軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第三百九十一話 Sideギガ VS人

Sideギガ

人は弱い。びっくりするほど弱い。踏めば死ぬ。踏まなくても死ぬ。息を吐いても死ぬ。羽ばたいても死ぬ。近くを通りかかっただけで死ぬ。奴らは弱い。とにかく弱い。こんなにひ弱でよく生きているものだ。

我にとって人など塵芥と同じ、生きてようと死んでいようとどうでもいい。人は道に蟻が歩いていても気づかない。踏み潰して殺すという。我にとって人などそれ以下だ。存在しているのかいないのかそもそも興味がない。

そんな程度の存在である小さな人はたまに強大な我を崇め出す。宗教というものを起こすのだ。そして大量の人間が我に向かって頭を下げてくる。

『この広大なるギガノス大陸を支配する偉大なる支配者! ギガ様、どうか我々に慈悲を与え、その多いなる力を持って、我らを守りたまえ! さあ、お前たちもギガ様に願うのだ!』

『ギガ様、我らの王よ! あなたの力に包まれ、我らは安らぎを求めます。この荒れ狂う大地で、我々は恐れ怯えています。どうか、我らの声をお聞きください! 我々を導いてください!』

『ギガ様、あなたの威光がこの世界を照らすことを願います。モンスターたちの影が迫るとき、我らはあなたの名を呼び、救いを求めます。あなたの強大なる力で、我々を守りたまえ!』

『ギガ様、どうか我々の心に光を与え、この混沌の中で希望を見出させてください。我々はあなたの子として、その慈悲を求め、忠誠を誓います!』

『ギガ様、あなたの目が我らを捉え、その心に我らの存在を刻みつけてください。どうかこの小さな命を見捨てず、我々に祝福をお与えください! あなたの力を借りて、この大陸で生きていきます!』

そんなことを言ってくる。どういうわけか人の言語というものはいつも理解できた。人は小さすぎて、巨大な我に声を届けるために大声を出す。この広大な大地には、人から見れば、我以外にも強いモンスターがたくさんいる。

我だけを崇めて特別扱いをするので、他のやつらからは守ってほしいと言いたいようだ。あまりにうるさく叫ぶので全員を踏み潰したら静かになった。そして我の中にもう1つ、人への認識が増えた。人は弱い上に不快な存在だと。

我がどうしてお前たちを守らなければいけないのだ。我はお前たちを産んだ覚えなどない。助かりたければ勝手に自分で助かれ。祝福など永遠に与えることはない。ゴミのような人間の忠誠など何の役に立つ。

それ以来、我は人を見るとできるだけ踏み潰すようにしている。興味のない存在から、不快な言葉を発する害虫だという認識に変化したのだ。しかし、そんな人の中にたまに妙なやつらがいる。

自分のことを超越者と名乗り、我のこともそうなのだという。そしてこいつらは我に何も願わない。何もすがってこない。それどころかこいつらはいつも我の“敵”だった。

最初にそいつらに出会った時、おかしなことが起きた。

『このデカブツ、攻撃が効かんぞ!』

『守りもせずに受け止めているだけだというのに、なんという非常識な』

害虫はどうでもいいのだが、敵となる超越者たちのことだけはよく覚えている。名前もよく覚えている。最初にそれを見たのはホロスと桜魔。我の記憶に強烈に残るやつら。虫けら以下のくせに我の体にいくつもの傷を刻んだ。

我に比べたら小さすぎるぐらい小さいやつらが、本当にどういうわけか、我の体に傷を入れたのだ。あの時はっきり自覚したことがある。

『桜魔、行くぞ!』

『はい。あなたに合わせます。いつでも!』

あの時、何かが来ると思った。かなり巨大な攻撃。でも、今までどのような攻撃も我の硬い皮膚を貫くものなどなかった。一度たりとも傷すら入ったことがないのだ。この大陸にいるモンスターたちでは我に傷も入らなかったのだ。

