作品タイトル不明
結策2
「その後が俺様達の出番ってことでいいんだよな?」
「そうだが・・・順番で言うなら、お前らは最後だぞ」
「最後? って言っても、他に誰がなにすんだよ?」
「ケイ。お前には兵を引き連れて東門から襲撃してもらう」
「あたしら全員でかい?」
「・・・ジェイド。お前、何人までなら言うこと聞かせられる?」
「は? 俺様が?」
「学園ではデカい顔してたんだろ?」
「間違ってねぇけどよ・・・あんなのは遊びだろ? 精々10人とか――」
「――20人‼‼ 20人までなら、私が‼‼」
遮るように斬り込んできたのは、意外過ぎるケイト。
「・・・・・・」
「大丈夫ですわ‼ ケイトの努力は私達が保証しますので‼‼」
「少しは信じて任せてくれてもいいんじゃないかしら?」
面食らってなんとも言えないままケイトを見つめていたら、キューティーとエイラの両名が脇を固める。
「その努力の内容ぐらいは聞いてもいいか?」
「ケイトは戦争になると聞いた時から、兵法書を読み漁っていましたの‼‼ それはもう! いつにもまして読書の虫でしたわ‼‼」
「当然ながら私達だって、それだけでなんでも出来るようになる―――とは思っていないのだけれど、それでも基本さえ知らないよりはマシでしょう? それに、実践とまではいかないけれど、1対1で試してみたりはしたのよ? 決して。悪い結果じゃなかったわ」
「誰と誰で戦ったんだ?」
「私とキューティーで」
「どっちが勝った?」
「私が負けたのですわ‼ エイラが肉弾戦を覚えてからしばらく経ちますけれど、初めての経験でしたの‼ 悔しいったらありませんわ‼‼」
「指示を理解できたエイラの頭が良かっただけの可能性は?」
「・・・それは暗に私がケイトの指示を理解できなかったがために負けたと、そうおっしゃっているのではございませんこと?」
そういうことには気付くんだな。
「頭が悪いのにそういうことには気付くんだな・・・みたいな顔。やめてくださいます⁉ 確かに咄嗟の理解力には欠けるかもしれませんが! 決して私は馬鹿ではございませんことよ⁉ 私、秀才と呼ばれ続けてきたので!」
「成績だけで言うなら、キューティーは私やエイラより良かったのは本当。戦い方がちょっとアレだったのは、それでも負けたことがなかったから――でも、今回はエイラが私の作戦と指示で勝てたから、多分、大丈夫・・・のはず、です」
どんどん尻すぼみになる所は信用ならねぇが、やったことがないことに対して、不安だと感じることも、自信を持てないのも、おかしなことじゃねぇ。
「20人は思ってるより多いぞ? 声も通らないかも知れねぇ。それでも、やるのか?」
「・・・やります! 他に、私意外に。出来る人はいないと思うから!」
ジェイドには仲間の管理を任せ、指揮はケイトに。
東側の兵数は残りの全部と言うことになった。
「それで? 先に仕掛けるってのはいいんだけどね。あたしらは何を目標とすればいいんだい?」
「敵の戦力を釣り出してほしい」
「釣り出すってことは、攻め込むわけじゃないんだね」
「ああ、流石に80人そこらで攻め入ったところで、大した効果は得られない。使い捨てにしねぇとも言った手前、無茶なことはさせねぇよ。門を占拠した後は、仲間を待つ振りでもしててくれ。ルーヴェント領での稼働人数を知ってりゃぁ80人は少ないと思ってくれるだろ。知らねぇんなら、それはそれで警戒するはずだ」
「なるほどね。了解だよ」
「俺様達は?」
「お前らは南門だ。東門と違って中央の広場まで攻め入ってもらう」
「大した効果は得られねぇんじゃなかったのか? こっちは80人どころか、その半分にも満たねぇけど・・・いいのかよ?」
「目的が違うからな。騒ぎを起こして門を占拠するのに中まで攻め入っても、何かできるわけじゃないだろ? 敵を引っ張り出したいのにこっちから押し込んだって無駄な労力にしかならねぇよ」
「なら、俺達は何をするってんだ?」
「兵舎から東門へ向かう領軍を脇から叩いて足止めするんだ」
「足止め? なんのために?」
「嫌がらせのためだ」
「嫌がらせって・・・そんなハッキリ言うことか? 俺様はてっきり、敵陣を食い破るためとか、そういうのを期待したのに・・・」
「こっちの数が少ない以上、そういうわかりやすい活躍より混乱の方が欲しいんだよ。隙を作っていかなきゃならねぇんだからな」
「それに敵陣を食い破ってどうするつもりよ? その先で孤立しちゃったら意味ないでしょ? 私イヤよ? 味方に助けてもらうまで、そのまま身動き取れないなんて」
「ぅぐ・・・それは――そうか。でも嫌がらせだけってのもな・・・ってか、居残りなのは同じなんじゃねぇか?」
エイラの突っ込みにジェイドは怯むが、状況を整理してふと気付く。