軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

目がないのとはまた違うけれど

その項に書かれていたのは、

「特別な魔道具を使用してお互いの魔力を共有する?」

共鳴魔法の詳細を記したその一部・・・らしい。

らしいっつーのも、共鳴魔法自体が古く、全盛期が300年前の代物であるが故に、正確な情報が残ってないからだ。

ガルバリオ皇国創生の200年前ぐらいまでは使われていたと、言われちゃいるが。それでも古すぎる。

中には、帝国との戦争が激化していた50年程前に兵器利用しようと情報をかき集めていた。

なんつー噂もあるが、所詮は噂。なにより、俺達の年齢じゃ当時は生まれる前だ。それについても知りようがねぇのに変わりない。

「そう。だから、共鳴魔法の可能性は・・・ある、と思う」

「じゃぁ俺とスイの実験が失敗したのは・・・」

「魔道具が、なかったから」

「で、その魔道具が・・・」

俺は足元にある倒れた罠の魔道具を見る。

なんの変哲もない。本当に、ただの魔道具だ。

それだけじゃねぇ。

これもそうだが、ガルドナットで同じように魔力を引っ張ったのもただの罠の魔道具だった。

それが特別なだとか、言われるようになるもんか?

「特別さの欠片もねぇと思うんだがな?」

「当時の技術からすると。特別、だったのかも・・・」

まぁ確かに。

200~300年前の技術がどうだったかも、わかるはずもねぇ・・・んだが。

「なら、試してみるか?」

地面に転がる罠を拾い上げ、吸いだした魔力をまた込める。

そして、同じように起動して地面に突き立て、起動したのを確認したのち、

「魔力を吸収する感覚をこいつに合わせてみろ」

ケイトに提案すると。ケイトは言われるがまま実行してみせる――が、

「ッ~~~‼ ・・・駄目。なにも、感じない」

「・・・みたいだな」

なんの手応えも無かったようだ。

「そもそも・・・ゼネス、さんが言うような。繋がるって感覚が、わからないから・・・」

そうは言うが、ケイトは変化魔法をすでに成功させている。未だに隣で練度をあげようと頑張っているヨハンを置き去りにするほど、あっさりと。

その変化魔法で使う吸収の感覚と、俺の言っている繋がるっつー感覚にさほど違いはねぇと、俺は思っている。

感覚としては、どちらも”遠方にある自分の魔力を手元に戻す”で相違ないわけだからな。

ただ、なにも感じねぇってことは、なにかが間違ってるんだろう。

顎に手をやること数十秒。

「罠の魔力も自分で込めてみるか?」

思い立ってすぐに罠の魔力をもう一度回収し、解除された罠をケイトに預ける。

「やってみる、だけなら」

真剣に悩んでいたケイトも、他に具体案が出なかったせいか2つ返事で乗ってくる。

少なくとも俺には誰の魔力かは関係がなかった。

ガルドナットの罠は誰が仕掛けたもんかも知らねぇし、迷宮の中の転移門なんざ設置された年代すらわかりゃしねぇ。

だが、それがとっかかりになるならなんだっていい。他にパッと思いつくもんもないしな。

手にした罠に魔力を充填し終えたケイトは、丁寧に罠を地面に置く。

それから、いざ! と向き合って――

「~~~ッ‼ えっ⁉」

なにかに驚き、目を見開いく。

次いで、ガシャン! と音が響く。

「え? えぇ⁉」

そしてなぜか一番驚いていたのは、熱心に変化魔法の練習をしていたはずのヨハンだった。

「上手くはいったみたいだが・・・どうだ? 繋がるって感覚はわかったか?」

「どう、かな? 変な感じは・・・した、けど」

「え? いや! そうじゃなくて! 出来たんですか⁉」

「罠に・・・込めた魔力は回収、出来た。でも・・・」

「ああ、そうか。自分で魔力を込めたせいで、総量を上回ってる状態は確認出来てねぇのか」

「そう。これだけじゃ、まだ・・・成功とは言えない」

「えぇ⁉ なんでそうなるんですか⁉ まずは喜びましょうよ‼ 凄い発見じゃないですか‼」

魔法のことになるとのめり込むケイトは、ヨハンの言葉などには脇目もふらず、この現象の効果にばかり気を取られていた。