頼だったので。助かります。では、カードをお願いします」

俺は最初に作った、今はほとんど本の貸し出しカードと化しているIDカードを出した。

「はい、これで依頼を受けたことになります。ではよろしくお願いしますね」

よし、久しぶりのフィールド。依頼をきちんと受けると、ナビゲーションが出るらしく、迷う必要はなさそうだ。

平原でミュス狩りをしていたとき、ずっと眺めていた山脈だ。

ピロリに言われた通り、全速力で走ってみる。敏捷をごそっと上げたのでそれなりに速い。この速さ、馴れないとまずいな。戦闘の時とか!

しばらくすると、EPゲージが減り始める。エンプティーポイントだが、どちらかというとスタミナみたいな感じかな? 走りながら、口の中に丸い物を押し込んだ。

甘い! が、美味しい。なんだろう。スノーボールみたいな?

そんなことを繰り返していると、生えた!

「【早足】か。フィールドにおける移動速度プラス20%」

パッシブスキルなので、これから常に【早足】がついてくる。もちろん、ゆっくり歩くことも可能。つまり、ここまでのようなEPを消費せずに、足が速くなる。

ということでさらに走り続けた。

天気は快晴。本来の自分ならとうてい出せないスピードになんだか楽しくなってくる。

ゲーム内時間で1時間半。リアルでは30分走り続け、ようやく山脈の麓へたどり着いた。残念なことにその上のスキルは出てこなかった。たぶん走り足りないか、走り方が違うのだと思う。

山道はさすがに今までのような早さでは進めなかった。位置エネルギーと戦うことになるのか、意識していないとすぐ歩みが遅くなる。

ナビゲーションはまだまだ上に続いている。

さらにゲーム内時間で1時間いったところでようやくコーララ草のお出ましだ。

というか群生してる。標高が高いところで咲きやすいのかな? いや、長雨でっていってたから、この山脈の向こう側で雨がふってこっちはわりあい乾いている地形なのかもしれない。この時点で満タンにしてきた食べ物が半分以上減っていた。ゲージも削れているので、少し休憩。岩の上に座ってカニつめグラタンをいただきます。

採取は、実はあの婆さんから採取用具を借りている。先の尖ったスコップで教えてもらった通りにすると、上手くいった。せっせと集めて、重量制限ぎりぎりまで詰め込んだ。

帰りはEPが減って食べて、空いたスペースに、接敵即斬のミュスの尻尾を放り込んで帰ってきた。

食べ物とネズミの尻尾一緒なのはちょっと嫌だが。

食べ物がなくなりそうな辺りで走るのをやめたので、帰りは行き以上に時間がかかった。もうすぐ起きる時間だが、せめて納品を間に合わせたいので大急ぎで冒険ギルドに向かった。

「まあセツナさん、とても早いですね」

「急いでるようでしたし」

コーララ草は52本。ミュスの尻尾は60本だ。

「こんなにたくさん! ありがとうございます! コーララ草は全部で26000シェル。そこへ依頼料の20000シェルで合計46000シェル。ミュスは3000シェルですね。全部で49000シェルになります。IDカードの提示をお願いします」

本が92冊分。

もっとバリバリ読みたいなぁ。のんびりも良いけど、読み尽くしたらアンジェリーナさんから褒められそう。

すごいって思われたいじゃん? しかもゲーム内、それが知識になるから一石二鳥感がすごい。

本当はアンジェリーナさんのところに寄ってからにしたいが、時間切れ。起床時間。

なのでクランハウスへ飛んで、ログアウト。

翌日。おやすみなさいからのおはようございますだ。

貸本屋に入ると、アンジェリーナさんが顔を上げて、満面の笑み。

あああああ……尊い。美の女神ここに降臨。

「セツナくん! 本当にすぐ行ってくれたのね、ヤーラさんがとても喜んでたわよ。今度来たら顔を見せてねって」

「いえいえ、お役に立てたら幸いです。ヤーラさんのところに行った方がいいですか? ずっと本を読んでないので正直何か読みたいんですけど……」

アンジェリーナさんと二人きりの静かな空間を満喫したいです。

ヤーラの言うこと聞いたのも、出てって欲しいってのが勝ってたしな!

「どうぞ、好きなだけ読んでいって」

ヤーラは後回しでオッケーってことで、今日は何を読もうかな!

そうそう、建築士だって言ってたおっちゃんのところにも行きたいから、建築の本でも読む? あーヤーラ婆のところに行ったらまた草の話されそうだし、薬草の本でもいいな。

ということで今日は薬草をチョイス。

『薬草と巡る季節』

『生活の中の草花』

『釣りと私』

「あら、今度は薬師を目指すの?」

「いえ、そういうわけじゃないですけど……また出先で面白い物を見つけたら採取するのもいいなと」

「確かに、冒険者の人は偶然珍しい物に出会うことも多いものね。見つけたらヤーラさんに見せてあげてね」

俺はにっこりと頷いた。