いくらなんでもこいつらがかすり傷以上のことなどできるわけがない。超越者といえども人は小さすぎる。だからその時も大丈夫だと思った。

【真星砲!】

星のきらめきのような力が近づいてくる。危険だとわかっていた。しかし興味が勝った。自分の体を貫ける攻撃などあるのかと。それに完全なタイミングを狙われて、避けることができなかった。

我は攻撃をしっかりと受け止め、その結果として、体の胴体部分のほとんどが消失していた。何をされたのか理解できなかった。どうしてそんな小さな体でこんなことができる。虫けらが2匹いた。噛み付いてきて傷を入れられた。

毒でも持っていたのならまだわかる。相手が虫でもその場合は怖いのだとなぜか我は知っている。しかし、その虫けらに強大な我の胴体が、こんなに大きく抉られるなどとどうして思える。抉り取られたせいで動きが止まる。

『よし、畳み掛けるぞ!』

『はい!』

虫けらのはずの人のとどめの攻撃がやってこようとする。

負ける。

死ぬ。

我が終わる。

はっきりとそれがわかった。虫けらだと思っていたやつらに負ける。まだそれは仕方がない。自分が愚かだったのだと知った。人は虫けらではなく化け物とも呼べる劇物が含まれている。その劇物、超越者は我を殺しにくる。

しかし心残りがあるとすれば、我は生まれた時からこの姿で強かった。故に戦いに本気になったことなど一度もなかった。どのような時も我が歩けば人は死に、モンスターは恐れて逃げ出す。誰も逆らわなくなっていた。

そして我に従う者は従い、我の喜ぶことを必死になってした。人が相変わらず我の機嫌を取ろうとして、それがたまに面白いと思う瞬間もあった。我がそう感じるのは人の時だけだった。

人は虫けらではあったが、面白いことをよく思いつく奴らだった。しかし人の楽しみは人の体でのみ楽しめるようにできている。我では大きすぎて楽しめない。虫けらだと馬鹿にはしているが我は人になってみることがあった。

最初はどうして人になれるのか我は不思議だった。なぜかやろうと思えばできるのだ。その中で人の楽しみも分かった。そして今、その人から首に牙を立てられている。その状況で、どうしてかひどい渇望が湧き上がる。

ああ、生きたい。

この強いやつらと最初からちゃんと全力で戦いたい。

そうしたらどれほど面白いだろう。

ここで死にたくない。

まだ一度も本気になってないのだ。

《ふむ、やはり追い詰められることが種族進化には一番いいようですね》

奇妙な声が聞こえた。その声はどこか懐かしさを含んでいた。でもどこか胡散臭い声だった。ずっとずっとはるか昔、人がギガノス大陸と呼ぶ大地に、我が立つその前に聞いた言葉。どうしてこれほど懐かしいと思うのか。

《ギガ、聞きなさい。ここで死にたくはないですか?》

《死にたくない……》

その言葉はなぜか瞬間的に思い出すのだが、思い出した後に不思議と忘れてしまう。それはきっと夢の中なのだろう。だから記憶が曖昧なのだ。夢の中でしか聞こえぬ声。頭の中で重く響く。生きたいと願う渇望があった。

人はよく我に慈悲を請うが、我は自分が死ぬ時にそんなことはせぬと思っていた。それなのにはっきりと心に願う。

《死にたくない……我をまだ生かせるというのなら……生きさせてくれ……我はまだこの世界に未練がある……》

《お利口さんです。ではしっかりと受け入れなさい。あなたはもっと強くなれる。この地上で一番強いモンスターになるのです。そういう風に調整しているのですから頑張ってくれないと困りますよ》

【種族進化を開始します。ギガノス大陸管理球主、何者でもないギガ、種族進化により怪獣王へと……】

いつの間にか声が変わっていた。綺麗な声なのか。その声は心地よく我の耳に響いた。その声とともに背中が熱くなっていく。そして、そのまま背中に翼が生えた。溢れ出すエネルギーが周囲にほとばしった。

