軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第53話 新たな力

ムーンウェルの中に浸かり、レオンは体内に満ちる力の感覚に少し酔いしれていた。

エーテル液の助けを借りて、魔力回路の回復は順調だ。ついに二つ星中期に到達した。

ムーンウェルの中でしばらく静坐し、喜びの気持ちが徐々に落ち着いてから、レオンはゆっくりと立ち上がった。

怠惰に伸びをすると、体内の骨が、まるで生まれ変わったかのように、パキパキと清々しい音を立てた。

軽く首を回し、レオンは右手を岸辺に置いた服に向けた。

シュッ——

吸引力が放たれ、服が手のひらに吸い寄せられた。

「お、前より楽に動かせるな」

服を着ながら、レオンは眉をひそめて呟いた。

「でも、このアビス・デヴァウラー、攻撃力がほとんどないんだよな……」

『当たり前だ。物を吸い寄せるだけの技だからな』

オーグリの声が響いた。

「巻物に書いてあった『吸血』は、大魔導師にならないと使えないんだろ? それに、あれも自分より弱い相手にしか効かないらしいし」

『確かにな。同等か、それ以上の実力を持つ相手には、吸引力だけでは意味がない』

「俺のせっかくの切り札が、これか……」

レオンは少し残念そうに溜息をついた。

◆◇◆

唇を舐め、レオンがムーンウェルから上がろうとした時、心の中に突然閃くものがあった。

「……待てよ」

目に不思議な光が宿り、レオンはゆっくりと右手を曲げた。そして、手のひらを、岸辺に置いてある石に向けた。

「ゴールデンフォームと組み合わせたら……?」

レオンは手のひらに金色の光を集めた。ゴールデンフォーム——光系魔法の基礎だ。

案の定、小さな光の塊が手のひらに浮かんだ。だが、それだけでは大した威力はない。

「これだけじゃ弱いな……」

レオンは呟いた。だが、失望するどころか、顔に喜びを浮かべた。

「いける……!」

興奮気味に手を擦り合わせ、素早く数メートル後退し、再び手のひらを石に向けた。

「アビス・デヴァウラー!」

軽い叫びと共に、強力な吸引力が石を急速にレオンの方へ引き寄せた。

石がレオンの前三十センチのところまで来た瞬間——

レオンは手のひらの吸引力を突然止め、ゴールデンフォームを圧縮して放った。すると、金色の光弾が、急速に飛んでくる石にぶつかった。

パァン!

二つの正反対の方向の力が、空中で出会った。そして、その中心にあった石は、轟音と共に細かい破片となり、四方に飛び散った。

「おお……!」

自分の手が生み出した効果を見て、レオンの顔には驚きと喜びが満ちていた。

『小僧、なかなかやるな……アビス・デヴァウラーとゴールデンフォームを組み合わせるとは』

オーグリの声が響いた。洞窟に散らばった破片を見ながら、わずかに頷き、称賛した。

「吸引で引き寄せて、ゴールデンフォームで迎え撃つ。二つの力がぶつかれば、威力は倍増する!」

『理屈は分かる。だが、今のお前では切り替えが遅すぎる。実戦では間に合わん』

「分かってるよ。でも、練習すれば——」

レオンは頭を掻きながら、少し困ったように言った。

『まあ、発想は悪くない。もう一つ、反発力を専門に発揮するスキルがあれば、さらに強力になるだろうが……そういうスキルは珍しい』

「師匠、何か持ってないのか?」

レオンは媚びるような表情を浮かべた。

『その顔をやめろ。気持ち悪い』

「頼むよ師匠〜」

『……待て、そういえば昔、誰かが霊薬を求めてきた時、この種のスキルを受け取ったことがあるな。あまりにも昔のことで、すっかり忘れていた』

「本当か!?」

レオンの目が輝いた。

『ああ……見つけた』

オーグリの声が響いた。そして、レオンの脳内に、大量の情報が流れ込んできた。

「うっ……」

頭が少し膨れ上がるような感覚。しばらくして、ようやく情報が整理されてきた。

「リパルス・フォース……強力な反発力を生み出すことができる……」

『このスキルの創始者は、鍛冶屋だった。一生炉の前で鉄を打ち続け、なぜか知らんが、この風を吹くスキルを編み出したのだ』

「鍛冶屋が? 変な話だな」

『才能というのは、どこに転がっているか分からんものだ』

◆◇◆

リパルス・フォースは難しくなかった。オーグリの指導の下、レオンは二時間で、その要領を初歩的に掴んだ。

ムーンウェルの傍らに立ち、レオンはワクワクしながら、岸辺に残っている最後の石を見つめた。

「よし、やってみるか」

深く息を吸い、手のひらを向け、吸引力を放った。

「アビス・デヴァウラー!」

強力な吸引力に従い、石はレオンに向かって急速に飛んできた。

飛んでくる石を凝視しながら、レオンは急いでアビス・デヴァウラーを解除し、体内の魔力をリパルス・フォースの経路に沿って運行させた。

「リパルス・フォース!」

石が頭にぶつかりそうになった瞬間、強烈な反発力がレオンの手のひらから猛然と噴き出した。

パァン!

また一つ、澄んだ鈍い音。今度の石は、二つの正反対の力によって、空一面の細かい粉末と化した。

「よっしゃ……!」

全身に白い粉をまとったまま土埃の中から飛び出し、レオンは目を輝かせた。

『なかなかの発想だ。アビス・デヴァウラー、リパルス・フォース、そしてゴールデンフォーム——この三つを組み合わせれば、二つ星中期の魔力でも、かなりの破壊力を発揮できる』

「だろ?」

レオンはニヤリと笑った。

『調子に乗るな。今の切り替えは遅すぎる。実戦では間に合わん』

「分かってるよ。残りの一週間で、完璧にしてみせる」

体についた白い屑を払い落としながら、レオンは拳を握った。

一週間後には、家族魔闘会だ。

【続く】