作品タイトル不明
続々―――???
『火を吹けるのが特徴でいいのか?』
『う~ん? みたことないけど、ひはみんなだせるっていってたような?』
『みんな?』
『みんな! おとぅさんも、おかぁさんも、おじさんも、おばさんも』
『大道芸一家なのか?』
『わかんない! おじぃちゃんやおばぁちゃんもひはだせたって!』
もしかしたら魔法のことか?
あーでも、大道芸人も魔法で出してたりするしな。
『そうか、お兄ちゃんの特徴は他にはねぇのか?』
『どうして?』
『探すのに必要だろ?』
『・・・ほんとだ! なんでいままできづかなかったんだろ?』
『すっかり忘れてたな』
『ほんとはさがしてなかったんじゃないの?』
『さて、忘れちまったな』
もー! と言いながらも楽しそうな少女。
『でも、おにぃちゃんのとくちょうかぁ・・・・・・』
『なんでもいいぞ? 髪が長いとか、肌が汚いとか、歯が抜けてるとか』
『そんなんじゃないもん! ないけど! みためはあんまり・・・?』
『服装は・・・わからねぇよな』
『・・・うん。わたしもなんでこんなかっこうなのかな?』
『俺に聞かれてもな』
『わかってる~。おにぃちゃんのとくちょう――すごかった・・・よ?』
『そう言われてもな』
何が凄かったのかさえ、俺にはわからねぇ。
『えっとね~? みんなからきたいされてたんだよ』
『期待? なにを』
『それがね・・・』
『忘れたのか?』
『・・・・・・みたい』
『そりゃぁ仕方ねぇな』
『おこらないの?』
『お兄ちゃんは泣いてるかもな』
『―――ッ‼‼ おにぃちゃん・・・』
『冗談だ。なにがかは知らねぇが、凄いお兄ちゃんなんだろ? だったら、そんなことじゃ泣かねぇさ』
俯く子供を見て瞬く間に言葉を翻す。
子供の態度や表情1つでこんなに動揺させられると、俺の冒険者疑惑が薄まるな。使用人や教師のほうがよっぽどそれらしい。
あるいは親だったりするのか?
下手に考えても思考が混線するだけだ。
今は割り切ってコイツの兄を探す方がいいだろう。
まぁ、それでどうなるってことでもねぇんだが・・・、目的もなくここに滞在し続けると、そこらの人間と同じような存在になりそうだからな。
『なんだっけ? なんだかとっても、だいじなことだったきする・・・』
『頑張って思い出してくれ。俺にはどうしようも出来ねぇからな』
『こらー! おにぃちゃんがあきらめたらだめでしょ⁉』
『残念ながら、人の記憶を覗き見る術は持ち合わせてなくてな』
『きおく・・・うぅ・・・わたしがだめだから・・・』
『そんなこと言ってねぇだろ。神様でもなけりゃぁ何もかも背負い込む必要なんざねぇんだよ』
あるいは、神でさえ全てを背負う必要はねぇのかもしれねぇが。
『かみさま・・・? ちがう、ちがうよ!』
『? そりゃぁ違うだろうが・・・』
『おにぃちゃんはね、おうさまになるんだっていってたよ⁉』