軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

苦情殺到1

「で⁉ その課題ってのはなんなんだよ‼」

憤るジェイドは声を荒げたまま。

「聞きたいか?」

「早く言えよ‼」

あまりにもわかりやすいジェイドの態度が面白くなっちまって・・・。もう少し勿体ぶってみようかとしたが、思っていたよりも冷静なのか、真剣な目をしていた。

「端的に言うなら・・・・・・B級昇格試験だ」

茶化すわけにもいかねぇか、と酷く短くそのままを伝えた。

「「「B級昇格⁉」」」

そのせいか、全員が似たような反応で。

ただ、リミアは黙り、ケイトは声も出せず、キューティーは首を傾げていた。

「なぜB級昇格試験なのでしょうか? 急ぐ理由があったとは思えないのですが?」

驚くこともせず顎に手を当て考えていたリミアが素早く疑問を呈す。

「急いでるんじゃねぇ。むしろ、止まる理由がねぇんだよ。この間も言った通り、お前らにはすでにB級程度の実力がある。それならさっさと等級は上げとくべきだ。1回タイミングを逃すと中々うまくいかねぇからな」

リミアのもっともと言える疑問には実体験を基に語る。

「全員が全員とは言わねぇが、少なくとも。俺が現役だった頃のパーティーは、等級を上げようとする度にメンバーが増えて、その度に足踏みすることになった」

アンナも、エリックも、フェリシアも。

クライフ以外はメンバーになるなんて思いもしなかった面子ばかりだった。

「旅の道中には、なにがあるかなんざわからねぇ。それこそ出会いがあれば、別れもあるだろ? 怪我や家族を理由に引退することだってあるはずだ。そうならねぇうちに、チャンスがあるなら早いとこ、上げられるだけ上げといた方が効率的にはいいんだよ。等級なんてもんはな」

旅をするってのはそれだけで不安定だ。

生活も、収入も、依頼も。

冒険者に安定なんてもんはねぇと、嫌でも知ることになる。

そうなった後に条件を整えて試験を~ってのは、ちょっとやそっとじゃ難しい。特に、B級試験はそういう面倒臭さがある。

「それにB級になったとしても、C級の依頼が受けられねぇってわけじゃねぇんだ。上げといて損はねぇ」

「で、でもその、嫌な顔をされませんか? いえ、わ、若さとかじゃなくて、下の等級の依頼を受けるなんて・・・」

ケイトが不安そうに尋ねる。

らしい質問だな。

仕事を取られた奴が嫌ってくるんじゃないかってことなんだろうが。

「そんな心配は不要だ。つーか、そんなもんを確認してくる奴がいねぇよ。少なくとも北と南にはな。東西の野盗崩れにとってはどうだか知らねぇが、そんな連中は相手にするだけ無駄だ。気にせず割のいい仕事を受ければいい。それが冒険者の基本だからな」

自分の受けた依頼をひけらかさねぇ限りは、誰がどんな依頼を受けたか? なんてのは受付にしかわからねぇ。

その受付にしても、そんなくだらねぇことをわざわざ公表したりはしねぇだろう。もし仮にそんなことをすりゃぁその支部の評判は地に落ちるし、そうなりゃ依頼そのものが来なくなる。

だから、気にするだけ無駄なんだ。

それを聞き納得しているケイトを置いて、首をひねっていたキューティーが声を上げる。

「それよりも、なぜそれほど驚いていまして?」

どうやらこいつが首を傾げていたのは俺の言葉に対してじゃなく、周りの反応に対してだったようだ。

「え。だって、そうでしょ? ついこの間C級になったのに、経験も積まずにいきなり次の試験だなんて・・・」

「いいえ、エイラ。経験というのは必要だから積むものなのですわ! 実力不足を補うためのもの。実力が足りているのなら、決して必要なものなどではありませんわ!」

堂々と胸を張りながら言ってのけるキューティー。

「私の剣の師範も常々おっしゃっていられましたわ! ”好機と思わばすぐ穿て”と。様子を見ることが悪いとは言いませんが、上位者の意見には従うべきですわ! この場合はこちらの、教育係様がやってみろとおっしゃるのですから、やってみるべきだと私は思いますわ!」

そして。

その言葉と勢いに押され、自信満々でここ”荊棘の庭園”に向かったはず・・・・・・だったんだけどな。

「そんじゃ、現状の整理と今後の方針でも聞いておこうか?」

結局、その後も依頼を受けられなかった6人を集め、荊棘の庭園・鉄の町の冒険者ギルドにて、これまでの傾向とこれからの対策について、緊急会議が開かれることとなった。