軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

苦情殺到2

「そもそも! ギルドに依頼がねぇのがおかしいんだよ‼」

冒険者ギルドのロビーに響き渡るジェイドの苦情。

「ちょっと! うるさいわよ!」

エイラが素早く抑さえるが、しかし。

それを諫めるような奴は他に誰もいねぇ。

「別にいいだろうが! どうせ誰もいやしないんだからな!」

「そうですわエイラ。他に人がいないのであれば、多少騒ぐくらい問題ありませんわ!」

そう。ジェイド達の言う通り、このギルドは閑散どころか、ほぼ無人だった。

唯一、ご年配の職員らしき人物が受付で申し訳なさそうにしている。

その人物がこちらの様子を窺いながら、なにか言った方がいいか? と気をもんでいたので手振りだけで”気にするな”と断っておく。

「そうじゃねぇだろ? 問題はお前らの方にある。個人で依頼が貰えねぇ冒険者に先はねぇぞ?」

ここのギルドが特殊だってのは間違いねぇが。冒険者として、個人的な依頼がねぇってのはそっちの方が問題だ。

「そう言われても。相手にされないのであれば、対処の仕様がないのですが?」

あの時点で機嫌が悪かったリミアだが、その言葉にはさらなる棘があった。積極的に動いてみても、相手の対応が変わらなかったからだろうか?

「相手のせいにしたくなる気持ちはわかるがな? まずは原因を考えてみたらどうだ?」

「そんなものはわかりきっているでしょう。私が幼い、女だからです」

「だったら、ヨハンやジェイドが依頼を受けられてねぇのはどういうことだ?」

「ヨハンは私と同じく幼く、他の方も同じ女です。ジェイドさんは・・・・・・性格のせいでしょう」

「おい‼‼」

「まぁ、そうでなくとも。ジェイドさんも大人というにはまだ若いので、下に見られたのでしょう」

リミアがジェイド相手に冗談を言えることにも驚いたが、軽くあしらわれているジェイドがそれを許してるってのも意外だ。

「なら、諦めるのか?」

「それは・・・・・・」

「でも、実際にどうすればいいんですか? 僕達は望んでもいきなり大人には成れないじゃないですか」

言葉が詰まったリミアに変わり、ヨハンが聞く。

「それを考えるのはお前らのやることだ。俺はその原因や理由について聞いて、正しいかどうかを判断する」

「そんな・・・」

失望した。そう書いてあるかのような顔だが、これはお前らのためだ。

こいつらはすぐに答えを他人から手に入れようとする。

他人に聞く。

それ自体は悪いことじゃねぇ。その方が早いことだって多いだろう。

だが、考えることをやめて、他人から聞いたことを鵜呑みにするのは良くねぇんだ。

それがどれだけ信頼している相手であっても、その情報が正しいかどうかは自分で判断しなきゃならねぇ。

それは騙されないためや、いざという時に迷わないためで、なにより。

後悔しないためだ。

人間ってのは失敗した時には自分の決断であっても後悔しちまうもんだ。それを、他人の判断に任せて失敗した時には後悔せずにいられるか? そいつを恨まずにいられるか?

そんな最後を望むのか?

望むはずがねぇし、そうさせたくもねぇ。恨まれるなんざもっとごめんだ。

「今回俺は試験官でもあるんだからな。そこんとこは忘れるなよ」

だから、本人達で答えを見つけられるように考えさせる。

本来ならそういうことは学園で身につけるはずなんだが、今の学園にそんなもんは期待できねぇか。いわば、こいつらも被害者だ。

「じゃぁどうするか? を自分達で決められねぇなら死ぬだけだ。俺も、他の誰かも、お前らの旅にずっと一緒にはいらねぇんだからな」

「確かにそうね。その都度、都合よく助けてくれる誰かなんているわけがないわ」

「ならどうすんだよ! 都合よく助けてくれる誰かもいやしねぇけどよ。都合よく成長する身体もねぇんだぞ⁉」

「げ、幻想魔法とか・・・?」

「誰か使えるか?」

「「「・・・・・・・・・」」」

ケイトの必死の提案も現実的とはいえず、ジェイドの問いに沈黙がのしかかる。

「ま、それが使えたとしても、冒険者ギルド規定違反だから罰則を受けるけどな」

「お手上げじゃないですか・・・」

重くなった空気に一刺し入れてやるが、ヨハンが弱音を上げるだけに終わった。

「もう少しよく考えてみろ。連想ゲームだ」

「「「連想ゲーム?」」」

このままじゃどうにもなりそうにねぇから、助け舟を出す。