軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

19-11.謎の美女

「どういう事だ? 本当に売ってしまったと言うのか?」

魔法屋の中で何やら揉め事が起きているようだ。

「えらく非難がましいじゃないか」

答える声はお婆さんのように 嗄(しわが) れているのに、ここまで聞こえるほど声量がある。

「当たり前だ! この領存亡の時に、貴重な戦略物資を他領の者に売却するなど、守銭奴にもほどがある!」

「守銭奴とは言ってくれるじゃないか」

バンッと机を叩くような音が響いた。

「あたしはきっちりと仁義を切ったさ。それを不要だと言って突っぱねたのは、あんたの所の守護だ」

「どういう事だ? そんな話は聞いてないぞ」

「聞いてないのはあんたの責任だ。ベルトン子爵家の家令が買い取りに来た時、あたしは一旦販売を保留して守護に『竜の鱗』を買うか尋ねた。あいつは『そんな高い金を出してまで買う気はない』と言って突っぱねたんだ」

――竜の鱗?

ベルトン子爵っていうが誰かは知らないけれど、どこもかしこも竜の鱗を必要としているらしい。

オレはストレージから肩掛け鞄に竜の鱗を5枚ほど移しておく。

貴重な品のようだし、レア度の低そうな下級竜の鱗を多めに、成竜の鱗も1枚出しておこう。

「オマケに『領の事を思うなら、ただで差し出せ』とまで言いやがったよ」

うわぁ。守護っていうのはどういう役職か分からないけど、ダメ役人の典型みたいな人だな。

「誰だ!」

内側から扉が開いて、迫力のある美女が怒鳴りつけてきた。

上等な乗馬服のようなものを着込み、青いマントを上から羽織っている。ちょっと目つきが怖い。

――げっ。

美女の横にAR表示がポップアップした。

彼女の名前はクリスベルナ・カゲゥス。

このカゲゥス伯爵領を統べる女伯爵その人のようだ。

「小僧! 盗み聞きとは良い度胸だな!」

迫力ある美女が柳眉を逆立ててオレの胸ぐらを掴んだ。

AR表示される年齢はアラサーだが、見た目は二十代前半に見える。

「何やらお取り込み中のようだったので、入るに入れず」

「ほう?」

女性の視線が鋭さを増した。

弁明スキルか詐術スキルをアクティベートしておくべきだったかもしれない。

「どこまで聞いていた?!」

女性が腰の剣に手を添える。

なかなか物騒だ。

そういえば「領存亡の時」とか言ってたっけ。

「竜の鱗がどうとかと言う話なら――」

そこまで言った瞬間、喉元に抜き身の剣が突きつけられた。

オレは反射的に両手を挙げて反意は無い事を示す。

スキルMAXにした回避スキルのお陰で回避しようと思ったら簡単に避けられたんだけど、それをしたら領内で指名手配されかねなかったので、素直に降伏を選んだ。

「事が収まるまで牢で鼠と仲良くしていてもらおうか」

不衛生な場所も、鼠と仲良くするのも遠慮したい。

「それでしたら、すぐに事が収まる提案があるのですが」

「ほう? 剣を喉元に突きつけられて、なおそんな軽口を叩く余裕があるか――」

