軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

897話 のんびり

「ぷぷ~」

「てりゅ~」

「ぷっぷっぷ~」

「てっりゅっりゅ~」

「んっ? ソラ? フレム?」

どうしたんだろう?

お腹が空いたのかな?

「あれ? 明るい……あっ!」

起き上がって時計を見る。

いつも起きている時間より、2時間も過ぎてる!

「ぷっぷぷ~」

「てっりゅりゅ~」

「ぺふっ」

「にゃうん」

皆の元気な声に視線を向ける。

「おはよう。ごめんね、皆。寝過ごしてしまって」

急いでソラ達のご飯をマジックバッグから取り出す。

「昨日は早く寝たのにね。ソラ、フレム、ソル。どうぞ」

ソラ達が食べ始めるのを確かめてから、顔を洗い着替える。

そうだ。

洗濯をしないと。

前にこの部屋を借りた時は、洗濯をする時間が無かったんだよね。

今日は、予定があるのかな?

無かったら、洗濯をしに行こう。

「ぷっぷぷ~」

「てっりゅりゅ~」

「ぺふっ」

もう、食べ終わってる。

いつもと出した量は変わらないんだけどな。

「ぷ~」

「てりゅ~」

「ぺふっ」

あれ?

ちょっと不満そう?

「もしかして、もっと食べたいの?」

「ぷっぷぷ~」

「てっりゅりゅ~」

「ぺふっ」

やっぱり。

マジックバッグには、あまり残っていないし。

「捨て場に行った方がいいかもしれない」

「ぷぷ~!」

「てりゅ!」

「ぺふっ! ぺふっ!」

私の呟きに、少し興奮するソラ達。

これは、捨て場に連れて行かないと拗ねるかも。

「洗濯より捨て場が優先だね。お父さんに今日の予定を聞こう」

ベッドを整えて部屋を出る。

「皆も行こうか」

ソラ達と一緒に1階に下り、食堂に向かう。

「おはよう」

食堂に入るとお父さんが手を上げてくれた。

「ごめんね。寝過ごしてしまったみたい」

「今日の予定は何も無いから大丈夫だ。朝ご飯は昨日の残り物だけど、大丈夫か?」

昨日の夕飯の残り物だよね。

「大丈夫。あっ、パンがある」

「あぁ、パンはフィロが買いに行ってくれたんだ。好きな物を食べていいそうだ」

パンと野菜の煮込み料理を取って、お父さんの隣に座る。

「いただきます」

パンに野菜を煮込んだ物を挟んで食べる。

少し味が濃かったので、パンに挟むとちょうどいい。

「お父さん。あとで捨て場に行ける? ポーションとか欲しくて」

「あぁ、それならロティスに人払いをお願いしておくよ。今日は無理かもしれないけど、明日か明後日なら大丈夫だろう」

あっ、そうだ。

カシム町の捨て場には、監視している自警団員がいるんだった。

「みんな、今日は無理みたい。でも、数日以内には捨て場に行ける様にするからね」

ソラ達に言うと、ちょっと残念そうな表情をしたけどプルプルと震えて賛成してくれた。

「ジナルさん達は?」

「ジナルは、研究所の報告と木の魔物の様子を聞くために自警団に行った。ロティスも一緒だ。セイゼルク達は、まだ寝ているよ」

「えっ!」

セイゼルクさん達は、まだ寝ているの?

