軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side――バロン

やり辛いな・・・・・。

そう感じていた。

――ずっと。

それは今に始まったことじゃないのかもしれない。

もしかしたら、生れた時からなのかな。

出来ないわけじゃないんだ。

出来ないわけじゃないけど、やりたくない。

だから、やり辛い。

このゴブリン討伐だってそうだ。

洞窟から飛び出してきただけのゴブリンを一方的に・・・・・・。

ゴブリンが可哀そうだなんていうつもりはない。

ないのだけれど・・・、

これじゃ処刑の時とおんなじだ。

僕はまた、みているだけだ。

叔父様もわかってたのかな?

だから移動の時と同じ班で戦闘にあたれなんて言ったのかな・・・。

僕の班にはライザード殿下が居る。それにエイラスも。

2人は魔法が上手だ。

教室の1番こそビューティーだったけれど、殿下もエイラスもそれに次ぐ成績を誇る。

4人1班で残りは僕と、僕同様に魔法が苦手なジェーン。

僕達も魔法を撃つ。手を抜きたいわけじゃないから。

けれど、当たらない。

いや違う。

当たるころには狙ったゴブリンはもう生きてないんだ。

こんなの―――なんの意味もないじゃないか‼

むしろ! むしろ・・・あの時に見た、観衆の醜さを感じる。

叔父様が嫌っていたはずの、あの醜さを。

叔父様は僕がああならないように、わざわざ処刑の役を代ってくれたんじゃなかったのかな?

それとも意見が変わったのかな?

僕の考えが、認識が間違ってるんだろうか?

ふと周りを見渡せば――どうしても被る。

あの時に見た。あの光景と。その時の表情と。

安全なところから、誰かに危害を加えることを喜ぶ様。

生き物が、命が尽き果てる瞬間に興奮する醜悪な顔。

この異様な空間を。

叔父様は嫌っていたんじゃないかったの?

そう聞きたい。聞いてしまいたい。

でも、それはできない。

誰よりも前に立つ背中に、迷いがないから。

叔父様は優しいから、聞いたら答えてくれるだろう。

僕が望まない答えを・・・・・・。

けどもっと、なにより嫌なのは――――そんなことを考えているくせに、あの頃からなに一つ成長していない自分自身だ。

どんなことでも、出来ると思ってる自分がいる。

なのに。どんな時でも、やりたくないと思う自分もいるんだ。

本当は、なんにも出来ないんじゃないのか?

自分を疑うたびに、そんなはずがないと心だけが叫んでる。

今だって・・・・・・。

そこへ、

「ようやくお出ましですか」

殿下の声が聞こえた。

いつの間にか沈んでいた視線を洞窟へと戻す。

そこには大きな体のゴブリンが、肩を落とし、震えるように佇んでいた。

ただ俯いているだけなのに、その姿は抗っているように見えた。叫んでいるように見えた。

なぜ、こんなことをするんだ・・・と。

怒り狂っているように見えた。

「手早く終わらせましょうか。実戦というには少々手ぬるい環境でしたが、得難い経験もありましたし、楽しめはしましたね」

危ない気がした。

殿下の発言には油断があった。

だから僕は止めたんだ。

だっていうのに――!

「この僕に命令ですか? ここまで、なんの役にも立っていない貴方が? 活躍している者からの言葉であれば、この僕にも聞く耳くらいはあるのですが・・・・・・貴方はなにをしてたんです?」

殿下は目聡く見ていたんだ。

僕の魔法の軌道を。その成果を。

確かに喧嘩はしていたけれど・・・心配したのに‼ なにかあったらって‼ そう思って‼‼

その言葉が、我慢ならなかった。

そう言うのなら――‼

僕は僕に出来ることをやってやる‼

この手に剣を抜き放って前に出た。

投げやりになってたんだ。

槍なんてこの手に持っていなかったのに。