軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

26話 アオユキ達vs偽『C』

「pがうがあ3t8jhrj-9悪4t-94うt!」

偽『C』が狂った声をあげて暴れ回る。

上半身が裸で、髪の毛をだらだらと背中まで伸ばしている。

その髪の毛は怨念が凝り固まって出来た呪術道具のようだった。

瞳から涙を流し続け、全身から怒り、悲しみ、怨嗟を撒き散らしている。

レベル9999だけあり、ただ振るわれる一撃一撃の破壊力が強く、魔人王国城の瓦礫が首都全体に飛び散り、被害を拡大させていた。

だが逆にそれが幸運だった。

下手に街中に下りて暴れられるより対処がしやすい。

瓦礫が飛んで落ちたとしても、偽『C』が街中に下りて暴れるよりずっと被害が小さい。

それを証明するように、王城崩壊から生き残った魔人種兵士が、偽『C』と対峙しただけで、

「がうがkがうぃがあおああぁッ!?」

狂ったように頭を押さえ、のたうち回る。

偽『C』が何か攻撃的行動をおこなった様子はない。

ただ『目にしただけ』で、狂ったようにのたうちまわり出すのだ。

こんな意味不明な怪物が大勢が住む街に下りたら、どれだけの被害が出るか。

想像しただけで背筋が震えるというものだ。

『ピィィイィイィィィイ!』

そんな偽『C』に向かって、垂直落下する勢いで迫る影。

街中全体に聞こえるほど甲高い鳴き声を鳴らしているのと、見た目が燃えている炎の塊という存在感、両翼を広げると数十mはありそうな巨大な体躯のせいで非常に目立つモンスターが偽『C』へと急速接近する。

『UR 神獣・ 不死鳥(フェニックス) レベル8500』だ。

アオユキ配下の 不死鳥(フェニックス) が、偽『C』へと襲いかかる。

「がぁmばjrpぎあjg!」

あれだけ騒げばいくら偽『C』でも、上空から迫る 不死鳥(フェニックス) に対して気付き、一目で『強力な存在』と認識できる相手に警戒心を抱く。

警戒心を抱くということは、相手をジッと見つめるということだ。

それが 不死鳥(フェニックス) が目立つように声をあげて急速接近する狙いである。

『ピィッ!』

「!?」

不死鳥(フェニックス) は偽『C』の注目が自分に集中したことに気付くと、それ以上近付かず、上空に急速停止!

さらに『カッ』と地上に太陽がもう一つ存在したかと疑うほどの光量を瞬時に発した。

当然、凝視していた偽『C』の視界は光で埋め尽くされ、一時的に視力を失う。

「pじゃwぎあ!?」

いくら狂ったように暴れているレベル9999の偽『C』でも、一時的に視界を奪われれば、目を押さえて何も出来ずに硬直するというものだ。

『Ooooooo!』

『SSR 存在隠蔽』で姿を消し、息を潜めていたアオユキ配下のモンスター『UR レベル4000 魔人ゴーレム』が、視力を一時失い身動きが取れない偽『C』に突貫。

埴輪のように目と口が『○』で構成された気の抜けた顔でローブに魔術杖を持っている。

ゴーレムにも拘わらず魔術が使用可能という特徴を持つ。

魔人ゴーレムは『SSR 転移』の有効範囲に入ると、すぐさまカードを 解放(リリース) !

偽『C』を魔人国首都から、一瞬でダーク達が偽ギラと戦った決闘場へと瞬時に移動する。

魔人ゴーレムは魔術を使えるほど知能が高いのと、人型サイズのため、無限ガチャカードで偽『C』を決闘場に転移させる役目を任されたのだ。

『Ooooooo!』

魔人ゴーレムは再度『SSR 転移』で自分だけすぐさま撤退。

魔人ゴーレムが撤退したのを確認すると、決闘場で偽『C』を待ち構えていた『UR レベル8000、地獄の番犬・ケルベロス』と『UR 神獣・始祖フェンリル レベル9000』が同時に必殺の一撃を叩き込む。

