作品タイトル不明
2-9
演習場の事務所にはすでにエイデン様が待っていた。
今日は二人でフォスティ退治を進めることになる。私はエイデン様と、今日フォスティをおびき寄せる予定の場所まで向かった。
「メイベル嬢、フォスティが集まってきた! 魔法を頼む!」
「はい、お任せを!」
私は杖を構えて呪文を唱える。
すると光が溢れ出て、わらわらと集まってきたフォスティたちが一瞬で眠りについた。今日もうまくいったようなので、ほっと胸を撫でおろす。
エイデン様が明るい表情でこちらを見た。
「ありがとう、メイベル嬢。君のおかげでどんどん演習場が平和になっていくよ」
「お役に立ててよかったです」
「まだ時間は大丈夫かな? よかったら事務所でお茶でも飲んで行ってよ」
「まぁ、ありがとうございます。それではお言葉に甘えて」
私はエイデン様に続いて歩く。その時、後ろの方でガサリと音が聞こえた。フォスティがまだ残っていたのかと思い、ぱっと後ろを振り向く。
しかし、そこにいたのはフォスティではなかった。ワインレッドのマントを羽織ったマーガレットお姉様が、じっとこちらを睨みつけていたのだ。
「マーガレット……? なぜここに?」
エイデン様は困惑した顔で言う。
お姉様はそんなエイデン様の言葉を無視して、つかつかこちらへ歩いてくる。そして私の前で立ち止まると、その美しい顔を歪めて怒鳴った。
「ちょっとメイベル! なんであなたがエイデン様と一緒にいるのよ! 私がメイベルの婚約者とパーティーに出たから仕返しにエイデン様を奪うつもり!? なんて嫌な子なの!!」
お姉様は今にも掴みかからんばかりだった。エイデン様が慌て顔で割って入る。
「マーガレット! やめてくれ、メイベル嬢はこの演習場に出る魔獣を退治するのに協力してくれていただけだ!」
「は……? どうしてメイベルがそんなことをするのよ」
「ラネル魔術院のオーブリー学園長に相談したら、優秀な魔導士がいるからとメイベル嬢ともう一人の生徒を派遣してくれたんだ。今日はそのもう一人はいないけれど、普段は三人で魔獣退治をしている。くだらない勘繰りはよしてくれ」
お姉様はエイデン様の説明を聞いても納得がいかないようだった。むしろどんどん不機嫌な顔になっていく。
「何それ、聞いてないわ。どうして私に教えてくれないのよ」
「言う機会がなかったんだよ。君が会う予定だった日に当日キャンセルしてくるから」
「起きられなかったんだから仕方ないじゃない。疲れてたのよ。大体メイベルが優秀な魔導士って何? この子で本当に役に立つの? 何の取り柄もない子なのよ。なぜこんな出来損ないにわざわざ魔獣退治なんて頼むのかわからないわ」
お姉様は私を冷たい目で見ながら言う。
何か反論したくて口を開く。けれど、子供の頃から両親にも周りにもお姉様と比べられてきた記憶が邪魔をして、結局何も言えないまま口を閉じてしまった。
すると、エイデン様が冷めた声で言う。