『なんだこいつ? もう少しのところで何が起きた?』

『ホロス。近づいてはいけません! 何か嫌な感じがします!』

我は、

全てを超越したと理解した。

そしてこいつらにも勝てると理解した。

『背中に翼……明らかに以前より感じるエネルギーがでかい。まさか種族進化?』

『追い詰めすぎましたか……【真星砲】で即死させることができていれば……』

ホロスと桜魔が悔しそうな顔をしている。どうしてだ。お前たちは楽しくないのか。我は久しぶりに、いや、生まれて初めて心の底から歓喜している。体が完全に再生していた。種族進化というものの効果なのか、体中に力が溢れ出す。

ああ、我はこんなにもこんなにもつまらないと思って生きていたのだ。人間。お前は別だと認めてやろう。喜べ。我が地上で初めて全ての力を使うに相応しき相手よ。さあ全力で戦ってやろう。

『ホロス、振り出しに戻されましたよ』

『桜魔、これは振り出し以下だ。全く面倒なことこの上ない』

嘘をつくな。お前の顔は笑っているぞ。奴らは強かった。これで楽に勝てると思ったのに、楽ではなかった。我は勝負に勝ったというよりは退けただけだった。そして自分が最強ではないということを知らされた。

こういうやつにまた会いたい。そう考えるようになった。地上にいる人間を一掃したのもこの時だった。内側から溢れ出す衝動のまま弱いものを屠った。それに関しては少し反省している。

ひょっとすると弱いと思っていたやつにも強いやつがいるのかもしれない。そんな風に考えたのだが、やっぱり弱いやつらは弱いままだった。力の衝動が収まらないまま、どれほどの時を過ごしただろうか。

ある日、自分の体に変化が起きる。自分の体の奥底から溢れ出てくるエネルギーに変化が起き出したのだ。それは黒く濁って、今までよりももっと破壊的なエネルギーの衝動だった。

《おや、魔王になりかけていますね。モンスターは人になる機能を与えるとやはりなりやすいようですね。ですが、この世界に魔王は必要ないのです。困りましたね》

また奇妙な声が聞こえた気がした。

《それなら私が始末してきましょう》

《ああ、待ってもらえますか。せっかくここまで育ったのですから、殺してしまうのも忍びない。それにちょうどいい見せしめになるでしょう》

声はやはり懐かしさを含んでいた。何を言ってるか理解できる。しかし、これから起こることは分かってなかった。

現れたのだ。

光り輝く人が。

どんな間違いが起きたらそんな強さになるのか。

その人は強くなったと思っていた我の理解の外にいた。

たったの一撃だ。

たったそれだけで我の強靱な体がこの世との繋がりを全て断たれて消滅していく。せっかくこいつらと戦うのは面白いと思っていたのに何なのだ。何というつまらん終わりか。

セラス。

どれほど強いのか想像もつかなかった。どうしたらそんなに強くなれるのか理解もできなかった。そして初めて知った絶対強者という存在。その姿に初めて我を見る人間の思いが理解できた。

これが恐怖……。

恐れるとはこういう感覚か。

《よかったです。完全敗北したことで魔王化に必要な、負のエネルギーが消えましたね。セラス様、申し訳ないのですが、あとはその困った怪物を言い聞かせておいてくれますか》

《了解しました》

この声はどこで聞こえているのだろう。いつも聞こえては記憶の海に消えて行く。でもなぜだろう。それは“パイプ”として残っているのだと理解できた。セラスが我の前に再びいた。死んだと思っていたのに生きている。

それは生き返らせられた結果だと、後になって気づいた。そして生まれて初めて悔しいと感じた。

『ギガ。私があなたに与える慈悲は一度だけです。次の暴走は許しませんよ。そしてあなたは私に従いなさい。皆もそれで文句はありませんね?』

その女はそう言って周りを見渡した。人の超越者がずらりと揃っていた。我だけではない。我をたびたび攻撃してきていたホロスと桜魔の姿もあり、全員が光る女を前に頭を下げていた。その理由は理解できた。

