軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

―――!?!?!?

『――・・・王様?』

少女は頭を抱えていたかと思えば、急に思い出した様にそう口にした。

『おうさま・・・うん、だって・・・たしかにそう、いってたもん』

『それはお兄ちゃんの冗談だったんじゃねぇのか?』

『ううん、いってたのはおにぃちゃんじゃなくて、おとうさんたちだった』

お父さんってのも引っかかるが、達の部分も捨て置けねぇ。

『お父さんと誰だった?』

『おかぁさんやおじぃちゃん、おばぁちゃんも・・・ちかくにすんでるおじさんやおばさんも、そういってたはずだよ・・・じまんのおぃちゃんだねって・・・』

『近所に住んでるってのは、親戚じゃぁねぇのか?』

『ちがうよ? なまえ・・・なんだっけ・・・』

これはおかしい――んだよな? 多分。

王族ってのは血筋で決まる。

兄が王様になるんなら、妹だって姫のはず。

住まいはそれこそ城でなきゃならねぇだろう。それが、近所に住んでる?

お抱えの庭師や使用人の家族とか?

だとしても、自慢の兄ってのがまた・・・・・・。

如何にも庶民的な響きじゃねぇか。

王侯貴族ならもっとこう、”素晴らしい兄君だ”とか、”兄王様の足を引っ張らぬよう、礼節には気を付けねばなりませんよ”とか、そういう言葉遣いだけじゃなく、鬱陶しい要素が付きまとうのが正しい・・・気がする。

どこか他人事ではあるが、それでも確信めいたものを感じる。

冒険者にしてはおかしな感覚、だとするなら教師? 声を掛ける側だったら使用人もあり得るか?

そういう貴き人が近くに居たのかもしれねぇが、それはそれで違和感が。

そう、例えば話し言葉だとかな。

これは子供相手だからとかじゃなく、性分だと思う瞬間が何度もあった。

その割には、王侯貴族だなんだに刺激を受けねぇあたり、ちぐはぐだな。

そうならそうで顕示欲でもありゃぁわかりやすいのに、嫌悪感ぐらいしかわきあがらねぇのはなんなんだ。

俺は何者なんだ?

『おうさまって、どうやったらなれるとおもう?』

『・・・そうだな。一番は生まれついての資格だろう』

『しかく・・・?』

『王族に生まれること、その血を引くことが大前提だ』

『どうして?』

『どうしてって・・・そりゃぁ―――』

言葉にしようとして、固まる。

なんでだろう?

ただ漠然と、そういうものだとして受け入れている。

『・・・そういうもんだから、じゃねぇか?』

『そう・・・、なのかな? でもだったら、おにぃちゃんは、おうさまにはなれないんじゃないかな?』

『それはつまり――』

『おにぃちゃんはおにぃちゃんだもん。おうぞく? なんかじゃないよ!』

『それは・・・複雑な事情でもあったんじゃねぇか? 養子だとか』

『そんなはずないもん! わたしのことをしかるときに、おかぁさんよくいってたよ! あんたはおにぃちゃんとくらべてこうだったって!』

良くある話だ。片方が養子だからと、ないわけでもないだろう。

特に、年が離れていれば尚更。

『そのなかでも、よくいわれたのが――』

そんな考えを打ち砕いたのは、

『たまごのときから、あんたはねぇ・・・って! だから、おにぃちゃんはおにぃちゃんだよ‼』

母に共通する躾文句だった。