作品タイトル不明
転々点
「汝らを降ろさなければ戦えぬというのに、そのために着陸などしようものなら集中砲火。これではお手上げではないか・・・・・・」
ハァ・・・と口を大きく開き息を落とす龍王。
「昇降はどうでもいいんだよ。降りるだけならどうとでもなる。さっきから言い続けてるが、問題は移動の方だ」
「降りるだけならどうとでもなる・・・という部分も気になるが、移動について。これ以上なんの問題があるというのだ?」
「最初に説明した通り、精神操作の影響を考えて、4頭と元凶は近付けたくねぇわけだが。俺達は元凶のところへ行かなきゃならねぇ。逆に、お前の方は4頭を押さえつけ、俺達と引き離す役になるが、俺達とお前らドラゴンの移動速度には天と地ほどの差がある。俺達が降りた場所から元凶までの距離が遠すぎれば、お前が4頭の相手をする時間が長くなるのはもちろんのこと。他の操作された奴らが妨害に来る可能性が高い」
もう一度、問題を再確認させることで表情が変わる。
「そうか・・・何もドラゴンだけが奴の手駒ではなかったな。逆に、近くへ寄り過ぎれば合流を促すと」
「そういうことだ。遠すぎず、近すぎねぇ距離が理想だが・・・それがどの程度の距離なのかがわからねぇ」
「降りる方法についてはどうするのだ? それがわかっていれば、何か思いつくこともあるだろう」
「飛び降りるさ」
「飛び――ッ⁉ 無茶以前に、我の魔力障壁のことを忘れておるな⁉ 我が息を合わせねば壁に叩き付けられるだけになるぞ⁉」
表情に落ち着きのない龍王をジーナがつつく。
「忘れているのは君の方じゃないかな? そこに居る彼は、君の魔力障壁をすり抜けて、君に勝った化物だよ?」
まぁ、間違ってはねぇが・・・化物呼ばわりは心外だな。
「攻撃魔法と違って俺達を移動させるだけなら難しくはねぇし、着地の方法も要領は同じ。空中から地上に移動するだけだ」
「そうは言うが、頃合いを間違えれば我と激突することにならぬか?」
「それならお前が上昇する瞬間に合わせて飛び降りればいいだけだろ。4頭のドラゴンについても、位置と動きを観察してりゃ離脱の隙ぐらい幾らでもあるはずだ」
「なるほどな。慣性については無視できるだな?」
「無視じゃなく対策できるってだけだが、結果的に言えばそうなる」
「着地法も聞いて良いか?」
「この魔法道具を使う。こいつを壊れねぇように強化してから地面へ向けて投げつける。そうすりゃ俺達より先にこの魔法道具が地上へ到達するわけだ。その後、この魔法道具の位置へ俺達を移動させる。重力落下の方は風魔法でいくらでも低減できるからな」
俺の言葉を聞いた龍王が目を閉じて頷くと、
「それが可能ならば、突入と離脱に丁度いい場所がある」
自信のある表情が戻ってくる。
「移動と分断の条件を満たせるのか?」
「それだけではない。強襲さえ可能だ」