作品タイトル不明
第124話 歪んだ願い
嫌な予感がした。
胸の奥で、冷たいものが一気に広がっていく。
洞窟の空気はもともと湿っていたはずなのに、いま肌に触れている冷たさは、それとは別のものだった。
岩肌を伝って落ちる水滴の音が、やけに遠い。足元のぬかるんだ地面を踏みしめるたびに、靴の裏が粘りつくような感触を返してくる。
その不快ささえ、いまは妙に現実味が薄かった。嫌なものを追いかけているくせに、心のどこかで、まだ間に合うと信じたがっている自分がいる。
だが、そう思えば思うほど、背筋の内側をなにか細い氷が這い上がってくるみたいで、息が浅くなった。
暗い洞窟の奥で、かすかに青い光が揺れた。
アインだ。
そう確信した瞬間、俺は隣を走るジュリアの小さな手を握り直した。
細い指は汗ばんでいて、でも逃げようとはしなかった。
怖いはずなのに、あの子は俺の手にしがみつきながら、ひとことも弱音を吐かない。
ただ、息だけが苦しそうに上下している。その健気さが、いまは逆に胸を締めつけた。
こんな幼い子どもを、こんな場所まで連れてきてしまっている。その事実が、足を前へ動かすたびに重くのしかかる。
「アイン……!」
声を張ったつもりだったが、洞窟の広さに飲み込まれて、ひどく頼りなく響いた。返事はない。代わりに、くすくす、と妙な笑い声が聞こえた気がした。
子どもの笑い声にも似ていたし、ぬいぐるみの腹を押したときに鳴る安っぽい音にも似ていた。そのどちらでもない、不自然な軽さだった。
角をひとつ曲がった先で、ようやく俺たちは追いついた。
洞窟の最奥部は、思っていたよりも広かった。天井は高く、黒ずんだ岩が牙みたいに何本も垂れ下がっている。
どこかから差し込んでいるわけでもないのに、薄暗い空間の中央だけが青白く照らされていた。その光の中心にいたのは、両腕で宝玉を抱きしめるアインだった。
青い宝玉は、子どもの胸に抱えるには大きすぎるくらいの球体で、内側に海みたいな光をたたえていた。
澄んでいるのに深く、覗き込めば吸い込まれそうな青だ。
その光がアインの頬を染め、瞳の中にまで揺れている。
夢中になった横顔は、ほんの少し前まで浜辺で貝殻を拾ってはしゃいでいたときと同じくらい無邪気で、だからこそ恐ろしかった。
そのすぐそばに、クマがいた。
ぬいぐるみのように丸い耳。つぶら、と言ってしまえば聞こえはいいが、実際にはガラス玉をはめ込んだみたいに光を返さない黒い目。
口元だけが不自然に持ち上がっていて、笑っているようにも見えるのに、その笑みに温度がまるでなかった。
毛並みは茶色いはずなのに、青い宝玉の光を浴びたせいか、ところどころ濡れた臓器みたいな鈍い艶を帯びて見える。
大きさは子どもが抱き上げられるくらいしかないのに、そこに立っているだけで空気が淀む。
かわいらしい見た目の皮を、なにか別のものが内側からかぶっている。そんな嫌悪感が、ひと目で喉の奥に貼りついた。
「あ、パパ! ジュリア! みて! みつけた!」
アインが振り向いた。顔いっぱいに笑みを広げ、宝玉を誇らしげに抱えたまま、こちらへ駆け寄ろうとする。
だが、その腕に収まった青い光が強く脈打ったのを見て、俺は思わず声を荒げた。
「アイン、動くな!」
ぴたり、と小さな足が止まる。
大きな目がきょとんと丸くなった。その表情に怯えはない。
ただ、どうして止められるのかわからない、という素直な戸惑いだけが浮かんでいる。
俺は胸のあたりをぎゅっと掴まれたみたいになった。こんな顔をさせたいわけじゃない。だが、いまは優しく言い聞かせている余裕がなかった。
「それを、勝手に使うな。いいな」
「でも、くまさん、ねがいごときいてくれるんだよ?」