まあ、それはここから彼女に剣を突かれても避ける自信があるからだけど。

「それより、鞄の中をお検めください」

「――調べろ」

女伯爵が言葉少なに命じると、魔法屋の中から護衛騎士らしき人物が現れて、オレの鞄を取り上げ中を確認する。

「こ、これは――」

「何があった?」

「ここではちょっと。とりあえず、中へ」

護衛騎士に腕を掴まれ、女伯爵と一緒に魔法屋の中へと入る。

オレの鞄は彼が持ったままだ。

「それで何があった?」

中に入るなり、女伯爵が護衛騎士に尋ねる。

「鱗です」

「うろこ……鱗? まさか?!」

護衛騎士が女伯爵に力強く頷いた。

「竜の鱗です」

「ほー、こいつあ凄いね」

護衛騎士の横から覗き込んだ老店主が、口笛を吹きそうな顔で言う。

「これが竜の鱗か……。他はずいぶん小さいがワイバーンのものか?」

下級竜の鱗が一回り小さいからか、女伯爵が勘違いしてしまった。

「何を言うておる。その小さい方が、お前さんがさっきから欲しがっておった下級竜の鱗じゃよ」

「なんだと? では大きい方は――」

途中で大きい鱗の正体に気付いたのか、女伯爵が驚愕の顔で固まった。

「お察しの通り、成竜の鱗じゃよ」

老店主が女伯爵の反応を楽しみながら告げる。

「こ、これが……」

女伯爵が震える手で成竜の鱗に触れる。

竜の谷に落ちていたのを拾っただけの品だけど、こんなに方々で喜ばれるとは思わなかった。

換金にも使えるし、買った人も喜んでくれるし、WIN-WINな感じだね。

「しかし、困ったな……」

さっきまで満面の笑みを浮かべていた美女が、急に難しい顔で黙り込んだ。

はて? 何か不備でもあったんだろうか?

「何を困る事があるんじゃ?」

老店主もオレと同じ事を思ったのか、オレの代わりに女伯爵に尋ねてくれた。

「持ち合わせが足りん」

「なぜじゃ? わしのところで買うつもりだったんじゃろ?」

「鱗一枚のつもりで来たからな。これだけの数、ましてや成竜の鱗など手が出ん」

なるほど、お金の問題か。

鱗五枚は多かったかもしれない。

「別に全部買う必要はあるまい? お前さんが買わん分はわしが買ってやるぞ?」

「たっぷり上乗せして、な?」

「ふぇっふぇっふぇ、わしも商売じゃからな」

老店主が海千山千な商人の顔で言う。

「足りない分は後払いでも構いませんよ?」

現金や宝石は間に合っているし、領民の安全の為に使うみたいだし、現金払いに固執する気はない。

「それは助かる」

「お人好しじゃのう。自分から妥協案を提示してどうするんじゃ。そういう時は相手から言い出すのを待って、恩に着せまくって金額の吊り上げや条件の引き上げを交渉せんか」

老店主が呆れた声でオレにアドバイスしてくれる。

「助言感謝します、店主殿」

「ふん」

オレが素直に礼を言うと、老店主が鼻を鳴らしてそっぽを向いた。

ひょっとしたら、照れくさいのかもしれない。

「心配せずとも、相場の3倍で買い取ってやる」

「当然じゃろ。わしなら10倍で売るぞい」

それはさすがにボッタクリではないだろうか?

