軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

141.生活魔法沼研究室

よし、学院に行こう。ちょっとチラ見するだけだ。

ソーダ:

合格してる!! てか朗報。ウロブル学生寮がある。そして、その学生寮はクランハウスと同じ帰還機能あり。

柚子:

なんじゃとおおおおお!!!! 月10万シェル払ってポータル機能ゲットかっ!!

案山子:

残念。学生寮は別料金。1クール3ヶ月分前払いの30万シェルです。

ピロリ:

それでもかなり嬉しいでしょう。

えーちょっと欲しくなっちゃった。

ソーダ:

次のテストの時受けてみたら? リアル時間1ヶ月後。

ピロリ:

くぅ……勝ち組自慢されそーっ!!

八海山:

これ、学園滞在プレイヤー急増しそうだな。

ソーダ:

ところがどっこい、最低授業数は決まってる。

それを怠ると退学。1ヶ月に3コマらしいけどな。ゲーム時間内2時間を3回、1ヶ月ごとに受けてないとその時点で退学、学生寮没収。先払い金返還はなし。

柚子:

それくらいは平気じゃろ。それで帰還用ぽちっとなが出来るなら。

ストレージは?

案山子:

それはナシッ!

追加で物置くのも禁止ッ!!

八海山:

不良学生が増えそうだ。

クランチャットの賑わいを聞きながら、俺は学院に来ております。

大きな門とその横に詰め所。

「すみません、学院の見学をしたいんですけど」

「どういった関連の研究の見学を希望でしょう?」

お、結構しっかりしてる。

だがしかし、俺はちゃんと事前調査済みです! 貸本屋様々。

「今、魔法付与をしています。その過程で火魔法と水魔法を上手く発動させて攻撃に転じることは出来ないかとか、付与の材料について研究している方がいらっしゃったらお話を聞いてみたいなと思ったんです」

答えには満足いただけたようで、受付のお兄さんはにこりと笑って頷いた。

「こちらにお名前を。見学許可証は10日間有効です。学院内で入ることの出来る場所はその見学許可証で開く扉のところまでです。扉に嵌まっている青い石に、その許可証を近づけてください。研究員はみな平等とは言いましても、貴族の方々がいらっしゃるのは間違いありません。言葉遣いには重々注意してください」

「はい」

「とくに、この街の外から来てらっしゃる貴族の方には、この街のヴィランウェバ伯爵様の注意が行き届いていないこともございますので」

「了解しました」

「それでは、よい知識との出会いを」

アランブレはお城があってすごく大きい感じがしたが、ウロブルはアランブレに匹敵する大きさだ。そのうちのかなりの敷地を占めているのが学園と学院だった。

学園都市の名にふさわしい。

入館許可証と一緒に、学院の地図を渡された。それは俺のステータスウィンドウに組み込まれている。学院の地図ゲットしてます。

時間はありそうだし順番に研究室のネームプレート見ていくか。

地図と照らし合わせながら廊下を進んでいく。

なんだか本にも書いてあったが、色々な研究室があるんだよな。

もちろん、本に書いていなかったものもたくさんあった。

案山子が持っているという時魔法研究室。だいたい研究内容も読み取れるようになっていた。

……タイムマシーンは無理じゃなかろうか?

せっかくだから付与について研究しているところに、本当に行ってみたいんだが、俺は見つけてしまった。

うそだろ、こんなところにいるのかよ。

俺は意を決して扉をノックする。

中からくぐもった許可の声が聞こえた。

「失礼します。研究室の見学をしています。セツナです」

中には、ソファに寝っ転がった男性の姿が。薄い茶色の髪がだらしなく伸びていて、横で1つにくくっている。

「いらっしゃい。見学の人か。こんな研究室に如何様で?」

「はい。先生の研究にはとてもお世話になってます。いったいどのくらいの魔法があるのか、少しお話をさせていただけると!!」

「……まあ座ったらいいよ。お茶を入れよう」

目の前のカップに手をかざす。

「【洗浄】【補水】【沸騰】【引き寄せ】」

「おお! 流れるような生活魔法!!」

「……君、本当に僕のことを知ってて来てるんだね」

「先生の著書にはお世話になっています!」

【引き寄せ】で手に取ったお茶を茶こしに入れて一杯ずつ作ってくれてる。

ポット……。

お気遣いありがとうございますです。

「それで、聞きたいことって?」

「はい! 先生の著書のおかげで色々な場面で助かってきました。今多少抜けているんですが、11まで覚えました。他にはいくつまであるのかお聞きしたくて」

探すにしても、目標がある方が助かる。ここやローレンガの貸本屋では見つけてなかったしな。

「今のところ20までを書いている。21番目を研究中だよ」

「20ですね。本屋を探さねば」

「……研究室には全部揃ってるけどね」

あ、それはそうか。

「まあ、そうだね。僕の研究の成果だから、ただで教えるのはちょっともったいないかな~」

「あーそれはそうですよね」

「今ね、ちょっと欲しいものがあるんだよ」

そんなわけでおつかいクエストが発生した。

「ブラウン先生! 待っててください、ちゃんと持ってきます」

「おお青年よ。期待しないで待っている」

結局始終ソファにだらっとしていたな。

頼まれたものは、ウロブルの西門を出て、北へ少し行ったところにある、湖の畔に生える黄色いキノコだそうだ。

ただ、言ってた言葉が気になる。

食べると、とても気分がよくなるそうだ。

やばくねえか?????

案山子に【鑑定】してもらおう。あー、【鑑定】も出さないとなぁ。出したい。めっちゃ出したい。結局やること多すぎるんだよなぁ。

【鑑定】、【属性看破】、付与の素材、付与からの新しいスキル出し。

そして忘れちゃいけないミュス狩りと、最優先事項アンジェリーナさん。

そりゃしばらく次の街いらないや。

とりあえず、この街を出たところはぎょろちゃん移動で行ける。近くというのは2マップ移動っぽい。

うーん。レッツチャレンジかな??

いつまでたっても人頼りもね!!

そんなわけで、俺は『生活魔法沼』の著者、ジョン・ブラウンのおつかいに旅立ったのである。