軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

省みて敵を見よ3

「俺達は・・・どうなるんだ? どうすればいいんだ! 何が正解なんだ⁉ あんたは、この悪夢を・・・終わらせられるのか?」

「元凶をどうにかすれば、ここでの問題は解決するさ」

「俺達は、ああならなくて済むのか? この町も。元に戻るって?」

「恐らくな。似た症状の人間が元に戻った例が直近にある」

帝国で似たような立場にあったローランは、その後に目を覚ました。

「なら、俺達の故郷も・・・?」

「そこまでの保証は出来ねぇ。実情を知らねぇからな。希望を持たせるだけの言葉なんざ無い方がマシだ」

「そんな・・・・・・」

「ただ、ここで元凶を討てれば――結果は見れる。その可能性を感じるかはお前ら次第だ」

北の大陸にあるっつー故郷がどうなってるのかを俺は知らねぇ。

だから、安易に助かるなんざ言えやしない。

操られた人間がキチンと生活を続けられているかさえ・・・。

もしそうでなかったなら、既に―――。

「それじゃあ報酬無しで戦えって言ってるのと同じじゃねぇか」

「報酬なら既に手にしてるだろ?」

「この間の奪ったやつか? あんな程度で――」

「それだけじゃねぇよ。セイルスルーでの暮らし、職、安全と権利だ」

「そんなもん。今ここで逃げたって変わらねぇじゃねぇか!」

「そうか? 敵前逃亡する兵士なんぞ要らねぇと思うがな」

「・・・・・・脅しか?」

「事実だ。戦うべき時に逃げ出すような奴を兵士として雇わねぇだろ?」

非情かもしれねぇが、兵士や兵隊ってのはそういうもんだ。

戦って命を失うか、逃げて名誉と立場を失うか。選ばされる時もある。

「・・・元凶を討つったって、何すんだよ・・・?」

「教祖を殺す」

「たった1人消して、それでどうにかなるのかよ? こんだけの規模で人をおかしくしてるのが、その教祖1人だけだとでもいうつもりか⁉」

「そのたった1人を消すだけに、俺達はこうして苦労してんだよ。それに、教祖は人間じゃねぇ。1人でもそれだけの事ができる存在だ」

「なに?」

多少迷ったが言われた通り、人の手1つで引き起こせる規模の話じゃない。

「先に言っておく。教祖はドラゴンだ」

「なッ⁉ ドラゴンだと⁉⁉ 大法螺じゃねぇか‼‼」

「残念ながら嘘じゃねぇ」

「ならこの狭い壁の中に、そんなデカい図体どうやって隠してんだよ‼‼」

「身体は来てねぇんだよ。精神だけだ」

「精神・・・?」

「人形みてぇに操るのと違って、自分自身を乗り移らせてんのさ。教祖の体にな」

「そんな話が信じられるか‼‼ 証拠はッ⁉⁉」

お手本のような反応だ。

この時のために・・・ってわけでもねぇが、モノマネが活きる。

自分の瞳に竜の眼を投影して実際に見せる。

「こういう眼だ。竜の眼。見た覚えは?」

「ッ⁉⁉ ・・・・・・ねぇ。けど、」

ハッとしたようかと思うと振り返ると、その先にいた男が答える。

「ああ、絵画を見て、聞いたよな。確か、司祭様は・・・」

「黒い布で瞳を隠して、生涯。誰にも決して見せなかった」