軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side――クライフ3

確証のない感覚にかかずらっている場合か、そう問われれば。そんな余裕はないといってしまうけど。

だからって無視できるものでもない。

ただのちょっとした違和感であっても、相手はドラゴンだ。

俺達人間にとっては誤差でさえ致命的かもしれない。

無理をしないだけでいい。

地に足を付けて、仲間を守ろう。

目下の狙いはジーナで間違いないはず。

丁寧に。様子をよく見て。防いで行こう。

決意を新たに敵を見据える。

氷の板を足場に飛び回るアンナを羽虫のように払い除けながら、随時追加で射出される氷の板をも叩き落す。

腕、翼、尻尾。

全てを総動員しながらも、視線は遥か後方のジーナへと注がれたまま。

驚くべきことに、じりじりと前へ進んでくる。

地面に刺さった氷の板も踏み砕き、邪魔するものを排しながら、ただ前へ。

一切を意に介さないようなその振る舞いは、絶対的強者の風格を纏う。

違和感の正体はこれか!

今までは目につくもの全てに噛みつき、まるで翻弄されている姿の見本のような状態だった。

それが声を荒げるどころか押し黙り、標的を目の仇にして突き進む。

全くの別人と言ってもおかしくないほど。

どうしてそんなことに直ぐ気付かなかったのか?

・・・なんて、言ってる場合じゃなさそうだ。

観察のために取っていた少しの距離は。

いつの間にか、あと一歩まで迫る。

振り返るだけの時間はあった。いや、振り返るだけの時間しかなかった。

ジーナまではまだ遠い。

ここで足を止めさせる。

例え、俺のことなんか気にも留めてなくても‼

そのために―――・・・・・・と、構え直した。

けれど、勘違いだった。

生物としての強さだとか、ついさっきまでの態度だとか、誰を目の敵にしてるだとか、全部。

勘違いだった。

目が合った。

目と目が合った。

自分でそう思ったじゃないか。

見下し、見下ろすその目を。

俺は見たはずだった。

ドラゴンブレスが降る。

どうにか、どうにか盾を掲げるまでは間に合った!

遠くに見えた天井の明かりより、眩しい光が見えたから。

勢いに押されて膝が曲がる。

だけどおかげで、盾の先端が地面へ届く。

姿勢が安定してブレスに圧し負ける心配が減る。

ただし、

『まずは貴様からだ』

振り上げられた腕を防ぐ手段はない。

耳元でささやかれたような頭に響く声が誰のものかは言うまでもない。

それでも疑問だったのは、その声に視線を奪われたこと。

そして、その時に見えたブレスの向こう側だ。