『グルガァァァァァァアァッ!』

『オオオォオォォォオォン!』

一軒家よりも大きな三つ首のケルベロスは、三つの口から同時に貴族屋敷すら一撃で消し飛ぶ衝撃砲を3発同時に偽『C』へと叩き込む。

視界を一時的に奪われた偽『C』に、衝撃砲×3発が直撃。

決闘場の端まで吹き飛ばされ、壁へ叩きつけられる。

追撃でフェンリルが作り出した氷山が、音速レベルで発射。壁に叩きつけられダメージから回復していない偽『C』へと叩き込む。

氷山は偽『C』ごと壁にめり込み、天井近くまで亀裂を走らせる。

『わふん!?』

ケルベロスの三つ首の真ん中が、『やったか!?』と言いたげに鳴いた。

左右の首が『余計なフラグを立てるな!』といいたげに、真ん中の頭を噛む。

フェンリルも、先程の氷山以上の冷たい目を三つ首の真ん中へと向ける。

三つ首の真ん中がフラグを立てたせいか、レベル9999のせいか……最初、氷山に小さく亀裂が入る。

その亀裂は徐々に大きく広がり、最終的には偽『C』が無傷で姿を現す。

「、:lぎpいrmb:あgpうぃあ!」

正確には何か黒い霧のようなモノが全身から溢れ出て、彼の体を覆い尽くしていた。まるで気体の全身鎧である。

さらに右腕に黒い霧が集束し、槍形態になっていた。

気体鎧のせいで表情などが確認できないが、声は勢いが失われておらず、不意打ちに怒り心頭のようだ。

『わふわん!』

『くうぅ~……』

ケルベロス一番右の首が『変なフラグを立てるから』と言いたげに怒り。

三つ首の真ん中は『べ、別に自分がフラグを立てたから、あいつが元気一杯な訳じゃないだろ』と言いたげに、力無く抗議の声をあげる。

『オン!』

フェンリルが『遊んでないで、来るぞ!』鋭い声で警告を飛ばす。

「bゃいがw!」

偽『C』が右腕のランスを突き出し、突進。

直線的な攻撃ではあるが、レベル9999だけあり、その速さは文字通り『目にもとまらぬ速度』を地でいくほど速い。

ケルベロス・フェンリルは迎撃のために爪による打撃を放つが、それを受けつつも無視して、偽『C』は一切の苦痛を感じないのか構わず攻撃。

狙いはケルベロスだ。

『ワオン!?』

まさか攻撃を受けて、痛がる素振りもなくすぐさま攻撃に転じるとは予想していなかったため、ケルベロス3つの頭は驚愕の表情を作った。

さらに偽『C』が突きだした黒い霧のランス尖端が、高速で伸びてケルベロスの胴体へと突き刺さる。

そのままランスは伸びて胴体を貫通すると思われたが……それ以上突き刺さらず、途中で折れてしまった。

『ワン!』

『ワフン……』

フェンリルが地面に着地後すぐに『大丈夫か!?』と心配の声をかける。

ケルベロスは、『大丈夫、浅い部分で止まったから。でも、あんなのがレベル9999の攻撃なのか……』と違和感を覚えていた。

確かにケルベロス、フェンリルの飛ぶ爪の斬撃を受けても、苦痛も感じずに攻撃をしかけてきたことには驚いたが、逆に言えばそれだけだ。

攻撃も受けたが、黒い霧のランスはケルベロスの強靱な筋肉を突破できず、途中で折れてしまう。

折れたランスは既に偽『C』の体から溢れ出る黒い霧によって補修がされていたが、あんな粗末な一撃がレベル9999の攻撃なのか疑問を抱かずにはいられない。

『ピィィイィイィィィイ!』

ケルベロス達が疑問を抱いていると、決闘場上空へと転移した『UR 神獣・ 不死鳥(フェニックス) レベル8500』の白い火炎の竜巻が足の止まった偽『C』を包み込む。

