軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第139話 残り物

『本当に勝ってしまうとは……善戦するとは思っていたが、奴は本気で君を殺そうとしてたからね。ちょっと焦ったよ』

そう言ってラーゼスは笑っている。実体があれば間違いなく殴ってるな。

“超回復”の効果で心臓が再生し、傷が 塞(ふさ) がっていく。俺が立ち上がると、ラーゼスはゆっくりと歩いてきた。

『本当に良かった……』

“念話”のスキルを使わなくても、それが心の底から出た言葉なのはすぐに分かる。ラーゼスにとっても、この戦いは賭けだったはずだ。

『錬金術師のボードは最高レベルに達してるんじゃないか?』

そう言われて思い出す。

「ああ、たぶん……」

鑑定で自分のステータスを確認すると――

錬金術師 Lv99

【職業スキル】

錬金術 RankSSS 称号“偽神”

「確かに職業ボードがカンストしてるな。しかもランクがトリプルSにまでなってるぞ……称号は“偽神”……?」

URの職業ボードだったけど、あれだけ強い敵を倒したんだから当然といえば当然か……。

『うん、一旦上の階に戻ろうか』

◇◇◇

上の階に戻ると、俺たちを待っていたかのように複数のゴーレムが 佇(たたず) んでいる。

ゴーレムは俺を案内するように、少し奥まった洞窟の空間に連れてきてくれた。その空間には銀色の台があり、上に何か並べて置いてある。

「それは?」

『君が引かなかったガチャの中身だよ』

ラーゼスの言葉に驚く。よく見れば“アメ玉”や“職業ボード”などガチャに入っていた物がたくさん並べてあった。

「俺が引かなかった物って……もらっていいのか?」

『お金は持ってきたかい?』

「えっ!?」

『ハハハ、冗談だよ。全部使ってくれ』

「いや、もらえるのは嬉しいけどなんであの魔神と戦う前に渡してくれなかったんだ!?」

当然の疑問が頭に浮かぶ。

『仮に先に渡しても、アガリアレプトがこちらの説得に応じなければ君に勝ち目は無かった。君が殺されてしまうと無駄になってしまうからね』

「いや、スパルタすぎるだろう!」

俺が憤慨していると、一体のゴーレムが銀色のトレーに三つの“アメ玉”を乗せてこちらにやって来た。

「これは、もしかして……」

『固有スキルを得られる“真核”の玉だ。私には、もう新しい魔道具を作り出す魔力も材料もない、これが最後の物になる』

俺はその三つを鑑定してみる。

【黒鉄の蝕装】 SSR

黒鉄の鎧を全身に纏い、自在に動く大剣を顕在化する。

【闘神気功】 SSR

気功武術の上位互換、気功を自由自在に操ることができる。

【名工の継承】 SSR

器用さのステータスを大幅に引き上げる。

二つはハヌマーンとラべリアの固有スキルだな。もう一つはバフ効果があるステータス強化系最後の物だ。

器用さが上がれば、攻撃の命中率や職業スキルの“生成”に影響がある。

他の“アメ”や“職業ボード”を鑑定すると――

火魔法 (Ⅰ) R × 6 風魔法 (Ⅰ) R × 8

土魔法 (Ⅰ) R × 7 水魔法 (Ⅰ) R × 4

雷魔法 (Ⅰ) R × 3 光魔法 (Ⅰ) R × 2

闇魔法 (Ⅰ) R × 2 回復魔法(Ⅰ) R × 6

強化魔法(Ⅰ) R × 2

魔法適性(Ⅰ) R × 7 成長加速(Ⅰ) SR × 5

物理耐性(Ⅰ) R × 3 魔法耐性(Ⅰ) R × 3

空間感知(Ⅰ) R × 1 千里眼 (Ⅰ) SR × 4

鑑定 (Ⅰ) R × 4 魔力強化(Ⅰ) SR × 7

精神防御(Ⅰ) R × 5 隠密 (Ⅰ) R × 6

加護 (Ⅰ) SR × 3 威圧 (Ⅰ) R × 4

