軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

捜索中2

こんな森の中に人だかりだ。

そうなりゃ自ずと答えは出てくる。

「ゴルドラッセ‼‼」

ざっと見て100人ぐらいの部下を従えて、何者かと対峙している軍団長に叫ぶ。

「全く。困りましたな・・・・・・」

小さく吐き捨てるように言う声は。それでもなぜか、はっきりと聞こえた気がした。

「今度はいったい何の御用でしょうか?」

振り返ったゴルドラッセの顔には面倒だと書いてあるようで、

「こいつはいったいどういうつもりだ?」

「何度も言わせてもらいました通り、任務ですよ。内容は機密になりますが・・・」

だがそれは俺が、というような単純な話じゃなさそうだった。

っつーのも、

「おい‼ これはどういうことだ‼ ゲーニルの奴はどこ行きやがった‼ お前の元仲間なんだろ⁉ 答えやがれ‼」

「俺は昨日、たまたま声をかけられただけで、仲間だったのは昔の話だ‼」

「それでもどこにいるかぐらい分かんだろうが‼ それを言えっつってんだよ‼ じゃなきゃ俺達―――‼」

「だから知らねぇって言ってんだろ‼ 俺は昨日まであいつがこの辺りにいることすら知らなかったんだぞ⁉」

探していた冒険者のマッターと、いかにもゴロツキって見た目の男がゴルドラッセの部下に拘束されながら言い争っていたからだ。

「ホントにおれたちゃなんにも知らねんですって‼」

「そうっすよ! 俺達はゲーニルって奴に頼まれただけで・・・」

「だから、そのゲーニルという男はどこにいる‼ どこにもいないではないか‼」

それに、部下の方も捕らえた他のゴロツキを尋問してるが、

「だから! どこかに隠れてんですって‼ おれたちゃあそこで待ってろって! そうすりゃ迎えが来て逃がしてやるからって言われたんですよ‼」

「本当っす‼ 嘘じゃねっす‼」

「その男の見た目は‼」

「見た目なんて聞かれても、答えようがねぇんですって‼ 普通の男なんですよ‼」

「マジっすよ⁉ ちょっと顔が悪い普通の男っす‼ バンダナしてたっすから髪の色もわからないっす‼」

目的の影も捕らえられてねぇ。

「じゃぁ聞き方を変えるが、なにがあった?」

「特筆すべきことはなにも。ただ任務を遂行したのみです」

この期に及んでも、ゴルドラッセはなにも話すつもりはないらしい。

「そうか。ならそれでいいさ。ただし―――」

拘束され続けているマッターの隣に立って。

「――お前⁉」

「こいつは俺が回収するぞ? こいつは冒険者なんでな」

部下が掴んでいた縄を奪い取りながら宣言する。

驚いているところ申し訳ねぇんだが、お前の連れに頼まれたんでな。仕方なくだ。

「それは了承しかねますな。そのものは重要参考人。任務達成には必要になりますので」

「お前らの任務については俺の知るところじゃねぇな? だが、一度交わした約束ぐらいは守ってもらわねぇと、約束する意味がなくなるだろ?」

「では、証拠の提出をしていただけますか?」

随分と自信があるようで・・・と、思ったが――まさかッ‼

「おい、ギルドカードは?」

「あいつらに持ってかれた荷物の中だ」

やられた‼

「こいつの荷物を返せ!」

「残念ながらそれは出来ませんな。ゼネス様ならすでにご存じかと思われますが、ここにいるゴロツキ共は盗賊です。その持ち物となれば、当然盗品が紛れていることでしょう。しっかりと調べ上げた上で、各町の被害者へと返還しなければなりません。なので、それが”誰の持ち物であるのか”ハッキリするまでは押収品として預からせていただきます」

チッ‼ もっともらしいこと言いやがって‼

わざわざ『各町』なんて言いやがるのは、盗難被害を時系列順に調べるってことだろう。

盗難は南から北へ順番に発生してる。

だから鉄の町は最後になるし、そもそも盗品じゃねぇ荷物は返さなくても構わねぇ。被害届もねぇだろうしな!

それで文句を言える本人は拘束済み。

ふざけた話だが、軍に非はねぇことになる。

普通なら放っておいてもいい話なんだ。時間はかかるかもしれねぇが、災難だったな程度で終わる話だ。

だが、この時期はまずい。それこそ本当に”まつり”あげらる可能性がある。

そして、ゴルドラッセはそういうことをする人間だ。

必要とあれば平気で、どこまでも非情になれる軍人だ。

改めて周りを見る。

ゴロツキ数十名と、それを取り囲むように100人余りの軍兵。そして、その軍兵共を指揮する軍団長が1人。

軍団のどれだけを連れて来ているかは知らねぇが、先日の野営地には少なくともこの倍はいた。

このまま相手取るのは下策。かといって、マッターを捨て置くわけにもいかねぇ。

・・・・・・仕方ねぇ。

言い訳は後だ‼

ジェイド達の方も動き出してる。

後れを取れば、命取りになる。

俺はこの腕には鎧った籠手に魔力を込めて、力強く構えた!