軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

140.ウロブルの貸本屋とアンジェリーナ

ウロブルの街は大盛況で、どこに行っても人だらけだ。みんな普通にこの街に着いているということは、それなりのレベルだということだった。

それだけの人がしばらく新しい街がなくても楽しめるだけのクエストやイベントがある。

何かに関わっておきたいなあと思うが、どれもこれもと言うわけにはいかないだろう。

セツナ:

貸本屋見つけたら教えてください。

何か探しているものがあれば俺も見ておきます。

柚子:

せっちゃんより先に貸本屋見つけられる気は皆無じゃ。

私は今、お店巡りをしているところじゃー。

ウロブルはなんだかアジアンテイストなのじゃ。

ピロリ:

わかるーっ!!

インドや中国じゃなくて、タイとかベトナムな感じ。

八海山:

建物の屋根がオレンジで統一されてるのが可愛いな。

ソーダ:

あの俺、なんか、よくわからないけど、学園の試験会場にたどり着いてる……。

案山子:

なんでそうなってるのッ!!

とか言って俺もッ!! 試験会場にいますッ!!

ソーダ:

ちょwww あ、いたwww

あ、パーティー作れませんって言われてる!

案山子:

カンニング対策ッ!! そのうちクランチャットも使えなくなるッ!!

そして2人の声は途絶えた。

いったいどうしてそうなった?

テストはもう受けたくないので、俺は学園には近づかないぞっ!!

と、人混みで目にとまる、姿。藍染めのストール。別に珍しいものじゃない。

カミキリのときに、かなり流行っていて、それ以降も付けている人が多かった。

だが、あのスタイル、背格好、俺が、間違えるはずがない。

「アンジェリーナさん?」

そのストールが少し揺れた気がする。

だが、人混みに消えて行く。

俺は慌てて後を追った。

敏捷はかなり上がってるはずなのだ。それでも追いつけないのは人のせい。

あと、街中はあまり走ってはいけないと、特に人が多いときは規制までされる。

そのせいで、見失ってしまった。

あちこち角を曲がって探して、結局諦めた頃。

俺は貸本屋を見つけた。

「いらっしゃ~い。あら、新顔さん」

「こんにちは」

「貸本屋のルールは……知ってるようね。本の虫さん」

ウロブルの店主は エルフ(長耳族) 。黄緑色の長い髪。綺麗な人だった。

「何か読んで行く?」

「あ、はい。そうですね。せっかくなので……アンジェリーナさんがこちらに来ていたりしませんでしたか?」

「アンジェリーナ? ……ああ! アランブレの? いえ、今は特に本の入荷とか頼まれていた物はないから。そういったことがないとあまりアランブレからここまでは来ないわね。頼まれていた本の入荷とかも、運び屋に頼んでしまうわ」

そうだよなぁ。結構遠い。

「そうですか、すみません」

気のせい、と済ませるには、あまりに似ていたように思えるが、これ以上情報もないので今は見つけた貸本屋を堪能する。気持ちを切り替えよう。

セツナ:

貸本屋見つけました~

柚子:

自己解決おめっ!!

新しい街に来たときは、街歩き系の本を読むに限る。ここは西側から入ったせいか、北編と南編だった。冒険ギルドのおっさん(たぶんギルド長)が教えてくれたのとさほど変わらない感じだ。

美味しいお店や、服のお店の紹介もあった。このあたりは少し蒸し暑いので、涼し気な服が多いようだ。

フルーツが多く、NPC露店に並ぶ品物もフルーツをメインにした品物が多い。

この辺りの食べ歩きも楽しそうではある。

しかし、やはりメインは学園、学院、図書館のようだ。

これ、運営が本を読むことを推しているように思えてきた。そこから錬金術師の話も持ち出すのかな?

学園で勉強することによって知力があがったりはありそうだ。

騎士の方ならスキルを身につけたりも。

ソーダ:

共通テスト並の試験を受けることになるとは思わなかった。

案山子:

……ふっ、もう、忘れてるよッ!!

ピロリ:

共通テストwww

でもまあ、合格ラインがどこかはわからないし?

えー、本気のテストなの~? ちょっと受けてみたい気もするわ~。

ソーダ:

3ヶ月制だそうだ。つまり、リアル時間1ヶ月でそのまま、まだ学園に滞在するかを決められる。さらに言えば、その際のテストはナシ。1度合格しちゃえば学園に在籍することは可能。

学費はかかるけどな。1クール10万シェルだから、学園内うろつきたいやつはいいかも。

テストの後見学したんだけど、クエストたくさん落ちてそうな匂いがした。

案山子:

お貴族様は、将来のために真面目に学びに来ているので、あまりじゃましないようにって言われた。来訪者がこの世界を学ぶのを邪魔をしようとは思いませんとも。

八海山:

つまり、プレイヤーが学園に興味引かれて入るのはいいし、在籍しつつ学園外のことに精を出すのも止めないが、貴族がいるから対応は相応のロールプレイをしろってことだな。

ソーダ:

テストの後死んだ目してたのは社会人だろ。

大学生はまだやってる最中だから余裕なのかもしれん。

ピロリ:

合格ラインは低いのかもね。

それか、勉強関連と思いきやところどころ心理テスト混ぜてたり。

ソーダ:

あーw 貴方は現状に満足してますか? みたいなやつは最後にあった。

とりま合格発表は2時間後らしいから、なんか別のことするか。

いやー、疲れた。

案山子:

学園があるから、しばらく次の都市は開けないのかもしれないねッ!

今更テストとか、無理だろ。

しかし、そうなると学院はどうやって入るんだろう? もっと難しいテストを受けるとか??

たぶん、ウロブルの学者であるソールは、学院の方だよな~。

てことで、追加の本を借りる。

『ウロブル学院入門書』

『地魔法についての研究書』

『火魔術と水魔術の複合魔法についての考察』

『ウロブル学院研究室』

「あら、学院に興味があるの? 魔法使いさんみたいだけど……」

「最近付与魔法を学んでいて、そういったことも研究されていないかなと」

「勉強熱心なのね。ウロブルの研究室になら伝手もあるし、学院も申請すれば見学は許してもらえるはずよ。月に2回くらい、研究室解放日もあるから、問い合わせてみるのもいいと思うわ」

学園の方は貴族とか派閥とかのクエストありそうで面倒くさそうだった。学院の方が研究にイカレてるやつとかいて楽しそう。

「ありがとうございます。機会があれば」

覗いてみるのはアリです。