アインはそう言って、足元のクマを見下ろした。まるで新しい友だちを自慢するみたいな声だった。
「ぼくね、おおきいふねがほしいっていったら、ほんとにみせてくれたの! それでね、ジュリアにいっぱいおはなをあげたいっていったら、あおいひかりで、おはながいっぱいになって……それから、パパがもっとつよくなれますようにっていったら――」
「アイン!」
今度は叱るつもりで名前を呼んだ。
だが、遅かった。
アインが宝玉を抱えたまま、目を輝かせて続ける。
「じゃあ、つぎは、みんなでずっとしあわせにくらせますようにって――」
その瞬間、宝玉の青が一段深くなった。
淡い光ではなかった。海底に沈んだ太陽が、急に目を開いたような、濃くて冷たい発光だった。
洞窟の壁に刻まれたひびが、その光を反射して無数の青い筋になる。
空気がびり、と震え、耳の奥で金属をこすり合わせるような高い音が鳴った。
ジュリアが俺の腕にしがみつく。小さな肩がびくりと跳ねたのが、布越しにもわかった。
「……っ、アイン、宝玉を離せ!」
「え……?」
アインの手の中で、宝玉が脈打つたびに、隣のクマの体から青黒い靄が立ちのぼりはじめた。
最初は吐く息のように細かったそれが、見る間に濃くなる。茶色い毛にまとわりつき、一本一本の毛先を逆立てながら、濡れたように黒く染めていく。
クマが、笑った。
いや、最初から口元は笑っていた。だがそれは、ぬいぐるみめいた固定された形だったはずだ。
いま目の前で起きたのは、そんなかわいいものじゃない。
裂けた。そう見えた。頬の縫い目のように見えていた線が、内側から無理やり押し広げられ、口角が耳の近くまでずるりと裂ける。
暗い穴の奥に並んでいたのは、綿でも布でもない。生臭く濡れた肉の色と、獣のものにしては整いすぎた歯列だった。
ぞわ、と全身の毛穴が開いた。
「パパ……」
ジュリアの声が震える。
俺は反射的にその前へ出た。アインも異変に気づいたのか、宝玉を抱えたまま固まっている。さっきまで無邪気だった顔から血の気が引き、唇だけが小さく開いていた。
「く、くまさん……?」
その呼びかけに、クマはゆっくり首を傾けた。
骨がずれるような、湿った音がした。
首だけじゃない。肩が持ち上がる。背中の丸みが、内側から何本もの手で押し広げられるみたいに膨らんでいく。
関節という関節が、ばき、ぼき、と耳障りな音を立てて伸びた。
小さな胴体は二倍、三倍と膨張し、毛皮の下で筋肉が蠢くたび、表面がぶくぶくと波打つ。
腹が裂けるのではないかと錯覚するほど膨れ上がったかと思えば、次の瞬間には余分な肉が骨に吸い寄せられるように再配置され、異様に分厚い胸板と長い腕になった。
爪が伸びる。
丸かった前足の先から、黒く濡れた鉤爪がにゅるりと突き出した。
岩肌をかすめると、乾いた石が豆腐みたいに削れて落ちる。
耳は裂け、鼻面は前へ突き出し、獣の輪郭に近づいていくのに、目だけが人の悪意を宿したようにぎらついていた。
宝玉の青を吸い上げたその体は、もはやかわいらしいクマなんかじゃない。洞窟の半分を埋めるような巨体を持つ、化け物だった。
腐った花のような、甘ったるくて胸の悪くなる臭いが漂った。湿った獣臭に、焼けた魔力の焦げ臭さが混じる。息を吸うだけで吐き気が込み上げる。
「アイン! こっちへ来い!」
叫ぶと同時に、化け物の腕がうなった。
長く伸びた右腕が、地面を削りながら横薙ぎに振るわれる。
俺は咄嗟にジュリアを抱えて飛び退こうとした。だが、一瞬遅かった。風圧だけで背中を殴られたみたいな衝撃が走る。呼吸が潰れ、視界が大きく揺れた。
「きゃ……っ」
抱き上げきれなかった。
化け物の左手が、ジュリアの細い体を鷲づかみにした。
「ジュリアッ!」
喉が裂けるほど叫んだ。
