軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

報告連絡

「なるほどな。次元をズラして魔力を目印に――・・・」

「蓋を開けてみれば案外簡単なことだろう?」

「簡単なものか! いや、口にするだけであれば簡単であろうが、実践ともなれば話は別だ。膨大な魔力がなければ目印すら作れんのだろうう? そのための虹霓玉ではないか」

「現時点ではその通りだけれどね。研究を続けていければ、その辺りを改良できる日も来るだろう。文字だけならギルドカードで似たような事ができるわけだしね」

「ギルドガードとはなんだ?」

「コレだよ。冒険者ギルドに所属していれば全員が持てる。身分証明書さ」

ジーナは実物を見せながら、さらにはメッセージのやり取りも表示する。

「ほう・・・これはどういう魔法なのだ?」

「さっきのと似たようなものだよ。違いがあるとすれば、あらかじめ目印をカードへ記録しておくことと、中継器たる魔法道具を通すことくらいだよ。この中継器には大量の魔力が保存されていて、それが目印通しの結合を仲介してくれる仕組みだ。そのおかげで使用者の魔力消費はほとんどないけれど、中継器の効果範囲を出ると機能を使用できなくなる。メッセージでやり取りできるのも、同じ中継器の範囲内いる相手だけと多少の使いがっての悪さが残っているね」

「そんな物まで作ったのか・・・?」

「古代の偉人がね。現代に存在している中継器は、原典を基に復元を試みた複製品さ。その中でも偶然、今の機能を持ち合わせる復元の方法が分かったから使えているだけで、原典にある他の機能であったり、詳しい法則の解読は遅々として進んでいない。まあ、直せるかもわからない異物を分解なんか出来ないって意見も理解できるけれど、権威のために公開や研究の機会まで減らされては進めようもないよ」

「過去の英知を失われないよう大事にするのは褒めるべき行為だろう。その代償を払い続ける価値があるかは関わった者達次第であるがな」

「さて、そんな詰まらない愚痴は置いておくとして。膨大な魔力という問題点は、君達ドラゴンなら十分に解決できる・・・というより、元より存在していないと言った方が正しいかな? 魔力量に悩んだ経験などないんじゃないかい?」

「人間とは比べるまでもないが、我々ドラゴン同士ではそうでもない。龍王ともなれば尚更だ。魔法を司るという売り文句、聞いたことがあるだろう? 同種の中で威厳を保つというのは、中々に難しいものだ。若輩ともなれば、簡単なはずがない。どのような存在、立場であろうと。悩みは消えぬさ」

「贅沢な――というべきかな?」

「視点による感想を押し付けたところで利は生まれぬ」

そんなやり取りを続けているが、ドラゴンの方は気も漫ろというか、何か別のことを気にしてるように見える。

「それで? 上手く出来ていなかったりするのかな?」

「成功はしているが、一方通行になってしまっているようでな。今、詳しい説明をして応答を持っている。相手は北大陸を確認へ向かっている下級者故、我が魔力を感知できぬのかもしれんな」

どうやら、2重で会話してたらしい。

さっきまでといい、2重がよっぽど好きなのか?

しばらくの悪戦苦闘を見守った末、

「北大陸にある人間の国は予想通り、健全な状態ではないようだ」

現状報告が上がってきた。