軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

チキチキドンドン

「少し長くなりますガ、よろしいですかネ?」

「好きにしろよ。信用とまでは言わねぇ。納得できるだけの理由があれば、それでいい。どうせ、帝国には行かなきゃならねぇんだ。能力や知識に異存はねぇからな」

「心得ました。ならば、まず部族というものについて、お話しさせていただきましょうカ」

数多の羽飾りを1つ取り、机の上に置きながらトンチキ行商人が語る。

「ミョヒリー共和国における部族トハ、いくつかの氏族が集まってできた共同体のことを指すんですヨ。この国で例えるなラー、村や街になりますかネ。それの繋がりが強いものを部族だと思っていただけれバ、いい感じです」

「っつーことは、氏族ってのは――」

「そのさらに小さいモノ。家や家族が近いでしょうカ。氏族は全員同じ名前を使いますしネー。我が部族はガー、ネー、イー、ハー、トー、ヨー、ニーの氏族が集まってできてますヨ。それぞれの氏族は親戚だと思ってください。1番ではありませんガー、大事だと思ってる。そのぐらいの関係だトー」

聞き捨てなんねぇことを言ってるが、問い質すのは後だ。

「そして、ミョヒリー共和国というのは、互いの部族・・・街同士で提携を組んで出来上がった国なんですネー。協力デハなく、提携という言葉を使うのハ、ここまでの話で出たように、部族間では不可侵の条約を結んであるカラ。ですネー。敵じゃなくなっただけデ味方にはなっていなイー、そんなところでしょうカー。仕事上の付き合いと言ってもいいかも知れませんネー」

「切羽詰まった時でさえ、そうなのか? 帝国からの干渉についても?」

「そうですヨー。基本的に対価を決めてからしか動きません。といっても、長い付き合いですカラー、相場も既に固まっているので、昔よりは柔軟ですガネー。帝国からの干渉も、正直に言えば他人事だと思ってましたヨ」

「思ってた・・・が、そうじゃなかったと」

「エエ。この際なのでハッキリ言いますガー。我が部族の人間がいいように使われていると聞いてしまいましてネ。それをどうにかしたいのですヨ」

「そいつはトーって名前の連中か? それとも、他にもいるのか?」

「ご存知でしたカ・・・今のところは、トーの氏族だけだと聞いてますネ。ですガ―――」

「実際にはわからねぇ・・・と?」

「正にその通り。裏付けが欲しくて色々と調べたのですガ、帝国の干渉があってカラ、どうにも我が部族の人間が多く、この国に移住している様デ。その氏族もトーに限らず・・・」

「最初からそれを打ち明けなかったのは?」

「それこそ信用の問題ですネ。そちらのお嬢さんのこともありましテ」

「まぁ、妥当だな。だが、今打ち明けたってことは・・・」

「貴方の信用を得たいというミーの心の現れですネー」

「つまり、部族の人間の解放。それがお前の得だってことか」

「おっしゃる通り。出来る限り速やかに、我が部族の人間を回収したいのでですヨ。そうでなければ、我が部族は共和国での立場を追われかねない」

なぜ――って聞くのは違うんだろうな。

確信があっての言葉であるなら、こう聞くべきだ。

「なにが起こる?」

「帝国の動き次第ですガ・・・。もし、帝王が空位のままに望福教が台頭してしまうような事態になると。ミョヒリー共和国は皇国へ、戦争を仕掛けることになるでしょうネ」