軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

変わった人々

「やっぱり最初からですよね! いいところだけなんて邪道です!」

思案顔を晴らしたのは王道の存在。

「私は立ち会ったわけではないので、この辺りは聞きかじりになってしまうのですが、最近の素材獲得量を牽引しているのは、S級に昇格したばかりの『進歩する歯車』というパーティー。前衛2人・後衛2人の模範編成ながら、どんな相手にも退かず、勇者の名にふさわしい戦いで切り抜けてきたそうで。そんな人達に看過されてか、多くのパーティーも追従する形で今があるようです」

素晴らしいですよね! と誇る職員へバレない程度には驚いた。

まさか初っ端から大当たりを引くとはな。

S級はそれほど居ねぇから、その内――と思ってたんだが、俺が居なくなった後も、クライフ達は頑張っていたらしい。

鼻が高いやら悔しいやら、だがやっぱり嬉しいもんだ。

「しかし! そんな素晴らしい勇者パーティー様とて、昇級後すぐに頭角を現すとまではいかなかったそうで。この『進歩する歯車』の皆様も、昇級後しばらくは低迷していたのだと聞きました。なんでもメンバーが1人減ったために試行錯誤する必要があったようです。それにしても変な話ですよね? 昇級する前後で抜ける人が居るなんて・・・B級などであれば理解できますけど、ここまで来て足手まといになるようなことがあるんでしょうか?」

最初から・・・ともなれば、そういう話にもなるよなと思いつつも、隣でニヤニヤと笑うジーナをどうにかできないかとも考える。

「そうか? 怪我でも年齢でも、冒険者をやめる理由なんていくらでもあるだろう。活動費用が尽きたとかもな」

「そういった理由で無いことはご本人様方からお聞きしました。お金の問題でも無いと思うんですよね。その程度のことなら仲間として解決してくれるはずですから。あの人達はそういう人です。本当の理由までは教えてもらえていませんので、想像になりますが・・・きっと凄く性格の悪い人だったんじゃないかなと思っています‼ だって! それぐらいしか思いつかないぐらい、『進歩する歯車』の皆様はいい人たちなんですよ⁉」

熱を帯びて、そう言い切る姿を見て、声もなく笑い転げるジーナ。

「ジーナ様! どうかなさいましたか⁉ 腹痛ですか⁉ お薬をお持ちしましょうか⁉」

「~~~っ! ―――いやッ大丈夫! なんでもっ、ないよ・・・ッ‼‼ っはぁ~~・・・気にしないでくれたまえ」

バッチリ取り繕った風を装うんじゃねぇよ!

全っ然、笑ってただろうが‼

一瞬。死ぬっ――って言ってたの聞こえてたからな。

「まぁ、よかったんじゃねぇか? そんな性格の悪い奴が居なくなって」

「・・・あっ! そうですねっ! そのせいでたくさん怪我もしてしまったそうですけど、今となってはそれでよかったのかもしれませんね」

そういえば話の途中だったと職員は思い出して続ける。

それにしても怪我か。

どんな相手にも退かず、勇者の名にふさわしい戦い・・・なんつー戦い方してりゃ仕方ねぇな。

無理はするな。

散々言い聞かせてきたつもりだったが、いざ言う奴が居なくなれば忘れちまうもんなのか。それとも、俺が無理だと思うようなことも。アイツらにとっちゃ無理でもなんでもなかったとか?

・・・嫌だな。ああ、嫌すぎるぜ。そんなことだったんなら。

つっても、それで素材の獲得量が増えてるって話を考えると実際―――。

頼りになる仲間を持った・・・そしてそれを頼りに来た身としては、いいことだと思うしかねぇか。

出鼻を挫かれた気分だな。

自分が足手まといだった事実を真っ先に知るとは。

ただ俺も。昔のままじゃぁねぇけどな。