小さな体が、巨大な爪の中でもがく。服の布がぎしりと音を立て、白い腕が空中で震えた。
泣き声はすぐには出なかった。あまりの恐怖で声が詰まっているのか、ジュリアは息を吸おうとして、吸えず、目を大きく見開いている。その顔を見た瞬間、俺の頭の中でなにかが焼き切れた。
「てめえ……!」
前へ出ようとして、そこで初めて気づいた。
剣がない。
勇者服もない。
洞窟へ飛び込むとき、アインを追うことしか頭になくて、俺は必要な装備をほとんど持たないままここまで来ていた。いま身につけているのは、戦うにはあまりにも頼りないシャツだけだ。腰にあるはずの重みがない。右手を伸ばしても、召喚の感覚に繋がる導線が、うまく掴めない。汗で湿った掌が、空を切る。
丸裸。
その言葉が、ひどく生々しく胸に刺さった。
父親として守ると誓ってきたくせに、いざというときの備えが足りなかった。
その事実が、怒りと同じ熱で内臓を灼いた。歯を食いしばりすぎて、奥歯が軋む音が頭蓋に響く。
化け物はジュリアを掴んだまま、ゆっくりと俺を見下ろした。
裂けた口の奥から、低い声が響く。
「瀬野龍夜」
その瞬間、血の気が引いた。
洞窟の冷気とは別種の寒さが、背骨にまっすぐ突き刺さる。
「お前を殺す。魔王様の復活の邪魔はさせない」
その声音は、さっきまでのふざけた笑い声とはまるで違っていた。
獣の唸りに、人の言葉を無理やり押し込んだような濁った低音。耳で聞いたはずなのに、泥水を喉へ流し込まれたみたいな不快さが残る。
「……なぜ、俺の名を!」
怒鳴った声が、少し掠れた。驚愕と怒りが同時に込み上げて、肺の中でぶつかり合う。
魔王。
その単語に、これまで潜ってきた死地の記憶が一瞬で蘇る。
血の匂い、黒い炎、守れなかったかもしれない未来への恐怖。いま目の前でジュリアを握りつぶしかねない化け物が、その影と繋がっている。その現実が、思考をさらに熱く濁らせた。
化け物は答えなかった。
ただ、口元を歪める。笑ったのだとわかるまで、一拍かかった。人間の感情を真似ているだけの、底のない表情だった。
次の瞬間、左の肩口から青黒い光が膨れ上がった。
まずい、と理解するより先に、空気が弾けた。
衝撃波だった。
目に見えるわけじゃない。だが、空間そのものが厚い壁になって押しつぶしてくる。
真正面から胸を殴りつけられたみたいな衝撃に、俺の体は簡単に後方へ弾き飛ばされた。背中が岩壁に叩きつけられ、肺の空気が全部抜ける。息が吸えない。口を開いても、喉がひゅっと鳴るだけだ。
「パパ!」
アインの声がした。
視界の端で、小さな影が一歩前へ出るのが見えた。
「来るな!」
絞り出した声で制する。
だが化け物は、まるで子どもを怖がらせて遊ぶように、もう一度肩を震わせた。
青い魔力が今度は両腕に絡みつく。毛の一本一本の先から火花みたいに光が散り、そのたびに周囲の空気がびりびりと痺れた。岩床に走るひびの隙間から、砂粒がふわりと浮き上がる。
連続で来る。
そう思った瞬間、二発目が放たれた。
今度は波のようだった。目に見えない塊が何層にも重なって押し寄せ、足元の地面ごと抉ってくる。
俺は横へ転がってかわしたが、避けきれない余波が脇腹を掠めた。焼けた鉄板を押しつけられたみたいな痛みが走る。岩の破片が頬を切り、口の中に鉄の味が広がった。
耳鳴りの向こうで、ジュリアの短い悲鳴が聞こえる。
あいつはまだ、あの化け物の手の中だ。
握る力を少し強めるだけで、あの細い体は壊れる。そう想像しただけで、頭の中が真っ白になりかける。だが焦ったところで、いまの俺には決定打がない。
素手で飛びかかれば、ジュリアごと叩き潰される。距離を詰める前に衝撃波で吹き飛ばされるのが目に見えている。
くそ……!
