軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第三百三十五話 ルビー級

「それは本当にごめんなさい。ステータスに表示される称号は、その人が持つ資格の中で最も価値のあるものが出てくるの。私は神だし、その序列1位の夫は最も価値がある。これだけは仕方ないのよ」

「それはそうなのでしょうが……」

「俺は全く気にならないよ。だから、クミカもむくれない」

頬を膨らませたクミカが可愛くて、その頬を抑えた瞬間、俺の心は温かくなる。

「ふぁ、ふぁい。すみません」

恥ずかしそうに赤くなったクミカの顔を見て、思わず笑みがこぼれる。

「えっと、でも弁財天」

俺の心には不安がある。今のことで確認しなければならないことがある。

「気にならないと言っておいて何なんだけど、やっぱり、ちょっとだけ気になるんだけどさ。俺の称号が【桃源郷神の聖夫】で職業が【千年郷の主】ってなってるけど、これ、まさかトップランキング1000に出たりしないよね?」

ルビー級以上の探索者には人数制限がある。それは地球全体で1000人までだ。つまり、俺がルビー級になったということは、トップランキング1000に必ずその名が刻まれる。ついに目指していた場所にかなり近づけたことは嬉しい。

しかし、ランキングに【桃源郷神の聖夫】や【千年郷の主】が表示されてしまうのは、正直に言って困る。ぶっちゃけ美鈴たちが怖い。もう1つの表示が出ても、誤解を生みそうな気しかしない。

「大丈夫よ」

弁財天は俺の心配を理解したかのように頷いた。

「でも、ランキングに刻まれるのって職業か称号のどっちかじゃないのか?」

「確かにランキングに刻まれるのは大抵そのどちらかよ。でもランキングは探索者の足を引っ張るために刻まれるわけじゃないのよ。一説には支配者階級を明確に定めるためとも言われてるわ。そのために本人が嫌がることをすることはないのよ」

「じゃあ俺はランキングに刻まれてない?」

それはそれで残念な気もしたが、弁財天はすぐに否定する。

「いいえ、それはないわ。祐太君の場合、おそらく種族名【鳳凰】と刻まれているはずよ」

「鳳凰……?」

その言葉は、俺が新たに転生した先の種族だった。

【 鳳凰(ほうおう) 】

名前の響きがものすごく格好良い。何よりも超有名な伝説上の生物だ。そして意識しすぎかもしれないがルビーコインに描かれている不死鳥みたいな鳥と似ている気がした。

「鳳凰はルビー級で最も有名な生物かもしれない。その時代に1羽しか存在しないと言われる王者の鳥よ。地球の伝説としても存在してるけど、この国では炎龍神・ 紅麗(こうれい) 様に連なる赤の種族といわれ、当然、権限させる力は思いっきり炎寄りね」

「時代に1羽か。なんだか凄そうだ」

「実際凄いわ。本当に死ににくいし、ここに記されている種族スキルも【超速再生】【復活】【炎無効】と、どれも死ににくくなるものばかり。【復活】に至っては、ダメージに関わらずステータスを全開させて生き返るわ」

「俺、1日1度なら死んでもいいのか?」

「ええ、そういうことになるわね」

もともとシルバー級になってから、人間をやめているような回復力を持っていたが、復活のスキルがどれほど強力かは想像を超えている。頭の中に浮かぶイメージは、灰になった自分が1日1度、どんな状態からでも復活する姿だった。

「500年間はほとんど不死になったようなものよ」

「鳳凰は強い?」

「強いわ。その時代に1人しか現れない単一種族というのはどれも破格に強いの。普通に生まれ変わっただけの貴族なら、レベル100とか200ぐらい離れてても互角に戦ってしまうかもね」

《鳳凰はルビー級の単一種族としては勇者を除けば最強だ。お前がレベル900を超えれば、先の戦いでたとえたった一人でもカインに負けることもなかっただろう》

レダがさらに捕捉してくれた。

「そっか……」

自分の可能性を感じた瞬間、未来が少しだけ明るくなった気がした。

「ところで、統合魔法のEPって何のことだ?」

「それね。私は持ってない魔法だわ」

「消費が10000とか書いてあるぞ。分からないか?」

その数字は信じられないほどの大きさだ。

「分かるのは分かるわよ。統合魔法を使える貴族も知ってるわ。信長も使ってきたしね。統合魔法はHPとMPとSPを合わせた魔法を使う時の数字ね」

「じゃあEPはエネルギーポイントの略?」

「そうよ。でも単純に各エネルギーをプラスした数字ってわけじゃないのよ。というのも、どれも本来の性質とは違うエネルギーを統合してしまうわけだから、どうしてもその時にロスが出るの」

「ロス?」

「ええ、そうよ。これが結構馬鹿にできないロスで、かなり変換効率が悪い魔法なのよ。それが少なくなるには器用と魔力と気力の数字が大事になる。これがバランスをとれて、うまく操れば操れるほど一度に大きな力を放てる。伝説じゃ星を破壊する一撃なんて言われてるわね」