この女とは戦いを楽しめない。

何度戦っても同じだ。

結果は変わらない。

必ず我が負ける。

そのことだけは確かで頭は下げなかったが、それ以上攻撃することもしなかった。それで納得したのかセラスの姿が消えた。あの頂きはどこまで行けばたどり着けるのか。もっと上の強さがある。

それは理解したからもっと強くなろうとした。しかし、ある日を境にまるで壁にぶつかったように自分が成長しなくなった。我は生まれ出て初めて悩みというものを抱き、その理由が知りたくて人の世界に入った。

100年間ほどのことだ。人として冒険者というものになり、有名にもなった。誰とも仲間としてパーティーを組むことはなかったが、1人だけ気に入った女ができて子供が生まれた。モンスターと人でも子供は生まれるようだ。

そんな人達は地下に何か作ったようだが、そこは壊さなかった。あの女の子孫がいるのだと思うとそこを攻撃しなくなった。それは“大事”という不思議な感覚だった。そして俺は勉強というものをした。レベル限界というものを知った。

その限界以上になろうとすると人ならばクエストをこなさなければいけない。でもモンスターならばどうすれば999の壁を越えられるのか。その答えは誰も持ってなかった。我はセラスを殺したい。

そして何者にも邪魔をされない圧倒的な生物として、この世界に君臨したい。そんなことをよく考えていた。それは今日も考えていた。考えながら地上を歩いていた時、

【 天雨槍衾(てんうやりぶすま) !】

空から何かが降ってきた。肌が痛い。見ると何か小さいものが刺さっていた。その小さいものが槍だという知識は自分の中にあった。それが数百本も体に刺さっている。ダメージ自体は大したことがない。

だが、我の皮膚は硬い。この硬い体に刺さる攻撃をする奴は超越者しかいない。何度もいろんなやつらと戦って、こういう時にどうしたらいいのか知っている。回復に力を集中させると皮膚に突き刺さった槍が浮き上がってくる。

「させないよ!」

【 御雷(みかずち) !】

どこからか聞こえた言葉と同時にこの巨大な体の全てに強烈な電撃を走った。体が沸騰する。電気には熱がある。暑いと感じる。しかしそれ以上にこの攻撃はまずい。テスラとロガンに攻撃された時に経験がある。

これをされると体の神経が麻痺して一時的に動かなくなる。そしてその間に必ず第二の攻撃が来る。どこだ? 隠れるやつらか。何度か戦ったことがあるが、隠れるやつらいずれも攻撃力の強いやつがいない。

威力の足りない攻撃ではどんなものでも我には届かない。それに麻痺もすぐに解ける。もうすぐ動くようになる。その瞬間この一帯を火の海にすればいい。場所のわからないやつは桁外れの範囲攻撃をすればいい。

我は知っているぞ。

「もうすぐ動けると思ってるでしょ。でも残念。あの子の次は私。私の猫はしつこいわよ!」

【呪い猫、血の底にひそむ

ここには恐怖が満ちる

食い出は魂の影

血の運命を絡め取る者よ

餌は死の香り漂い

さあ、私の声のままに】

その声を聞きながら、危険を感じた。2人いる。どちらも超越者に違いない。しかし今まで見てきたどの攻撃とも違う。雰囲気でわかる。そしてこの攻撃を食らうと死ぬ。直接死ななくても、2人いれば必ず連携してくる。

超越者と散々戦ってきた。でかい的だと何だと、抜かすやつらを何度もけちらしてきた。その中でこういう攻撃をしてくる奴らが危険だと知ってる。魔法と思われるものを発動させる前に動かなければ、かなりのダメージを食らう。

体全体を回復させようとしていたが、翼だけに集中する。赤い血の湖が地面に出現する。我の足が沈んでいく。血の湖に赤い猫が1匹立っている。何かこの猫は危険だ。体の他の部分はまだ麻痺して動かない。無理に回復させた翼だけ動かす。

天空へ舞い上がる。

【三毛猫ミイの血の池地獄!】

その瞬間、空気が震え、池の水面が波打つ。深紅の液体が泡立ち、闇の中から響くような「ニャー」という鳴き声が聞こえた。池の中心から、血の色をした巨猫が姿を現す。こいつに捕まれば面倒なことが起きる。