不死鳥(フェニックス) の攻撃力は、アオユキの配下の中でも上位の破壊力を持つ。

特に今回の白い火炎は、普通の炎より温度が高いだけではなく、聖属性も付与されている。

黒い霧を体から出す偽『C』は、明らかに闇属性でこの攻撃は効果が高い筈だが……。

「qjがwがあうぇ!」

右腕の槍を振り回し、元気に白火炎を切り裂き、上空を飛行する 不死鳥(フェニックス) へと踊りかかる。

黒い霧が白火炎によって焼かれ一部禿げてはいるが、偽『C』は苦痛を一切表に出さず動き続けた。

当然、ケルベロスの受けた攻撃から、この動きも予想済みで 不死鳥(フェニックス) は高速移動し、その場に止まらず、回避運動で上空へと飛び上がった偽『C』の背後を取る。

本来であれば偽『C』の動きを予想し動いていた 不死鳥(フェニックス) にとって有利な位置のはずだが……。

「9@49@bい!」

『ピィッ!?』

偽『C』の長い髪の毛が、触手のように動き背後に回り込んだ 不死鳥(フェニックス) へと狙い発射!

まるでハリネズミが針を強化し、銃弾のように発射したような光景だ。

さすがにこれは予想外だったため、 不死鳥(フェニックス) は細い黒い霧のような針が一部体に被弾。

急いで回避行動をとったため、それ以上のダメージを負わずに済んだが。

『ワフ……』

フェンリルが偽『C』の気持ち悪い攻撃に、『あんな手もあるのか』と声を漏らす。

だが手の内をまた一つ引き出せた。

自分達の目的は、偽『C』の情報を少しでも暴くことだ。

その使命を全うするため、気持ちを切り替えてフェンリルは着地後の無防備な一瞬を狙うため、息をすって迎撃態勢をとる――が、

『ぎゃん!?』

『!?』

同じように迎撃態勢を取っているはずのケルベロス側から悲鳴があがる。

正確には真ん中の頭が、左の頭になぜか噛みついているのだ。

しかも甘噛みではない。

血が出るほどがっつりと噛みついている。

『ワン!?』

一番右端の頭が『ちょ、オマエ何しているの!?』と驚きの声をあげるが、真ん中の頭がまるで狂犬病にかかった野犬のように『グルルル!』と敵意を露わに噛みつき、暴れ出す。

真ん中の頭のケルベロスだけではない。

『ピィィイィイィィィイ!』

不死鳥(フェニックス) が減速無しで、決闘場壁に頭から激突し、そのまま床へと落ちる。

不死鳥(フェニックス) は決して普通の鳥型モンスターではない。

一般人を圧倒するほどの知能を持つ。

壁に激突するなど本来間抜けな行為などしないはずなのだが……。

だが、落下したそんな無防備な姿の 不死鳥(フェニックス) を前にしているにも拘わらず、偽『C』は手を出さない。

まるで『 不死鳥(フェニックス) はもうどうでもいい』と言いたげに、手を出さず未だ正常なフェンリルだけを視界に捕らえる。

黒い霧を全身に纏い、体に目玉を2つ作り出し、右腕のランスを構え、『次はオマエだ』と言いたげにフェンリルに向き直った。

『ワ、フゥ……』

フェンリルが何が起きているか分からない異常事態に怯え、思わず半歩、偽『C』から後退ってしまう。

「――ご苦労様。敵の手の内は読めた。もう十分」

「!?」

『SUR 天才モンスターテイマーアオユキ レベル9999』が、決闘場へと転移。

転移後すぐに『 獣の鎖(ビースト・チェイン) 』を振るって、偽『C』胴体を横合いからぶん殴る。

『がwjがぁqあ@ッ!』

予想外からの攻撃に偽『C』は反応できず、壁までぶっ飛びめり込む。

壁が耐えきれずガラガラと崩壊する様を、アオユキは冷たい視線で見つめ続けた。