軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

自由騎士フリーダムの謎2

「次に引っかかったのが、”どんな依頼も単身でこなして、しかも報酬を必要としなかった”って所だな」

「そこは有名な話だろ? 個人S級なんていう強大な戦力が、報酬も無しに手を貸す――夢みたいな話が存在するって触れ込みだったと思うが・・・」

「昔、俺達がガキの頃の噂では、”単身で、依頼も受けず、報酬も要らず、ただ放浪する強者”ってな感じだった。現実には、街を助けた場面では報酬として酒を要求してたがな」

実際問題。助けられた側としても、負い目を感じなくていいように。報酬を要求してもらった方が楽だったりするんだが・・・ここではいいだろう。

「単身である点は変わらないのですね・・・」

「帝国出身なのを隠しながら皇国で活動することを思うと、妥当な所だな。むしろ気になるとすれば、なんでそうまでして皇国に拘ったのか―――」

「依頼を受ける、受けないの違いも気にならないか? 受けないなら、活動費はどうしてたのか? とか。報酬だって、受け取らなかった可能性があるんだろ?」

「活動費か。現状の奴を見りゃぁどうにでもなるんだろうが・・・駄目だな。酔っぱらってる所しか思い出せねぇ。いつ見ても大体、酒が入ってた気が」

不変である部分にライザードが、そうでない部分にサンが着目する。それによって、触れられなかった部分が際立って見えたのか、1つのことを思い出した。

「放浪する強者・・・・・・」

「どうしました? 自分で言ったことじゃないですか」

「そうなんだが―――サン。1つ聞きたい。お前は個人S級冒険者について、どこまで知ってる?」

なにを急に? と首をかしげるのは聞かれたサン本人ではなく、俺の言葉に反応したライザードの方だった。

サンは少し考えてから簡潔に答える。

「チャード集合国が代表する冒険者で、その実力が確かなこと。後は色んな権利を持ってること・・・くらいかな?」

「そうか・・・」

「それがどうかしたのですか? この僕にもきちんと説明してくださいね」

「南の霊峰アドレスにドラゴンが襲来したのは知ってるよな?」

「当然知っていますが・・・それがどう関係すると?」

「もちろん、俺も冒険者だからな」

そうだよな。だったら話は早いか。

「その時、俺は冒険者ギルドの代表から直々にS級の誘いを受けた。まぁ、もう引退したからっつー理由で断ったわけだが、その時の条件の1つに。”特定の場所を管轄すること”ってのがあったんだ。それ以外には、サンが言うような権利だかの話もされた。けど、よくよく考えりゃおかしいよな? 自由騎士は皇国を活動拠点にしてたんだぜ? じゃぁ皇国もその管轄の範囲なのか? っていやぁ、フリーダム以降に個人S級が名を馳せたことはない。なんつーのは不自然だ。ここから導き出される答えとしては、フリーダムの奴がなにかやらかした結果、個人S級冒険者を国外に出さないようになった。あるいは、制御できないフリーダムから個人S級の資格を剝奪したって事になる。2代目が居るのはそれを悟らせないためか、もしくは制御できるようになったと思わせるための証明か・・・」

どう思う? と――そう聞くまで誰も俺の言葉を遮らなかった。どころか、聞いてもなんの反応も返ってこず、不審に思って勘案に行かせていた視線を動かすと。

「個人S級に誘われた・・・? ギルドの、代表から?」

「ん? あぁ、あの―――そういえば名前はちゃんと聞いてなかったな。ヴィーちゃんとか呼ばれたが、本部のギルドマスターを名乗ってたし、代表で間違いないと思うが・・・」

「なぜ、断る必要が? 引退など取り消せばいいでしょう。それとも、それほどまでに教師をやってみたかったと・・・そういうつもりですか?」

「辞めた後に。餌ぶら下げられたからってそれに飛びついて舞い戻るなんざ、未練がましいとは思わねぇか? なにより、勧誘の時の態度が癪に障った。理由としちゃ十分だと思うが・・・」

なんというか、全く予想しねぇ方向に話が逸れちまったな。

質問には答えちゃ見たが。呆けてる感じで、俺の言葉を聞いてるってわけでもねぇし、どうしたもんか? と考えたが、結局。各自が正気を取り戻すまで待つしかなかった。