軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side――バロン

受け取ったものはあまりにも重かった。

生まれてからずっと、僕には責任が付きまとった。

貴族として。跡継ぎとして。

それを知ったのはつい最近だ。

『次はお前の番だ』

そう言われた時、とてもじゃないけど理解できなかった。

それからはあっという間だった。

誰かに相談したくても。お父様は困ったように笑うし、お母様は立派に務めを果たしなさいというだけ。

そんなときに現れた叔父様は、

『なにが正しいかは自分で決めろ』

そう言って突き放す。

それが出来たらどれだけ―――‼ って! 言いたかったけど、それは我が儘だってわかってた。

だって・・・お父様も、叔父様も。同じ道を通ってきたんだから。

でも。

叔父様は現実を教えてくれた。

初めて牢屋の中を見た。

中はちょっと臭くて、汚くて、なんて言うか・・・どうしてこんなところに居たがるんだろう? っていうのが素直な感想だった。

罪を認めれば、償いをすれば、少なくともこのままじゃないはずなのに。

通り過ぎる間に浴びせられた声は、叔父様が事前に言っていた通り、自分にだけ都合の良いものだった。

誰も疑わない。自身の過ちを。

誰も顧みない。自身の行く末を。

それこそが正しいと、信じていた。

この時点で、僕は怖くなってしまった。

――信じることが。

僕も。同じように間違えてしまうんじゃないかって。

その先に待っているものが。怖くなってしまった。

それでも、叔父様は止まらない。

次なる扉の先には真実が待っていた。

いつか見た女の人。

なにも悪くはない女の人。

けど、その人は確かに捕まっていた。

そして恐らく、処刑されることが決まっていた。

その理由は・・・敵だから、だそうだ。

「そんな理由で⁉」

僕も同じように思った。

戦争なんて僕にはわからない。

でも、戦いなんてこの領地では何十年も起きていないらしいから、それは仕方ないはずで。領地に住むほとんどの人だって同じはずなんだ。

なのに、

「それが決まりだからな」

皆がそれを望んでいるかのように叔父様は言う。

それはおかしいと、僕は思った。

なにもしてない人が、なにも悪くない人が、そんな決まりだからって殺されていいはずがない‼

僕が! そんな人を殺さなくちゃいけないはずがないんだ‼

だってそんなことが起こるなら・・・敵にはなにをやってもいい。ってことになるじゃないか‼

戦争だからって、同じように生きてるはずの人に! どんなことをしても許されるってことになっちゃうじゃないか‼

そんなのっておかしいよ‼

敵は殺せ。国を守るために。

確かにそう言われてきたけど。

だからって、平和を望んじゃいけないわけがない。

違う国に住んでるからってだけで、仲良く出来ないなんて! そんなはずないんだ‼

だから決めたんだ。

なにを信じるか。

どうするのか。

僕の正義を!

ギラリと光る重たい刃。

両手で握って力一杯支えてみても。

フラフラ揺れて定まらないけれど。

それでも。

それでもいいと決めたんだ。