軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

自由騎士フリーダムの謎1

「―――という感じなんですけど・・・ゼネスさん?」

「ん?」

「今までの説明に間違いはなかったのか? てっきりどこかで止められると思っていたんだが・・・」

「あぁ・・・そうだったな」

「どうかしたのか?」

「いや、ちょっとした違和感がな」

フリーダムの記憶をたどれば、その違和感の正体にも気付くだろう。そう思って俺はサンがした説明の中から、おかしな点をあげつらっていく。

「まずは得意武器が両手剣って所だが・・・」

「違うのか?」

「・・・わからねぇ」

「わからない・・・ですか? 武器なんてどんな時でも携帯しているものでしょう? そんなことがあり得るんですか?」

正直な俺の答えにライザードが首を捻る。

「少なくとも俺が直接見た戦闘では使ってなかった。それに、フリーダムの得意技はシールドバッシュだ。盾を持ってる状態で、どうやって両手剣まで持つ?」

「確かに、言われればそうだが・・・バックラーみたいな小さい盾を腕に付けてたとか、そういう可能性は?」

「俺が見た限りで言やぁ、その手の盾を持ってたのは1回限りだ。その事情も特殊なもんだった。それ以外で奴を見た時には毎回、デカい盾が近くに置いてあった。なにより2代目のフリーダムも同じくデカい盾を持ってやがったからな。偶然ってことはねぇだろう」

「重装備なら盾を持たなくても納得できますし、それで噂が歪んだのでは? それにしても、重装備に盾まで・・・というのは少し極端な装備ですね?」

「そうですね。でも剣は持っていたはずですよ? さっきも説明した通り、剣術が流行りましたからね。もし剣さえ持ってなかったのなら、流行るのは盾術になってますよ」

それはそうだ。無手流というのもあるにはあるが、アレはもう武術だ。剣術として流行ったりはしねぇだろう。

「サン。お前もフリーダムにあこがれて剣を選んだのか?」

「違う・・・とは言い辛いけど、それだけじゃないさ」

「だが、少なからず興味はあった――なら、流行ったのがどんな剣技だったのか知らねぇか? 真似ただけの偽物だったってのは分かったんだろ?」

「偽物だって知れ渡った経緯なら知ってるけど、中身までは・・・・・・。タンはなにか覚えてないか?」

「すまない。師匠に忘れろと言われた」

「だそうだ。一応、経緯としては。当時、南の領都セイルスルーで流行っていた剣技を見て、『そんな剣技があるもんですか。見てくれだけ真似ればいいという思惑が透けていて、目に入るだけで不愉快になります』と、そう言い放った人が居たんだ」

そりゃぁまた随分と剛毅なこった。

「で、その人は女性だったんだけど、当然口論になるよな? 結果として。その女性が、流行りの剣技を教えていた人・・・つまり、その流派の師範を僅か一閃で降して。しかも女性が使っていたのが木の枝だってことで、実力以前の問題だという女性の主張が周囲にも露呈したんだ。なにより、これに似たような話が各地であったらしくて、以降アレは偽物の剣技だった・・・という運びになったんだ」

「その人が私の師匠だ。ほんの少しの教えしか得られなかったが・・・」

「ほんの少し?」

「サンが言った。あちこちで同じようなことがあったって。たぶん全部師匠のせい」

「フリーダムを真似ただけの流派を各地で潰しまわったってことか?」

そんな火消しのような真似を? わざわざ? なんのために?

そう言った疑念と同時に、その師匠と呼ばれた人物の心当たりに震える。

・・・・・・まさかな。

話がフリーダムという本題からズレ始めたことを認識し、意図して意識を呼び戻す。

「まぁそれは取り敢えずいいとしても、フリーダムの剣技を皇国内に流行らせるわけにはいかなかった――って考えると、その理由は帝国流だったから。それならフリーダム自身が剣技を封印してもおかしくはねぇ。アイツは名前すら公表してねぇ冒険者だったからな」

そう、通称こそが自由騎士フリーダムである。