その怪猫は、体全体が血のような色で覆われ、三毛模様が不気味に輝いている。目は金色に光り、周囲を見渡すと、獲物を求める視線が鋭く光った。どれほど防御に自信があっても超越者の攻撃をまともに食らってはいけない。

どこにいるかもまだわからない超越者、我はさらに天空へとまっすぐ駆け上がった。

「へえ、ただのデカブツじゃない。かなり経験豊富よ。逃げるなんて利口なやつ。でもだめよ。私の三毛猫はしつこいって言ったでしょう」

猫の動きは滑らかで、まるで水中を泳ぐように、空気を引き裂いて迫ってくる。赤い巨体が池から血を引きずりながらどこまでも飛んできた。翼だけでは逃げ切れない。我の体は大きい。その分動きは鈍い。自覚している。

普通の人ならば一瞬で引き離せる速度で飛ぶことはできるが、こいつらの速さは違う。逃げるだけではだめなことを知っている。翼の回復が終わってすぐに次に回復させにかかったのは、最も威力を発揮する攻撃を発射する場所。

顎門だ。我はお前たちをあなどらない。お前たちの中には我より強いやつがいるからだ。だからあらゆる行動は勝つために必要ならばする。しかしそれがたかが虫けらにさせられている行動だと思うと、腹が立つのは止められぬ。

体内から急速に溢れ出す力を貯めていく。

鬱陶しいぞ!!

虫けらが!!!

【雷轟滅殺砲!!!】

顎門から吐き出されたのは相手にも放たれたのと同じ、雷の力を伴うエネルギー砲。三毛猫の鬱陶しい赤い不気味な姿を撃ち抜く。どこにいる。それほどの離れた場所にいるわけではあるまい。すぐに炙り出してくれる。

我の攻撃が血溜まりから範囲を拡大して、その破壊範囲をどんどんと広げていく。雷の電撃とそもそも込められたエネルギーの大きさに触れた全てが消滅していく。その影響はどこまでも広がり、地下100m、範囲は10㎞。

巨大なクレーターができた。どこにいる。超越者というのは恐ろしくしぶとい。我ですら殺すのに時間がかかる。これぐらいで死にはしない。天空を飛び回りながら、地上に目を走らせる。しかし敵の気配を掴むことができない。

隠れるやつらと戦うのは好きではない。できれば無視してしまいたいが、こういうやつらは無視してもしっかり追い払わないと、いつまでもチクチクと追いかけてくる性質がある。長期戦になる鬱陶しさに苛立ちを覚える。

「ひえー、ミイを力技で蹴散らすなんてやっぱ噂に違わぬ化け物ね」

声は聞こえる。しかし声の出所を追って目標を見つけようとしてもそこには何もいない。隠れて見えないだけでいるのか。そもそもそこにはいないのか。声の出所に攻撃して、腕を振り下ろすが、超越者特有の手応えを感じない。

あいつらは異常に硬い。大地はバターのように切り裂き、潰れたが、奴らがいるとそれが止まる。

「祐太ってバルガレオルとかグレイシスをすぐに倒しちゃったんでしょ。そういうのってどうやるの?」

「あいつは比べても仕方ないわ。美鈴、こっちはこっちでいつも通りよ」

「はいはい。持久戦ね」

やはりか……。こういうやつらも長く戦うことを望む。そしてモンスターは時間をかけられればかけられるほど、ミスを犯しやすくなる。バカが多いからだ。こいつらはそのミスを誘っている。持久戦の中でしてはいけない選択のミス。

そしてそう見せかけて速攻を仕掛けてくる時もある。意識を集中させる。そしていくつもの自分を用意していく。人の世界で学んだことだ。思考分割というもの。長期戦においてミスをしないことに集中するためにはとても向いている。

思考を分割して、それぞれに違うことを担当させる。無駄だ超越者。我はお前たちを踏み潰す。さあ、どう出てくるのだ。