「10倍はさすがにな……。何か望みはないか? 不足分の補填というわけではないが、多少の無理は聞いてやるぞ?」

「望み、ですか? でしたら、領内の通行証をいただけませんか?」

「持っていないのか?」

「私が持っているのはセーリュー伯爵領の臨時発行のものなので」

オレはゼナさんが持たせてくれた証書を見せる。

「なるほど、それなら発行してやろう。店主、机を借りるぞ」

書き慣れているのか、女伯爵は瞬く間に許可証を書いてくれた。

「領主の直筆だ。これがあれば、国内や北の小国群での移動に困らんぞ」

「ふぇっふぇっふぇ、ついでに魔法書や巻物なんかの購入許可証も出してやんなよ。この店に来たって事は、そのへんの品が買いたかったんだろう?」

「購入許可証が必要なんですか?」

これはびっくりだ。

許可証が必要だとは思わなかった。

「入門書程度なら必要ないが、巻物の中には人を害するものもあるからな」

それもそうか。オレが貰った巻物は護身用だけど、「 短気絶弾(ショート・スタン) 」でも拳で殴った程度の威力はあるからね。

「なら、許可証も発行してやろう。さすがに軍用の魔法は無理だがな」

「助かります」

ちょっと残念だけど、現代日本で言うなら銃や刀剣みたいなもんだろうからね。

「他には無いか? この程度では恩に報いる事にはならん」

「いえ、私にはこれで十分です」

「そうか? まあ、本人がそう言うなら」

女伯爵は不満そうだが、買う側が値を吊り上げてどうする。

「では、証書を作る」

女伯爵はそう言って、さらさらと羊皮紙に書き込んでいき、最後にさっき言った金額と彼女の名前をサインする。

「確認したまえ」

なかなかの金額だ。

これだけあれば、迷宮都市で獣娘達やアリサ達に良い装備を買い与えても、しばらく生活には困らずに済みそうだ。

「はい、確かに」

オレが確認すると、彼女は羊皮紙をくるくると丸めて、護衛騎士が用意していた蝋を垂らし、指輪の印章で封をした。

――封蝋!

欧風ファンタジーでたまに見るけど、実物を見るのは初めてだ。

なかなか異世界していてテンションが上がる。

「これを未開封のまま役所に持っていけば換金してくれる。額が大きいから、スタレの街だと何日も待たされるかもしれん。領都のカゲゥス市なら即日で出してやれるんだが……」

カゲゥス市なら迷宮都市セリビーラへの道すがらにある。

「でしたら、カゲゥス市に寄った時にでも換金させていただきます」

オレはそう言って巻物を受け取り、それと交換で五枚の鱗を彼女に手渡した。

「領都に来たら城に顔を出せ。羊肉料理のフルコースと最高に美味いエールを飲ませてやる」

女伯爵はそう言うと、護衛騎士を連れて颯爽と人混みの向こうに消えた。

偉い人とお近づきになるのはともかく、「羊肉料理のフルコースと最高に美味いエール」とやらには興味がある。

カゲゥス市は迷宮都市セリビーラに行く道すがらにあるし、気が向いたらお城に寄ってみようかな?

「それで何を買う?」

女伯爵を見送っていると、後ろから老店主が問いかけてきた。

「魔法の入門書、それと巻物を色々と」

「魔法書の属性は?」

「なんでも構いませんが……術理魔法にしておきます」

「なるほど、ずぶの素人ってわけじゃな。ならば、魔法を志す者が最初に読むような簡単過ぎるほど簡単な奴と、その次に読みたくなりそうな本を何冊かってところじゃな」

老店長が店の奥にある棚から何冊かの本を取ってくる。

一冊目は絵本並みにページ数の少ない奴で、それ以外もさほど分厚くない。

「最初のが銀貨三枚、他は金貨二枚ずつじゃ」

思ったよりもリーズナブル?

