軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

11話 再会

シックス公国の中心に6種での国家会議を開く会場がある。

その会場を囲むように6種代表者が滞在する屋敷が存在した。

屋敷自体の大きさは各種族同じだ。

これは6種代表者が皆、平等だと示すためらしい。

しかし、内装に関しては各種が好きに弄ってもよい事になっていった。

そのため各種屋敷内装に力を入れて、他者を招待した際、自分達の財力、権威、地位を誇示する。

では人種屋敷内部はというと……。

良く言えば無駄がない。

悪く言えば質素だった。

(頑張ってはいるようだけど……ちょっとお金持ちの商人の屋敷っていう感じの内装かな)

つい、屋敷内部を確認し、胸中で感想を漏らしてしまう。

厳しい財政の中から、頑張って少しでも見栄え良くしようという努力は感じた。

僕達はリリスの護衛ということで、彼女に宛がわれる部屋の隣にある個室を与えられる。

ちなみに屋敷に入りきらなかった人員は、街の宿屋に宿泊させることになっていた。

なので他種は見栄で人員が多いということを示すために、外部に連れてきた人員を宿泊させるとか。

一方、人種にそんな無駄金は無く、護衛兵士達は大部屋に雑魚寝だ。それを考えたらリリスの護衛だとしても、個室を与えられるのは破格の待遇だと言えるだろう。

部屋に荷物を置いて、旅の汚れを落とす。

普通なら台所でお湯や水を貰いタオルで汚れを落とすが、面倒なので 恩恵(ギフト) 『無限ガチャ』カード『R、ウォッシュ』で一息に綺麗にする。

メラがお風呂嫌いで、よく汚れをこのカードで落としているらしい。

建前上は僕の魔術でお湯を作って体を拭いていることになっている。

(お風呂は個人的にも気持ちいいから好きなんだけど、妖精メイド達が髪や体を洗おうとしたり、体の水気を拭こうとしたり、着替えさせようとするから苦手なんだよな……)

妖精メイドとはいえ見目麗しい年頃の女性がメインのため、彼女達に裸を見られるのは恥ずかしい。

だから、なるべく断ろうとしているが、断ると悲しむのでなかなか難しかった。

汚れを落としてのんびりしていると、部屋の扉がノックされる。

リリスから会議のある会場への下見のお誘いだ。

事前に会場を確認しておきたいと、僕から申し出ていた。

リリスの着替えと休憩が終わったのでメイドが呼びに来たのである。

隣の彼女の部屋に移動して挨拶後、リリスと偽ユメを連れて部屋を出た。

今回も側付きメイドは偽ユメが選ばれ、同行しているメイド長であるノノが厳しい表情を作っていた。

彼女の雰囲気から、リリスが何かを企んでいる事に気付いているが、その企みはまだ分かっていない気配がする。

(とはいえ、もうすぐリリスが女王に就任する根回しは終わっているから、あのメイド長が何を報告しようがもう遅いんだけどね)

僕は視界の端にメイド長ノノを拾いながら、リリスに続いて部屋を出た。

人種屋敷の渡り廊下から、6種会議がおこなわれる会場へと足を踏み入れる。

中心にある会場は他屋敷に比べて3倍以上も大きい。

悲しいことに明らかに人種王国にある王宮より大きかった。

理由として中心会議中は、代表者1名ずつしか入れない。

会議中、護衛は待機していなければならないため、多数の護衛、文官、後進を育てるために連れてきた若者達を待機させる場が必要になる。

他にも交流するための談話室、トップ以外が条件を詰めるための会議場、体調を崩した者が足を運ぶ救護室など、多岐に渡る部屋が存在した。

僕達はまず中心会場の会議室へ足を運ぶ。

人種代表出入口から中へと入る。

会議室は広く、天井も高い。

中心には大理石のような素材で出来た円卓が置かれていた。

(この机がある意味、この世界の中心の一つになるのか……)

円卓や椅子などは歴史を感じさせる重厚さがあるが、部屋の作り自体はシンプルだ。

華美に走るのではなく、実用的な作りをしている。

この場は権威を示す場ではなく、前向きな話し合いをする場だと部屋全体で示しているのだろう。

僕が会議室を観察していると、ゴールドが顎を撫でながら護衛者として感想を漏らす。

「部屋に窓も無く明かりは天井から魔術道具で照らしておるのか……。これなら外からの奇襲は出来ず、気を付ける点は他種の護衛などが襲撃者に変わるのを警戒するだけで良さそうだな」

「ゴールド様、あまりそういうことは口に出さないで頂けると……」

「おお、これは失礼した姫様。しかしこれも護衛者として姫様の身を案じての事。どうかご容赦願いたい」

「ゴールド、何失言をしているのよ。自分達のミスはダーク様の恥になるのよ」

ゴールドの物騒な発言にリリスは笑みを引きつらせながら、注意する。

ネムムはゴールドの失言に怒っているが、すぐに謝罪したのと、この部屋に自分達しかおらず厄介事を引き起こす者達が居なかったので許された。

(僕もゴールドと同じことを考えたから、彼を責める気にはなれないな)

仮面の下、微苦笑を漏らす。

――その苦笑も一瞬で真顔に切り替わってしまったが。

「ダーク様?」

「…………」

ネムムの声に僕は反応を示さない。

彼女の呼び掛け以上に大事な者が近付いてくるからだ。

懐かしい気配を魔人国側の扉外に感じる。

魔人国側の扉が音もなく、開く。

扉から魔人国側の若者達が姿を現した。

彼らも会議室に気配があることに気付いていたため驚きは薄い。

むしろ人種が会議室に居ることに冷笑や蔑み、無関心、不快感を示す者など反応は様々だ。

しかし、僕は彼らの態度など一切眼中に無かった。

僕の目はただただ約3年振りに顔を会わせる復讐相手――ディアブロに釘付けになってしまっていた。