「そろそろ起きて来るんじゃないか?」

「「おはよう」」

食堂にセイゼルクさんとシファルさんが入って来る。

「「おはよう」」

ちょうど、セイゼルクさん達の事を話していたから驚いたな。

「ラットルアとヌーガは?」

「部屋が違うから知らないけど、来ていないという事はまだ寝ているんだろう」

セイゼルクさんの説明にお父さんは頷く。

「セイゼルク、料理は適当に選んでいいか?」

シファルさんの言葉に、セイゼルクさんが慌てて料理が並んでいる場所に行く。

彼に選ばせたら、朝ご飯が凄い事になりそうだもんね。

「朝からあんな辛い物を食べるわけが無いだろうが!」

「あははっ、残念」

やっぱり。

「今日の予定は?」

シファルさんの言葉にお父さんを見る。

「まだ決まっていないけど、どうしてだ?」

「用事が無いなら、カシム町を色々と回ってみないか? 商人が集まる街だけあって、面白い店とか多いんだよ」

そうなんだ。

「それは良いな」

「あっ、お父さん。洗濯したい」

今日中に捨て場は無理でも、洗濯は出来るよね。

「そう言えば、汚れた服が溜まってたな。食べ終わっているなら、行こうか?」

「うん」

「見て回るのは、洗濯が終わってからでもいいか?」

お父さんがシファルさんを見る。

彼は、楽しそうに頷く。

「もちろん。アイビー達が洗濯している間に、ラットルア達を起こしておくよ。さすがにもう起こしてもいいだろう」

セイゼルクさんとシファルさんと別れて、お父さんと洗濯場に向かう。

肩から提げた、ソラ達が入っているバッグを見る。

「どうした?」

「シファルさん達と一緒に居ても、良かったのになって思って」

洗濯場では皆を外に出す事は出来ない。

だから、自由に遊び回る事が出来る場所で待っててくれても良かったんだけど。

「一緒にいたいんだろう」

そう思ってくれるのは、正直嬉しい。

でも、森で自由に過ごす皆は凄く楽しそうだから、バッグの中に閉じ込めてしまう現状に考えてしまうんだよね。

「早く終わらせよう」

お父さん?

「洗濯が早く終われば、ソラ達の遊べる時間が増えるだろう?」

「あっ、そうだね。うん、早く終わらせよう」

あっ、でも汚れた服は結構な量があった様な……頑張ろう。

洗濯場に着くと、空いている場所を借りてすぐに洗濯を始める。

「「終わった~」」

大量の洗濯物を洗い終え、お父さんと少し休憩する。

さすがにちょっと多かった。

「帰ろうか」

「うん」

洗った洗濯物が入ったカゴをマジックバッグに入れ、借りているロティスさんの家に向かう。

「ドルイド、アイビー。こんな所で何をしているんだ?」

大通りを歩いていると、後ろから声が掛かる。

振り返ると、不思議そうに私達を見るジナルさんがいた。

「洗濯を終わらせて帰る所だ。ジナルの用事は終わったのか?」

お父さんの言葉に、ジナルさんが笑って頷く。

確か、木の魔物の様子を聞いてくれたはずだよね。

「王都の様子は?」

「計画を立てた首謀者と資金を提供した屑共、それと次の王を狙った馬鹿も確保したそうだ」

屑に馬鹿って、凄い説明だな。

「問題視されていた貴族家を一気に片付ける事が出来ると、フォロンダ様が嬉しそうだったよ」

「それは良かった」

お父さんが楽しそうに笑う。

「そうだ。木の魔物だけど」

あっ、どうしているんだろう?

「冒険者ギルドのギルマスが、頑張って意思疎通を図っているそうだ。なかなか難しいと嘆いているみたいだけどな」

意思疎通?

「王都にいるテイマー達はどうしたんだ? 彼等なら、ギルマスより意志疎通が出来そうだけど」

「テイマー達も頑張ったみたいだけど、木の魔物の方が近付くのを拒否したらしい」

「えっ?」

ジナルさんの説明に、驚いた声が漏れる。

木の魔物の方が拒否?

あんなに優しい性格だったのに?

「どうやら、王都にいるテイマー達とは合わないみたいだな」

合わない?

あっ、魔力の事だ。

少し前に、魔力が体に合わない事があると聞いた。

そうか。

合わなかったのか。

「それでギルマスが頑張る事になったらしい」

ジナルさんが、楽しそうに笑う。

その表情を見て首を傾げる。

「王都のギルマスとは知り合いなんだ。木の魔物の傍であたふたしているのかと思うと、面白くて」

本当に楽しそうに笑うジナルさんに、お父さんと顔を見合わせる。

「王都に行ったら紹介するよ。楽しい奴だから」

それは楽しみだな。