唇の内側を噛み切るほど噛みしめた。痛みで、かろうじて意識が繋がる。
そのときだった。
「や、やめて……!」
震えた声が、洞窟の奥にひどく小さく響いた。
アインだ。
青い宝玉を胸に抱きしめたまま、あの子は化け物を見上げていた。
顔は真っ青で、唇が細かく震えている。それでも逃げない。いや、逃げられないのかもしれない。自分が願いごとを重ねたせいで、目の前の怪物がこんな姿になった。そのことを、本能的に理解してしまっている顔だった。
「くまさん……ちがう、よね? ジュリアをはなして。パパをいじめないで……」
言葉の終わりが掠れた。
化け物の視線が、ゆっくりとアインへ落ちる。
その目には、先ほどまで願いを叶えていた相手への親しみなんて欠片もなかった。
獲物を見る目だ。いや、それよりももっと悪い。幼い心のほころびを見つけて、そこへ指を差し込むのを楽しんでいるような、粘つく悪意があった。
「願いを叶えてやっただろう」
低い声が、ぬるりと流れる。
「もっと望め。もっと差し出せ。そうすれば、救われる」
アインの肩がびくりと揺れた。
宝玉の光が、それに呼応するようにまた強くなる。
青かったはずの輝きの奥に、どす黒い筋が混じっていた。海の色じゃない。嵐の前に空が落とす、鉛色の影だ。
「ぼく、は……」
アインの喉が上下する。
あの小さな胸の中で、いま何が渦巻いているのか、父親の俺には痛いほどわかった。
自分が悪かったのかもしれない。けれど、願ったのは家族の幸せだった。ジュリアに花を。パパに力を。みんなが幸せに。たったそれだけの、幼い優しさだったはずなのに、その結果がこれだ。
目の前では妹が捕まり、父親が血を流している。五歳の子どもには重すぎる現実が、容赦なく肩へ乗せられていた。
走って抱きしめてやりたかった。
お前のせいじゃないと、すぐに言ってやりたかった。
だが、そんな距離すら許されない。
化け物の腕が再びうなりを上げる。今度の衝撃波は、さっきよりも収束していた。
槍のように一点へ圧縮された魔力が、俺めがけて一直線に飛ぶ。俺は咄嗟に身をひねったが、完全にはかわしきれなかった。
左肩をえぐるような衝撃が走り、体ごと回転しながら地面に投げ出される。視界が青と黒に明滅する。肩の奥が痺れ、腕先の感覚が一瞬消えた。
くそ、立て……!