いや、銀貨一枚が宿二泊分って考えたら、薄い奴で3万円から6万円、後者はその3倍強って感じだから、本の価格としたら相当高いと思う。

「さすがに高すぎませんか?」

「魔法書なんていうのはこんなもんじゃよ」

「相場の三倍ってところですか?」

「坊主はかまかけが下手じゃな」

あっさりと見抜かれてしまった。

「まあ、良かろう。ふっかけられているのに気付いただけマシじゃ。それに免じて銀貨二枚と金貨一枚半に負けてやる」

「ありがとうございます」

お礼を言ったら溜め息を吐かれた。

「そこで食い下がらんでどうするんじゃ」

――あっ。

「すみません、なかなか慣れなくて」

値切り文化はどうにも慣れない。

海外旅行した時にも、よくぼったくられたっけ。

「あとは 魔法の巻物(マジック・スクロール) か?」

「はい。護身用の『 放電網(スパーキング・ネット) 』や『 短気絶弾(ショート・スタン) 』は持っているので、それ以外でお願いします」

「なんじゃ? 変わった要望じゃの。なんぞ、欲しい巻物があって探しに来たんじゃないのか?」

老店主が訝しげに問う。

「不勉強なもので、どんな巻物が売られているか知らないんです」

なので、教えてください。

「育ちがいいのか、ぼんくらなのか……」

あの、悪口なら聞こえない場所でお願いします。

「まあ、いい。どんな目的で使うんじゃ?」

「これから迷宮都市まで旅をして、そこで冒険者になろうかと思いまして」

「なるほど、旅や迷宮探索で必要な巻物というわけじゃな」

老店主は指摘しなかったが、オレが口にした冒険者という呼称は間違っていて、この国では迷宮探索者あるいは単に探索者と呼ばれるのだと、後に知った。

「ならば、水魔法の『 給水(ポア・ウォーター) 』、生活魔法の『 止血(バンデージ) 』や『 害虫避け(バグ・ワイパー) 』や『 消臭(デオドラント) 』、術理魔法の『 探知(ソナー) 』あたりじゃな」

「どれも便利そうですね。いくらくらいですか?」

「一本あたり、金貨二枚じゃ」

「使い捨てにしてはずいぶん高くありませんか?」

「当たり前じゃろ? こんな巻物を持ち歩くのは裕福な商人か名家のボンボンくらいじゃ。貴族は魔法を使える従者がおるしのう」

なるほど、需要が限定されているのか。

「五本で金貨四枚くらいになりませんか?」

「ならん。大負けに負けて、金貨八枚ってところじゃ」

それでも一本無料という事は、最初の値付けがそれなりに良いところを突いていたって事か。

「そこをなんとか。金貨五枚半くらいで」

「金貨七枚じゃな。これ以上はまからん。金が足りんなら、本数を減らせ」

なら、七枚でと言いかけたが、それを言うと老店主に怒られそうな気がしたので、もう少し粘ってみる。

「もう一声! 金貨六枚半!」

「なかなか頑張ったのう。いいじゃろう。売ってやる」

こっちの思惑は完全に見透かされているっぽかったし、向こうは交渉というよりは遊びみたいな感じだったみたいだ。

たぶん、本来の売値はもっと安いんだと思う。

「売っておいてなんじゃが、非常用の『 給水(ポア・ウォーター) 』や『 探知(ソナー) 』はともかく、『 消臭(デオドラント) 』や『 害虫避け(バグ・ワイパー) 』なんぞ、よく買う気になったもんじゃ」

「そうですか? 臭いで追いかける狼系の魔物の追跡を撒く時とか毒虫のいる場所を突っ切らないといけない時とかに使えそうじゃないですか」

使い捨てだと確かに微妙だけど、オレの場合は一回使ったらメニューの魔法欄に登録されて、何度でも使えるようになるからお得なのだ。

「『 止血(バンデージ) 』は?」

「え? 血が止まらない時に便利では?」

「少しはその頭でモノを考えるんじゃな」

はて? 普通に便利だと思うけど――。

「そんな嵩張るモノを持ち歩くなら、包帯か綺麗な布を持ち歩いた方がなんぼかマシじゃよ」

「なるほど……」

オレの場合はストレージになんでも入るし、出し入れの魔力コストもない。

しかも、止血の魔法を魔法欄に登録すれば無詠唱でいつでも使えるので、包帯や布よりは遥かに便利だ。

だけど、そういった特殊な事情のない他の人にとっては、老店主が言うとおり不必要な巻物というわけだ。

「ですが、よくそんな巻物を仕入れましたね」

「うちの丁稚が流れのヨルスカ商人に騙されて買わされた品じゃよ。不良在庫だったから助かったわい。今さらいらんとは言わんじゃろ?」

「ええ、もちろん買わせていただきます」

オレにとっては十分に有用なので。

ちなみに、ヨルスカというのは街の名前でシガ王国の南東にある自治領の一つで治安が悪い事で有名らしい。

その近くにはドワーフ達が暮らすボルエハルトという都市があるそうなので、迷宮都市での用事を終えたら一度行ってみたい。

「師匠! 今度は凄い巻物を仕入れましたよ! 見て下さい! 生活魔法の『 柔洗浄(ソフト・ウォッシュ) 』と『 乾燥(ドライ) 』と『 照明(ライト) 』です! これは需要がありますよ!」

