作品タイトル不明
覚悟して撃てよ2
壁の高さは10Mを超える。
いくら手前に堀があるとはいえ、瓦礫は対岸にまで降り注ぐだろう。
だが同時に、その堀は瓦礫で埋め尽くされるはず。
そこを足場に全員で中へ突入する。
壁の破壊は俺の魔法射撃でいいとして・・・角度を高くし過ぎると目立つ。出来るだけ低く、それでいて中の建造物に当たらないよう方向と角度を探る。
反撃については、まずは確認が要るな。
弓兵が屋根に上がったままなら打ち下ろされることになる。
そうなったら逃亡時と同様に、魔法で壁を用意する必要が出てくる。
しかも今度は人数が人数だ。
あらかじめ用意しておくなら、ヨハンの罠を借りることになるだろう。
それとは別に、地上部隊がいるかどうかも重要だ。
いや、この壁の向こうが軍事施設なのは、もう確定事項だ。
地上部隊は居る。考えるべきはその規模。
各門にも兵士の姿はあったって聞いたが・・・それ以外も居たようだしな。特に奥まで侵入を試みたキューティーによると、半分ほどは一般人だったと。
そうなると結構な数が兵舎に残っててもおかしくねぇ。
500・・・1000人単位もあり得るか?
とはいえ全てを展開出来るわけでもねぇだろうし、ぶつかる数は半分以下。
悲観するほどのことじゃねぇよ。
直接対決をするってわけでもないんだ。
弓矢対策の壁を分厚く、頑丈にして両方へ対処するか?
そうなると核に使う罠の回収に困るが――・・・それ用の魔法を教えるか。消費魔力が多いんだが、まぁ受け渡せばいい。
それならいっそ、壁の起動方向を移動先に合わせて、強引にでも駆け抜けるってのはどうか?
悪くない。
教会の方角と繋がる通路は・・・問題なさそうだな。
となると次は追撃対策だ。
殿が応戦はできねぇからな。数が減るのは避けたい。
使った壁で蓋か・・・出来なくはねぇが、通路の入口は一箇所じゃねぇ。それにあちこちで繋がってるから効果は薄い。
結界までの距離が正確にはわからねぇから無理だとは言わねぇが、万全には遠いだろ?
結界の効果は人除け。条件は教会の関係者だ。
兵士であっても教会に関係してなきゃ追えねぇはずなんだよ。
そりゃ中にはそういう奴もいるだろうが一握りだ。
そうじゃなきゃ権力者の避難路として使えねぇよ。
言っちまえば夜逃げみたいなもんなんだ。
権力者が下々に対して、常に優良であるかはここで議論してもしょうがねぇが、兵隊ってのはいつだって最前線に送り込まれるもんだ。追手になる可能性のある存在を自由に通行はさせねぇさ。
だからそこまで行けば、多少時間をかけて応戦してもよくなるってわけだ。
圧倒的だった敵の数が減るんだ。被害も抑えられるだろ。
そのために時間を稼ぎたいって話で――・・・なに? 水?
なるほど、道の狭さと入り組んだ地形を利用するのか。
流されなくても脚は取られる。疲れ知らずの人形だったとしても、効果はあるだろうな。