作品タイトル不明
情意し、
「向かわせたのは1頭だけか?」
「・・・いや、我が送り込んだのは4頭だ」
「全員と連絡がつかねぇのか?」
「・・・・・・・・・そのようだ」
「精神魔法の対策はしてたんだよな?」
「気を付けろとは言い含めたが・・・」
「慢心だな。軽い注意で終わらせたせいか、敵を侮ったのかはわからねぇが、その結果がドラゴン4頭の洗脳とは笑えねぇ」
「まだそうと決まったわけでは・・・」
「決まったんだよ! それとも、お前の選んだ下っ端は大事な局面で連絡を無視するような間抜けか?」
「ぐぅ・・・しかし、魔法の不具合ということもあるだろう! つい先ほど習得したばかりの魔法だぞ⁉」
「おっと! 言ってくれるね? けれど、それはないよ。というかね・・・使用者である君が一番よく分かっているんじゃないのかい? 魔法が正常に発動していることを。道具を使ってるんじゃないんだ。不具合や異変なんかは、使用者にこそ気付けるはずだよ」
みっともなく言い訳をする龍王をジーナが手酷く切り捨てる。
「今の話、聞いてたよな? ここで降りてもいいと思うが――どうする?」
「確かに。尋常じゃないようだけど、どうせお前はいくんだろ? ゼネス。そして、行ったからには戦果を挙げて帰って来るんだ。お前だけにいい格好はさせられないさ。それにドラゴンが4頭増えたって、大本は1頭なんだ。数字で言うほど完全じゃないはずだ」
「そうね。乗り掛かった舟・・・っていうには、沈みそうどころか既に壊れてそうな雰囲気ではあるけど、だからって見捨てては置けないわ。ついでに、アタシはドラゴンを全力で叩いてみたいとも思ってるのよ。だって面白そうじゃない? 数が増えたんなら叩き甲斐が出ていいわ‼」
「僕も、ドラゴンと魔法で戦ってみたいと思ってるんです。前回は動きを封じるのがやっとでした。でも、この2年近くで色々試したので、その成果を見てみたいなって。強い個体と普通の個体での差も気になりますね! あ! 北大陸のことも忘れてないですよ!」
「私はそもそも望福教などという組織の存在を許していません。加護教こそが正しい教えであり、神を名乗るに相応しい存在が居るとするならば、それはゼネスさんを置いて他にいるはずがないのです。もちろん、その生き方を強要するつもりは毛頭ございません。御身心のままに。ですが、不届き者を誅する理由はそれで十分でしょう」
まぁ、ここまでに十分すぎるぐらいには制止した。
こんなことで辞めるような奴らじゃないのも知っている。
恵まれた・・・っていうには色々と極端だが、感謝しかねぇのは本当だ。
「なら、増えた敵戦力の分も考慮して作戦を立てるぞ」
「本気か⁉ 下級者といえど、ドラゴンだぞ⁉ それも4頭で1隊をなす、いわば群れなのだぞ! 我の言えたことではないだろうが、それすらも相手取るつもりか⁉⁉」
「今更、本気を疑われてもな。他に方法がねぇんじゃ仕方がねぇだろ?」
「そこまでの覚悟があったとは・・・・・・わかった。止めはせん。止めはせんが、この不祥事を招いたのは我だ。4頭の方はこちらで対処しよう」
「・・・出来るのか?」
「心配か? これでも龍王だぞ。4頭如きに引けは取らぬ」
「それ以前の話だと思ってたんだが?」
「僅かにも揺れぬ決死の覚悟を見せられて、加護が――などとこの期に及んで泣き言を盾にして居れぬだろう‼ なにより、汝の側に居れば加護を授かれるのだろう?」
「保証はしねぇぞ。ドラゴンの側にそう長く居た経験はねぇからな」
「であれば、長い付き合いを覚悟してもらおう」
ニヤリと笑うドラゴンの表情には、かつて見た覚えがない自信が宿っているように見えた。