キラキラした目で飛び込んできた赤毛の少女が三本の巻物を老店主に見せる。

AR表示によると、男爵令嬢らしい。

「この馬鹿者が! また無駄金を使ってクズ巻物を仕入れてきたんじゃな!」

なるほど、この娘が素晴らしい巻物を集めてくれた恩人か。

「今度のは売れますって! 師匠も生活魔法使いが『柔洗浄』と『乾燥』と『照明』で稼いでいるのは知ってるでしょ?」

少女は老店主しか見えていないようで、オレをスルーして、老店長に捲し立てる。

「それは知ってる、――がそれを幾らで売るつもりじゃ?」

「仕入れが一本銀貨二枚だったから、銀貨三枚くらい? いや、強気で銀貨五枚で売ってみせましょう!」

うん、その値段なら買いだね。

「そんな金額で買う馬鹿はおらん。街中なら大銅貨一枚で済むのに、誰がそんな値段で巻物を買う?」

「でもでも、旅先なら? 旅先には生活魔法使いなんていませんよ」

そうそう。なので、ぜひとも欲しい巻物だ。

「旅先で汚れを気にする旅人はおらん」

いえ、ここにいます。

「でもでもでも、貴族とかお金持ちなら――」

「気にするような金持ちや貴人は、生活魔法が使える従者を雇う。巻物なんぞいらん」

少女が「しまった!」という顔をした。

自分も貴族なのに、それに思い至らなかったようだ。

「師匠~、どうしましょう~」

「まったく、この馬鹿弟子がっ」

泣きつく少女を老店主が叱り飛ばす。

少女が地面に膝を突き、「虎の子のへそくりを使ったのに~、明日からどうすれば~」と言って嘆いている。

「お嬢さん」

オレは少女の横で 屈(かが) んで声を掛ける。

「誰?」

「客です。良かったら、その巻物を三枚で金貨一枚で買い取りましょうか?」

「本当?! で、でも、金貨一枚だと足が出るから金貨二枚でなら――」

「交渉成立ですね」

オレはさくっと金貨二枚を渡して少女から巻物を買い取る。

これで旅先でも身綺麗にできるし、夜中に本が読める。焚き火の明かりだと、影が揺らいで読みにくいんだよね。

「まったく、物好きな客じゃな」

「いえ、実に素晴らしい巻物ですよ」

「でしょでしょ! 私はベルナ・リゲゥス! これからシガ王国で私を知らない者なんていなくなるくらい有名な魔法屋になる予定なの!」

「それは素敵ですね。また素晴らしい巻物が手に入ったらぜひともお声がけしていただきたいですが、生憎と旅の身の上なので」

「大丈夫よ! 商業ギルドで手紙を送ってくれるわ! 旅先で落ち着いたら手紙をちょうだい! すっごい巻物が手に入ったら真っ先に教えてあげる」

彼女ならきっと、一般の魔法屋がスルーするような巻物をいっぱい買い付けてくれるだろう。

「期待してます。私は巻物収集家のサトゥーと申します、迷宮都市セリビーラに向かう予定なので、向こうに着いたら手紙を出させていただきますね」

「セリビーラ! 私も一度は行ってみたかったんだよね! ねぇねぇ、魔物の素材とかが手に入るようになったら教えてね。このあたりは田舎だから、なかなか必要な素材が手に入らないんだ」

「ええ、その時はぜひ」

意外なところで販路をゲットしてしまった。

まあ、彼女が必要とするような素材が手に入るほど強くなれるかは分からないけどね。

オレは彼女と握手を交わし、大量の巻物や魔法書を抱えてほくほく顔で宿に戻った。

なお、翌朝、魔法屋に行った事を知ったアリサに「わたしも行きたい!」とねだられて、もう一度訪問する事になったのは別のお話。

数日の休養を経て、オレ達は馬車でスタレの街を旅立った。

次の目標は領都カゲゥス市だ。