作品タイトル不明
side――ジーナ・V・マーラグ2
なるほど。
ケイト・M・シークマと言うんだね?
そして、君はそこにいるゼネスの教え子で、私を尊敬していると。
あぁ! 見つけた時に迷惑そうな顔をしていたのは、私の真似をして教師のようなことを始めたから、それを知られたくなかったせいだね?
いやなに。君が私を意識していることは知って・・・なに? 違うだと⁉
おかしいじゃないか! 君の周りにそんなことをしている人物は他には―――教官? またあの教官の話かい?
以前から話に聞く限り、君が未熟だったころに出会っただけで、それほど優秀な人物だとは思わないのだけれど・・・・・・。
ん? そうか!
「君は教官という人物に会ったことがあるのかな?」
確か教官とやらは皇都にいたはず。そこで出会ったと聞いた覚えがあるからね。
ならば、冒険者としてゼネスに鍛えられたケイト君なら、なにか知っているんじゃないのかな?
そう思って聞いてみたのだけれど、
「え? 教官・・・ってギルドマスターのこと、ですよね?」
大当たりだ!
ギルドマスターか。
本部からは遠く離れた場所で。とはいえ、管理職に充てられるのならそれなりの人物なのだろう。
だが、私と比べて。どちらが魅力的だろうか?
「も、もちろんジーナ様です‼」
聞き間違ることなどないほどのハッキリとした答え。
どうだい? 聞いただろう?
そうして視線を送ろうとも、ゼネスは正論ばかり返す。
いいや。君の言う通り、1人の意見を全てに客観視というのは無理がある。
それは認めよう。私も研究者だからね。
しかし、なにがそんなに不満なんだい?
私に憧れを抱くことはそんなにおかしいことかな?
ちゃんと結果も残しているし、それによって立場や権力も有している。
非難されることなんて・・・ッ⁉
しまった‼ そうだ、君は冒険者だったね‼
そこを突かれるのはやぶさかではないね!
私は冒険者の資格は持っているけれど、活動は他の仲間に任せている。
私がしたいのは魔法の研究であって、冒険じゃないからね。
たまに実験として出向くことはあっても、真剣に取り組んでいるとは言えないか!
しかも、研究のための資金なんかも、冒険者ギルドのお偉いさんから受け取っているから、それが駄目だったのか⁉
いや、でも待ってほしい!
貴族としてなら、研究者としてなら、どうだい⁉
それなら君も私のことを認めざるを・・・って⁉⁉
け、け、結婚のことは君には関係ないだろう⁉
それに研究者としての私を無視するだとッ⁉
そんなことをされたら私の価値が――ッ‼
気が動転して言わなくていいことまで言った気がするが、どうだろう?
私に対する評価を改める気にはなったかな?
見習うべきところもあったはずじゃないかい?
「あぁ。今のてめぇみたいに醜態をさらさねぇよう、気を付けるべきだと思えたよ」
落ち着け! 落ち着くんだ、私!
このままでは逆転する手段がない。
要はきっかけさえあればいいんだ!
幸いにも第三者であるケイト君もいる。
状況さえ作れれば、こちらの言い分を飲ませることくらい簡単さ!
そう! 話の内容を逸らしつつ、
「「助けてくれなんざ言った覚えはねぇけどな」」
君の台詞を当てればいい。
君の言いそうなことなんて、私には手に取るようにわかるんだからね。
「あの・・・2人は、その。どういう、関係? なんですか?」
ふふふ。いい質問だね?
それはもちろん! パートナーさ‼
ん?
今、君は私のことを他人と言わなかったかい?
その”なに言ってんだこいつ?”みたいな顔もやめてくれないかな?
いいだろう! だったら私達の関係がいかがなものか‼ ケイト君に判断してもらおうじゃないか‼
ほら! 来たまえ! どうせ、君も暇なんだろう?
見ていればわかるんだぞ‼