作品タイトル不明
side――ケイト
持ってきた本を読みたいから・・・なんていう理由で、なにも疑われずに残れてしまった。
私ってそんなに本の虫かな? そんなことを言ってもおかしくないなって思われてる?
・・・・・・うん、思われてるね。
だって誰も変に思わなかったんだもん。
エイラやキューティーでさえ。
まあ、いいんだけどね? こうやって、別行動をしても怪しまれないし。気も使われないし。
それでこっそり話を聞いていたんだけど、どうしよう?
思ってたよりも深刻な話をしてる気がする。
加護Lvの降下?
そんなことがあったら―――って思ったけど、あったからこうなってるんだと仮定したら、すんなり納得もできた。
だって教会でしょ?
加護が下がったりなんかしちゃったら、迫害があっても不思議じゃない。
それくらい加護を信奉してる組織。
でも、こんなことを聞いてリミアちゃんはどうするんだろう?
きっと迷ってるよね。
ゼネスさんに伝えるべきかどうか。
けどそんなこと、私なんかに相談してくれるわけないし――・・・ううん。リミアちゃんは男前だから、私だけじゃなくて。たぶん誰にも相談しないと思う。
それに今だって私が話を聞いてるだなんて思ってもないだろうし・・・。
私が皆に伝えて、それでどうするか決める?
待って! 本人の意思を無視して話を進めるのは良くない‼
だって私だったら、そんなの嫌だから!
どんなことであっても! 私のことなら、私の意思で決めたいと思う!
じゃあどうすればいい?
ゼネスさんへは駄目でも、皆にだけは話す?
うぅ・・・でも、この本!
他では見たことない本なんだよね!
兵法書なんだけど、内容がいやに具体的というか、あったことをそのまま本にしてるみたいな・・・。
これ、お屋敷に戻ったら返さなきゃだよね?
なんでおじ様の仕事部屋にこんな本があるのかは分からないけど、今の私達には丁度いいというか、知ってて損はないはずだから読んじゃいたい。
ああ! だけど皆に伝えるなら、早く打ち明けなきゃどんどん言い辛くなっちゃう‼
帰ってすぐに打ち明けようにも、だったこの本は早く読まなきゃいけなくて・・・けど、本に集中すると会話の内容が‼
どっちも必要なんだけど‼
どっちもは私には無理なの‼
おじ様に言ったらこの本貸して貰えるかな⁉ 他では見たことない仕事部屋に置いてある本だけど‼
ん~・・・駄目な気がする。
だったら私は!
リミアちゃんを信じる‼
この本は多分、私しか読まない。
こんなに分厚い兵法書なんて誰も読まないし、読んでも覚えてられないはず‼
でも私なら読めるし覚えてもいられる! たぶん‼
全部は無理かもしれないけど、大事そうなところだけ抽出して書き写したりだって出来る‼
私達はこれから内戦へ行くんだ。
ゼネスさんも無謀な作戦みたいに言っていた。
それなら少しでも皆の役に立てるように。私も私の役割が欲しい。
この本はそのためになる!
だから私は本を読む。
決して! ただの好奇心ではない。
断じて! 本を読みたいだけじゃない‼
信じて‼