精密補正(Ⅰ) R × 3 寒熱耐性(Ⅰ) R × 5

敵意感知(Ⅰ) R × 2 念話 (Ⅰ) R × 5

模倣 (Ⅰ) SR × 1 演算加速(Ⅰ) SR × 4

職業ボード・僧侶 R × 1

職業ボード・狩人 R × 2

職業ボード・魔法戦士 SR × 5

職業ボード・モンク SR × 4

職業ボード・賢者 SR × 1

職業ボード・聖戦士 SR × 3

職業ボード・弓使い R × 3

職業ボード・盗賊 R × 1

職業ボード・鍛冶職人 R × 3

職業ボード・暗殺者 SR × 2

職業ボード・大魔導士 SR × 2

職業ボード・魔王 SSR× 2

職業ボード・大賢者 SSR× 1

『能力系のこれで全部だ。武器防具のガチャは全て引かれていたので、ここには残っていない。アイテム系のガチャは君の役に立つ物はないだろう……ただ』

少し背の小さなゴーレムが別のトレーを持ってきた。上には十個の宝石のような物が置いてある。

「これは?」

『“光石”という材料だ。これ自体には大した効果はないが、君が持つ“魔石”を錬金術で合成すれば意味のある物になる』

「魔石……そんな物、あったっけ?」

『君はロシアのダンジョンに 潜(もぐ) った時、手に入れてるはずだ』

その言葉で、急速に記憶が 蘇(よみがえ) った。俺は色々な物を無造作に入れていた亜空間を開いて中を確認する。

「これか……」

全部取り出し、地面に並べてみる。

雷の魔石 召喚の魔石

光の魔石 強化の魔石

土の魔石 炎の魔石

闇の魔石 水の魔石

風の魔石 白の魔石

「確かに十種類の“魔石”があるけど、これとこの“光石”を合成すればいいのか? これで何ができるんだ?」

『合成すると“輝石”という材料になる』

輝石!? 聞いたことがあるぞ。確かこの迷宮に来る前、ノアが言っていたな。俺は亜空間からノアにもらった黒い手袋を取り出した。

『それは“魔道図書”の最終ページに書かれている神話級の魔道具【冥王の十指】だ。私にはそれを錬成するほどの魔力はもうない。君にしかできないからね錬成してみてくれ』

俺の錬金術師の職業スキルは最高レベルになっている。失敗はしないと思うが、材料が一種類ずつしかないからな……急に不安に襲われた。

『心配ないよ。大丈夫、必ず成功する』

ラーゼスに背中を押されるように、同じ色の石を並べて一つずつ錬成していく。莫大な魔力を消費するが、今までと違って簡単に錬成できる。

今までは失敗することが多かったが、十個全て成功し“輝石”にすることができた。

“輝石”は光り輝くひし形のダイヤモンドのようで、それぞれ色がついている。俺は“輝石”を手袋の甲の部分、指の付け根にある窪みにはめ込んでいく。

「これが【冥王の十指】か……」

鑑定するとレアリティはURで、魔法を強化するとある。

『それはとても強力な魔道具だ。きっと役に立つだろう』

俺はその後、もらった“アメ玉”……ラーゼスは“真核”って言ってたな。を全部食べてみる。自分のステータスを鑑定してみると――

錬金術師 Lv99

HP 84310/84310

MP ∞/∞

筋力 176940

防御 117480

魔防 55500

敏捷 99780

器用 57860

知力 195125

幸運 858000

【職業スキル】

魔術 Rank SSS 称号“魔術王”

回復術 Rank SS

複合魔術 Rank S

マッピング Rank SSS 称号“岩窟王”

魔道図書 Rank A

剣術 Rank SSS 称号“剣聖”

武術 Rank SSS 称号“拳王”

生成術 Rank C

解体 Rank A

強奪 Rank SS

弓術 Rank B

テイム Rank SSS 称号“魔を統べる者”

