軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

変わらない評価2

「あんな状態になって、いきなり実力があるって言われても・・・」

言いながらエイラは周りの仲間達と顔を見合わせる。

「そぉだな。一方的にやり込められたんだ。実感がわかねぇのも無理はねぇなぁ」

それに教官が理解現しながらも、

「それでゼネス。さっきのはどんなモンスターを想定してたんだ?」

俺に説明を促す。

「そうですね・・・。かなり大雑把な想定とはいえ、 翼竜(ワイバーン) ぐらいじゃないですか?」

「「「 翼竜(ワイバーン) ⁉⁉」」」

それを聞いたジェイド達が大層に驚く。

「翼竜は竜種つっても、飛行関連の魔法とブレスが使えるぐらいで、どちらかと言えば蝙蝠の方が近い雑魚だぞ?」

「竜種が雑魚なわけねぇだろ‼ いい加減にしろよ⁉⁉」

俺の言葉に即座にジェイドが強い否定で返してくるが、嘘は言ってねぇ。

翼竜はB級の討伐対象だ。

そこまで危険性の高いモンスターじゃない。

「そう思うかもしれねぇが、現に。今のお前らなら、翼竜に出会ったとしてもなにも出来ずに死ぬことはねぇ。それどころか、近い将来には倒せるようになってるだろう」

「本当だろうな⁉」

「そんなつまんねぇ嘘ついてどうすんだよ」

疑う言動とは裏腹に喜色で染まった表情のジェイド達に、さっきの戦闘を解説する。

「わかりやすく置き換えるなら一撃目は突進。その後のは尻尾の薙ぎ払いってところだな。ジェイドは突進を受け止めたが浮かされて、キューティーは尻尾に薙ぎ払われて、まとめて吹き飛ばされた。ケイト、エイラは突進で。逆にヨハンとリミアは突進させなかったが・・・キューティー同様、薙ぎ払われる形でまとめて吹き飛ばされた」

まとめるとこんなところだろう。

「良かった点を挙げるなら、1人になる奴が出なかったところ。これは連携に気を使ってお互いの位置や関係を補完出来てるってことだ。それと、一撃で戦闘不能にならなかったところだ。こっちは単純に訓練やら鍛錬やらの成果でいいだろう。防御さえ意識してれば、すぐに死ぬような状態にならずに済むようになったってことだな」

「それはさっきの話でなんとなくはわかってんだよ。もっと他はないのか?」

「他ぁ? ・・・・・・・そうだな。ビビらなかったところ。曲がりなりにも気配を感じ取れるようになったところ。とかか?」

「なんだよそれ! そこまで期待してなかったってことかよ⁉」

「そうかもな? だが重要なことだ。お前らは俺の変化を感じ取って、仕切り直した。自分より強い相手を意識しながらも、固まることなく動けるってのは結構なことだぞ? 死ぬかもしれねぇって恐怖に打ち勝つ、勇気があるってことだからな」

「だからって、なにも出来なかったんじゃ意味ねぇよ」

どこか落胆したように呟くジェイド。

「そうでもねぇよ。例えば・・・ジェイド。お前の場合は、仲間を守って勇気づけた。一番前で真っ先に戦う。当たり前に思うかもしれねぇが、出来ねぇ奴は幾らでもいる。盾役であろうとも、な。いざって時は特にだ」

それが原因で解散するパーティーもある。

「だがお前は逃げ出さなかった。そんな姿を見せられれば、仲間も覚悟を決められる。こいつになら付いて行ってもいいとか、こいつの言うことなら聞いてもいいとかな。リーダーやるなら絶対に必要な資質がお前にはある」

「なんだよ・・・いきなり」

気恥ずかしそうに、だが満更でもなさそうだ。

「率先するってのはそれぐらい難しいってことだ。だが、お前は普段からそれが出来てるんだろう。盾の扱いや身のこなしは格段に良くなってるし。それに、連携の起点にもなってたな。それはつまり、お前が率先してそういう訓練に励んだからだ。そのおかげで、全体の強さに繫がった」

「ジェイド様ならば当然ですわ!」

「いや、それは・・・」

なぜか自慢げなキューティーとは裏腹に、気まずそうに教官の方に視線を飛ばすジェイド。

「誰かに言われたんだとしても、実践出来てるならそれでいいんだよ」

たぶん教官に、リーダーなんだろ? だったらお前がやれ! とでも言われたんだろう。

「だが、足りねぇ部分もある。お前は判断が遅いし、指示も出せてねぇ。盾の扱いや身のこなしに比べて、その辺には上達を感じられなかったな。今後もリーダーで居たいなら、もっと頭も鍛えろ。指示出しを誰かに任せたとしても、状況から判断を下すのはリーダーの務めだからな」

「・・・・・・ああ」

耳の痛い話を。渋い顔をしながらもジェイドは真剣に聞いていた。

俺からすればこれが一番の成長だと思うんだが・・・教官はどんな魔法を使ったんだか。

跳ねっ返りが酷かったジェイドの真摯な態度に疑問を抱きながらも、話は進んでいく。