爪を立てて地面を掴み、無理やり体を起こす。砂が掌に食い込み、傷口に沁みた。その痛みが逆に意識を引き戻す。
目を上げると、アインが泣くのをこらえるように唇を噛んでいた。
大きな瞳に涙がたまっている。けれど、ぼろぼろこぼしはしない。ただ、今にも折れそうな小さな肩を、必死にまっすぐ保っている。
「ぼくが……」
その声は、震えていた。
「ぼくが、ねがわなければ、よかったの……?」
胸を、鈍い刃で抉られたみたいだった。
「違う!」
即座に怒鳴る。
声が裏返ってもかまわなかった。
「アイン、お前は悪くない! そいつの言うことを聞くな!」
化け物の口元が、さらに裂けるように歪む。
「本当にそうか?」
洞窟の壁が震えるほどの低音だった。
「お前が願った。お前が力を注いだ。お前が選んだ。だから妹はこうなった」
「やめろ……!」
「父も死ぬぞ」
「やめろッ!」
叫んだ俺の声は、怒りよりも焦りに滲んでいた。
相手はわかっている。この場でいちばん壊しやすいのが誰かを。
剣で斬るより、爪で裂くより、幼い心へ罪悪感を植えつけるほうが手っ取り早いと知っている。
だから言葉で追い込む。家族を救いたい一心の子どもに、選択の重みを押しつける。
ジュリアが、化け物の手の中で小さく身を縮めた。
「おにいちゃん……」
か細い声だった。
涙で濡れた瞳が、兄を探している。その呼びかけに、アインの顔がくしゃりと歪む。
限界までこらえていた涙が、ついに頬を伝った。ぽろり、ではなかった。溜め込んでいたものが堰を切ってあふれるように、一気にこぼれた。
それでもあの子は、宝玉を落とさない。
落とせないのだ。
離せばどうなるのかわからない。持ち続ければ、もっと悪くなるかもしれない。それでも、いま自分に残されているのはこの青い宝玉だけだと、本能でわかってしまっている。
小さな指が、宝玉の表面に食い込むほど強く抱きしめる。
青い光が、また脈打った。
化け物の全身の毛が逆立ち、洞窟の天井からぱらぱらと小石が落ちる。魔力が増幅している。こいつはアインの迷いも、苦しみも、全部餌にして膨らんでいるんだ。
俺は立ち上がった。足元がふらついても、倒れるわけにはいかなかった。
肩は痺れ、脇腹は痛み、息をするたび胸がきしむ。それでも、父親がここで膝をついたら終わりだ。アインの前で、ジュリアの前で、俺が折れるわけにはいかない。
「アイン……!」
できるだけ低く、まっすぐ届く声で呼ぶ。
泣き濡れた顔が、こちらを向いた。
「よく聞け。お前が何を選んでも、俺はお前の父親だ。ジュリアも、お前の妹だ。だからひとりで背負うな」
そう言いながらも、心の奥では別の声が荒れ狂っていた。
背負わせるな、こんなもの。五歳の子どもに決めさせるな。俺が全部引き受けろ。
父親ならそうするべきだろうが。だが現実は、俺の無力さを無慈悲に突きつけてくる。剣もない。勇者服もない。距離も悪い。相手はジュリアを盾にしている。動けば誰かが傷つく。その最悪の盤面の中心で、アインだけが宝玉と対峙している。
化け物が、ぬらりと舌を覗かせた。
「選べ、アイン」
名前を呼ぶ声が、ぞっとするほど甘かった。
「その宝玉の力で、さらに願うか。妹を救うか。父を救うか。あるいは――全部失うか」
洞窟の空気が止まった気がした。
水滴の音も、俺の荒い息も、ジュリアのすすり泣きも、全部が遠ざかる。
あるのは、青い宝玉の脈動だけだった。ひとつ、ふたつ、心臓みたいに光るたび、アインの涙で濡れた頬に青白い影が差す。
あの子はいま、子どもであることを許されていない。
兄であることと、息子であることと、自分自身であることのあいだで、小さな胸を引き裂かれようとしている。
「ぼく……」
アインの声が、かすかに震えた。
宝玉を抱く腕に、さらに力がこもる。
化け物が待っている。ジュリアが泣いている。俺は歯を食いしばったまま、一歩も踏み込めない。
そして、次の決断を迫られているのは――幼いアインだった。