「星を破壊……」

《この魔法って俺がカインと戦った時に使った最後の魔法だよな。レダ、俺のあの時の最後の魔法ってどうだった?》

俺の疑問に、レダが即座に答える。

《お前の最後のあれは良いとは言えないな。ただ、カインはもっと巨大な力を使えたのに、お前以上にロスが大きかった。あれほど強大な召喚獣を使っていれば、本来、お前は相手が一体出してきただけでもどうにもならなかっただろう》

《……カインって自分より強い召喚獣を使ってた?》

そんな気がしていて尋ねると、レダは冷静に答えた。

《間違いなくそうだ。カインの使っていた召喚獣はそういうのが多かった。ちゃんと操れていたのはバハムートだけだ》

《……なあ、召喚士って自分より強い召喚獣を使うのが普通なのか?》

俺の心に疑問が芽生える。エヴィーにも黒桜と猫寝様がいる。果たしてそれが普通なのだろうか。

《普通はないな。それをすると召喚獣は主の言うことを聞かない。ルルティエラ様はそんな不完全な召喚獣を召喚士に渡すようなことはしない》

《まあそうだよな》

《六条。統合魔法を使いこなしたければ慣れもいる。余裕があれば、たびたび使うことが己にとって良いことだろう》

《了解。ちなみにレダだとどうなるの?》

《私ならカインが純粋のエネルギーに変えられた38,9倍の威力が出る》

《今の俺なら?》

《迦具夜のいない今のお前でも使わん方がマシなレベルにしかならん。攻撃に向いている炎属性としては残念な限りだ》

「なかなか扱いの難しそうな魔法だな」

呟くように言うと、弁財天も頷く。

「そうね。これを完全に操れるようになろうと思うと真性の神とかじゃないと不可能と言われてるわね。下手に使うぐらいなら普通に魔法を使う方がよっぽど威力が出るんじゃないかしら」

彼女の言葉は、俺にとっての現実を突きつける。強くなればなるほど、個人の技術や力量が重要になってくる。そんなことを考えながら、俺は最後に気になったことを質問した。

「この最後に書いてあるダンジョンシステムアクセス権って何?」

「ああ、それはね。ルビー級からダンジョンのシステムに関わることができるようになるの。ルビー級でアクセス権はD、サファイア級でC、ダイヤモンド級でB、ミスリル級でA、オリハルコン級でS、ゴッド級でSSだと言われているわ」

《機械神ルルティエラ様と女神様でSS、人のルルティエラ様だけがSSSを所持しているとも聞くな》

レダの言葉が、俺の頭の中で響く。

「そうなんだ……。Dで何ができるの?」

「ダンジョンから自分でクエストを発注させる権利をもらえるの。それを使ってシルバー級やゴールド級にクエスト発注することができるの」

「じゃあその権利がなければクエストって発注しちゃだめなのか?」

「個人的に身銭を切って発注する分には、制限なんてないわよ」

その言葉に少し俺は考え込む。

「じゃあ、これはそれと何が違うの?」

「発注内容をダンジョンが認めたら、"ダンジョンが報酬"を出してくれるの。まあDぐらいの権限だとなかなか認められにくいから、貴族はクエストを出す場合、身銭を切ることが多いわ。でも認められれば、貴族としてはかなり嬉しいことになるの。何しろ自分がそうやって発注したクエストで探索者が得た報酬と同じ報酬が、発注した貴族ももらえるのよ」

「めっちゃ太っ腹だな」

それに驚きつつも、俺はその利点に思いを馳せる。ダンジョンクエストがうまくいった時なんて、貴族はお祭り騒ぎだろう。報酬も破格だから嬉しいなんてものじゃない。

「まあ、ダンジョンクエストにしたければ、レベルが高いほど通りやすいから、そういう理由でも迦具夜とか信長の傘下につく貴族が増えるの」

「でもそれだと翠聖様とか真性の神の傘下に入る方が良くない?」

「残念だけどあんまりレベルが離れてると、そもそも下についても相手にしてくれないわ。翠聖様は傘下の貴族が多いけど、その貴族たちもそれぞれに上下関係があって、下の方の貴族なんて翠聖様と話もしたことないんじゃないかしら」

「一流企業に入っても、一般社員は社長と話す機会なんてほとんどないみたいなもんか……」

俺はその話を聞きながら考える。迦具夜は、おそらくこの方法を使って俺にクエストを出し、ルビー級にしてくれたのではないかと思った。そして迦具夜のクエストの出し方から考察するに、

「ひょっとしてダンジョンクエストは自分に向けてのものでも発注できる?」

「ええ、まあ、自分にとって都合の良いクエストは滅多に認められないけれど、祐太君なら認められる可能性が高いかもしれない。ただし、全体的にダンジョンクエストは難易度が高い。特に、そのようなクエストは難易度を少しおかしいくらいに設定しないと通らないわ。それに、ダンジョンクエストは達成できなかった場合、二度と申請が通らなくなると言われている」

