軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3-7

「それから、万が一遭遇してしまった時のために防御の呪文も教えておきます。以前、授業で教えた生き物を眠らせる魔法はドラゴンには効きません。今から教える呪文を絶対に忘れないでください」

先生はそう言うと、ドレクスモルの攻撃を跳ね返す呪文を教えてくれた。私たちは一言一句間違わないようにそれを復唱する。

近づかない方がいい場所と呪文を教えてもらっても、まだ怯えている私たちに向かって、先生は淡々とした声で言った。

「ドレクスモルは危険なドラゴンですが、防御の呪文さえ覚えていれば過度に恐れる必要はありません。皆さん、ドレクスモルが捕獲されるまでは決して呪文を忘れず注意して生活してください」

先生はそれだけ言うと、あっさり次の連絡事項に移ってしまった。

生徒たちはまだ不安そうな顔をしている。

私もなんだか心許なかった。

一瞬、無意識に発動されるあのバリアがあれば大丈夫なのではないかと思ったけれど、十回中四回くらいはすれすれに攻撃が飛んできても発動しなかったことを思い出し、あれに頼るのは危険だと思い直す。

リストの場所と呪文をしっかり覚えておかなければ。

それにしても対策法があるとはいえ、危険な魔獣が校舎内を逃げ回っている状態でも魔術院の封鎖はしないなんて、さすが戦闘部隊出身のオーブリー学園長の作った学校だ。

呪文を紙に書き写しながら、そんなことを考えてしまった。

放課後になると、そのオーブリー学園長からお呼び出しがあった。

今回も私とレナード様の二人揃ってだ。

「何の用だろうね、メイベルさん」

「なんでしょう。また魔獣退治の依頼をされるのでしょうか?」

私たちは不思議に思いながら廊下を歩く。

「ドレクスモルの捕獲を頼まれたりして」

「そ、そそ、それは怖いです……! ドレクスモルはフォスティの何倍も強いじゃないですか!」

「あはは、冗談だよ。いくら学園長先生でも生徒にそんなこと頼んだりしないって」

レナード様は笑って言う。

私はそうですよね、と安堵して廊下を歩いた。

学園長室につくと、学園長先生はにこやかに私たちを出迎えてくれた。

「レナード君、メイベル君、よく来てくれた」

「学園長先生。僕たちに何かご用でしょうか」

「ああ、二人にはドレクスモルの捕獲を頼もうと……」

私もレナード様も固まってしまった。レナード様は警戒した様子で、学園長先生から私を隠すように前に立つ。

「学園長先生、さすがに無理ですよ。僕はともかく、メイベルさんにそんな危険なことはさせられません」

「わかってるわかってる。冗談だ。そんな警戒した顔をしないでくれ」

学園長先生は心なしか残念そうな顔で言う。本当に冗談だったのだろうか。