軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3-18

教室まで向かいながら、私はふぅっと息を吐いた。

「ブラッド様、どうして私なんかにこだわるのでしょう。私はもうブラッド様とは関わらないでやっていきたいのに……」

思わず呟くと、レナード様が真面目な声で言った。

「メイベルさん、ブラッド殿がまた君のところに押しかけてきたらその時は僕に言って。いつでも止めに行くから」

「まぁ、ありがとうございます。レナード様は本当にお優しいですね」

私は感動して言った。

レナード様は本当に、いつも私の問題に親身になってくれる。クラスメイトとその元婚約者とのごたごたになんて、できれば関わり合いたくないだろうに。

しかしお礼を言うと、レナード様は複雑そうな顔になった。

「別に優しいわけじゃなくて……、単に僕の都合というか……」

「レナード様の都合?」

なぜ私とブラッド様のことにレナード様の都合が関わってくるのだろう。私は首を傾げる。

レナード様は意を決したようにこちらを見た。

「メイベルさん、僕はクラスメイトだからメイベルさんのことを気にしてるわけじゃないよ。そうじゃなくて僕は、君のことが……!」

「は、はい」

いつになく真剣な顔で見つめられ、ついどぎまぎしてしまった。レナード様の綺麗な紫の目にまっすぐ見つめられるのは、少々刺激が強いのだ。

「君の、ことが……」

力強かったレナード様の声が、だんだん弱くなってくる。

言葉は途切れ途切れになり、最後にはレナード様は赤い顔で目を伏せてしまった。

「……やっぱりなんでもない。とにかく、ブラッド殿のことで困ったらいつでも言って……」

「……? はい、ありがとうございます」

私は不思議に思いながらも、レナード様の言葉にうなずいた。レナード様は顔に手をあてて何やら呻いていた。

教室までの道を歩きながら、私は改めてラネル魔術院に来られてよかったなと思った。

魔法を思いきり学べることはもちろん、こんな風に私の問題に真剣になってくれるレナード様と出会えたことを同じくらい幸せに感じる。

先ほどの真剣なレナード様の顔を思い浮かべたら、なんだか胸が温かくなって、思わずふふっと笑みが零れてしまった。