「そっか……」

まさにハイリスク、ハイリターンというわけか。それなのに俺は、何かダンジョンが認めてくれそうなクエストがあるだろうかと考えを巡らせた。

「弁財天。Dの権限って他はあるの?」

「他にもダンジョンにおける建築システムに関われたり、自分で小さなダンジョンなら創造できたり、色々あるけど、まあこの辺は結構取り決めが面倒だったりもするの。多分今は必要のない知識だと思うから、またゆっくりできる時に教えるわ」

「ふーん。ルビー級って色々あるんだな」

「まあそうね。探索者は階級が上がるごとに、できることが増えていく。それだけに、階級が上がるにつれて、同じ階級内でも実力の差が大きくなっていくのよ」

弁財天の言葉を聞いて俺はクミカを見た。

「クミカ。そっちのステータスも見せてくれるか?」

俺と同じようにルビー級に昇格したクミカがいる。彼女はゴスロリ服を着た、一見すると可愛らしい少女だ。群青色のドレスはレースやリボンで飾られていて、まるでおとぎ話のヒロインのように見える。

しかし、探索者としての能力は非常に高い。俺とは異なる分野で圧倒的な強さを持っているのだ。クミカが自分のステータスを思い描くと、【意思疎通】の力でその情報が俺の頭の中にも流れ込んでくるが、それでもやはり直接彼女のステータスを見たかった。

「私は席を外しておくわ」

「弁財天様も見ていいですよ」

クミカが言う。迦具夜の影響も多少あるだろうし、弁財天は俺の妻にいずれはなる。どういう形かは未だにまだ結論をつけられないが、クミカはその2つの条件が重なり弁財天にステータスを見せてもいいと思ったようだ。

「そう? クミカさん、変わったステータスそうだし、じゃあ見せてもらおうかしら」

出て行こうとしたけど見たかったのだろう。そりゃそうである。どう考えても3つの魂が合わさったレアケースのルビー級などステータスが特殊に違いない。興味が惹かれないわけもなく、俺も一緒で弁財天と3人でステータスを見た。

種族:精霊族

レベル:650

職業:鳳凰の守護精霊

称号:精霊王

HP:8234

MP:9245(+1080)

SP:4780

力:8651

素早さ:8509(+780)

防御:9780 (+780)

器用:10190(+1080)

魔力:10080(+1080)

気力:4780

知能:6787(+1080)

魅力:90

ガチャ運:7

装備:ブロンズ級【レイチェルのヘッドドレス】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルの姫袖ブラウス】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルのレッグウォーマー】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルのお袖留め】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルのスカート】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルの魔法護符】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルの物理護符】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルの日傘】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルのチョーカー】クミカ専用装備

ブロンズ級【レイチェルの靴】クミカ専用装備

ブロンズ級【マルシェの首飾り】クミカ専用装備

シルバー級【マジックバッグ】(200㎏)

魔法:シルバー級【機密保持】(常時発動可)

ルビー級【バリア】(MP1~∞)

ルビー級【影喰い】(MP1000)

ルビー級【超重力】(MP500~∞)

ルビー級【影転移レベル7】(常時発動可)

ルビー級【異界化レベル4】(MP1000)

ルビー級【マジックボックスレベル4】(10000㎏)

固有魔法:ルビー級【爆発】(レベル依存)(常時発動可)

ルビー級【鑑定】(レベル依存)(常時発動可)

ルビー級【束縛】(レベル依存)(常時発動可)

ルビー級【心眼】(レベル依存)(常時発動可)

ルビー級【黒死】(レベル依存)(常時発動可)

精霊魔法:ルビー級【水精使役】(1000体)

ルビー級【光精使役】(1000体)

ルビー級【闇精使役】(1000体)

スキル:ゴールド級【金剛力レベル1】(SP120)

ルビー級【超自然レベル1】(常時発動可)

ルビー級【念動力レベルMAX】(常時発動可)

ルビー級【探索界レベル4】(常時発動可)

ゴールド級【韋駄天レベル5】(常時発動可)

ゴールド級【認識物可視化】(常時発動可)

ストーン級【永続睡眠耐性】(常時発動可)

ルビー級【意思疎通レベル7】(常時発動可)

統合魔法:サファイア級【三精の集い】(EP10000~)

装備スキル:ストーン級【影操作】(SP8)

ブロンズ級【黒腐り】(SP70)

種族スキル:ルビー級【超速再生レベルMAX】(SP1~600)

サファイア級【状態異常耐性】(常時発動)

サファイア級【蘇生】(1日1度)

サファイア級【精霊対話】(常時発動可)

クエスト:二階層SS判定 三階層SS判定 四階層SS判定 五階層SS判定

六階層SS判定 七階層SS判定 八階層SS判定 九階層SS判定

十階層SS判定

シルバー級昇格キークエストS判定

ゴールド級昇格キークエストS判定

ルビー級昇格キークエストS判定

入国許可:大八洲国 ユグドラシル国 盤国 蓬莱国 ムー国

資格:ダンジョンシステムアクセス権・D