錬金術 Rank SSS 称号“偽神”

アーカイブ Rank B

気功武術 Rank S

魔法剣 Rank S

結界術 Rank S

光の加護 Rank SSS 称号“光へ導く者”

闇の加護 Rank A

暗殺術 Rank A

【固有スキル】

時空間操作 天下無双 命の揺籃

無限魔力 神眼 神殺し

重力操作 不老不死 黒鉄の蝕装

全状態異常耐性 業魔の鎧 闘神気功

女神の加護 神速 名工の継承

結界防御 竜王の柩

超回復(極) ドラゴンブラスト

【スキル】 【魔法】

鑑定 (ⅩⅩⅠ)風魔法 (ⅩⅩⅦ)

空間探知(ⅩⅩⅧ)土魔法 (ⅩⅩⅤ)

筋力増強(ⅩⅩⅩ)火魔法 (ⅩⅩⅤ)

千里眼 (ⅩⅦ) 光魔法 (ⅩⅩⅥ)

魔力強化(ⅩⅩ) 召喚魔法(ⅩⅩⅩ)

寒熱耐性(ⅩⅩⅠ)雷魔法 (ⅩⅩⅧ)

物理耐性(ⅩⅦ) 水魔法 (ⅩⅩⅣ)

魔法耐性(ⅩⅧ) 闇魔法 (ⅩⅩⅧ)

魔法適性(ⅩⅩⅡ)強化魔法(ⅩⅩⅢ)

成長加速(ⅩⅩ) 回復魔法(ⅩⅩⅤ)

隠密 (ⅩⅩⅣ)

俊敏 (ⅩⅩⅩ)

精密補正(ⅩⅣ)

威圧 (ⅩⅣ)

演算加速(ⅩⅣ)

念話 (ⅩⅥ)

敵意感知(ⅩⅨ)

模倣 (ⅩⅩⅥ)

精神防御(ⅩⅥ)

加護 (ⅩⅧ)

【テイム】

神格種 ヴィシュヌ SSS

魔神種アガリアレプト SSS

神竜 ヒュドラ SSS

岩の巨人 タイタン SSS

炎竜王 シヴァ SS

守護者 ラべリア SS

羅刹種 ラーヴァナ SS

獣人種 ハヌマーン S

精霊種 神炎の不死鳥 S

妖精種 スプリガン AAA

魔獣種 キマイラ AAA

金属の巨人 ギガス A

ラーゼスが言ったように、Aランク以上の召喚獣も十二体そろった。どこまで魔神王に通用するか分からないが、やれることは全てやっただろう。

着ていた服がボロボロなので、亜空間から服を取り出し着替えた。

『準備はできたかな?』

ラーゼスは何かの道具を持ったゴーレムの横に立っている。

「ああ……」

『この魔道具で君を元の世界へ送り届ける。もう何度も使えないがね……さあ、こっちへ来てくれ』

呼ばれて近づくと、ゴーレムが持っているのは小さなレバーの付いた箱型の魔道具だ。これで帰れるのか?

『魔神は、すでに侵攻を開始している。この迷宮と、外の世界は時間の流れが少し違うが、今ならまだ間に合うはずだ』

ゴーレムがレバーを引くと、目の前に光の扉が開かれる。

「ラーゼス……君は本当に外には出られないのか? 俺にできることがあったら言ってくれ。君のおかげで俺や多くの人が助かったと思うから」

『ありがとう。だが私のことは気にしなくていいよ。もし、恩を感じてくれるなら、私の願いを叶えてくれ。魔神王の打倒……それだけが 望(のぞみ) だ』

「……分かった。必ず……」

俺は扉の前に立つ。振り返るとラーゼスと物言わぬゴーレムが目に入る。

『君に渡したスキルは魔神などの能力を模倣した物がほとんどだが、中にはオリジナルで作った物もある……うまく活用してくれ』

「ああ……分かった」

そう言って、俺は光の中へと入っていった。