軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

覚悟して撃てよ

「仰々しい儀式と小難しい話はあれで終わりかよ?」

「あぁ。それよりジェイド。お前らはよかったのか?」

「別に。あんなもん気休め程度だろ?」

「まぁそうだな。元が精神的な話だから仕方ねぇんだが・・・」

「そんなことより、もっと目に見える問題が残ってるだろ」

俺とユノ。そして残った兵達から距離を取って、仲間内で固まっていたジェイドは、見ろとでも言うように視線を問題へ向ける。

「どうすんだよ? この壁。どっから入る?」

目に見える問題とはこの都を覆う石の壁に違いねぇ。

入り口は守備を固められた各門であり、しかもジェイド達はおろか100人掛かりだったケイの部隊でさえも、突破が出来なかった箇所である。

これは大問題だ。

「アンタならあの状態の門でも突破出来るのか?」

「俺1人ならやり様はあるだろう。それこそ、次元魔法を使えば通り抜けるぐらいは容易だ」

お互いに干渉できなくなる魔法だ。使えばどんな守備も素通りできる。

つっても、素通りできるだけで半透明な姿は見えるんだから大した意味はねぇけどな。操られてるだけのここの守備なら、追跡されなかったり、逆に全員が綺麗に釣れることで、完全で安全な誘導が成功する可能性もあるかもしれねぇが、消費魔力と天秤にかけて考えると、それだけの価値があるとは思えない。

「俺達も一緒にってのは無理なんだな」

「やったことがないからな。今ぶっつけでやるほど追い詰められちゃいねぇだろ?」

「なら登るのか? ヨハンから聞いたぞ。屋根伝いにここまで来てから降りたんだってな? それが出来るなら、登ることだって出来るんだよな?」

「時間を掛ければ出来るんじゃねぇか? 登ったところで無防備になることを除けば、現実的な話ではある」

「無防備って・・・そのまま降りようとするからだろ? 屋根に飛び移ればいいだけじゃねぇか」

「ヨハンから聞いたんじゃなかったのか? 俺達は射掛けられたんだぞ? 同じ場所から登ってみろ。見張りが残ってりゃすぐさま矢が飛んでくるぞ」

陣地も遮蔽もない状態で矢を防ぐのは難しい。

かといって、避けろってのも無茶だろう。

だからこそ防壁なんてものがあるわけだしな。

上の状態を見てきたことで、落石や投石の類がないことを知ってる分にはまだマシだが、それでも。おいそれと選べるわけがえぇ。

「だったら――」

「やることは1つだ」

これは大問題になる。

後の始末が大変だからな。

既にリミアからの情報でこの壁に崩落の仕組みがあることを知っている。

当然、そうなった際の段取りや手筈だって。代々引き継がれ、磨き上げられてきたはずだ。本来のままであれば。

しかしながら、今この地の人間は操られている。

そんな状態で、記憶の通りに動けるのか? という問いは、名前も知らない先輩教師の件で否定されている。

各人の記憶を基に自由に自動で行動させられるなら、あんな扇動役は要らねぇからな。意識や感情を取り上げる必要もない。

とすりゃぁ考えるべきは、内部の構造と目指す所までの道程。

同じ場所から登るだなんて、といった手前で不本意だが。ここから仕掛けるのが最善か。

この壁の内側には演習場なのか広い空間がある。大人数で移動するにはうってつけであり、目指す教会までもそれなりに近い。

反撃を想定した上で、崩落の影響範囲も考えて―――。

「この壁をぶち抜く」