作品タイトル不明
side―スイ
スイは大人があまり好きくないです。
初めからスイにはなにも出来ないと思っているから。
大人が出来ないようなことをやって見せても、スイのこと、絶対に認めたりしないから。
だからスイはあんまり大人を信用したりしないです。
それでも、サン・・・リーダーと仲良くなったのはスイと同じように思っていたからです!
リーダーもスイから見れば大人です。でも、大人から見れば子供です。
認められないことに怒っていたです。
ゼネスさんのことも。
なので、初めて会うまで・・・リーダーから話を聞いただけの時は嫌いだったです。
でも、
「出来るか?」
そういった時のゼネスさんの顔に疑うそぶりなんかなくて、
「任せろです!」
そう答えた時も、
「じゃぁ頼むぞ」
本当に大丈夫なのか? ・・・なんて、悩んだりしてなかったです。
この人はスイのことを認めてくれる。そう感じたです。
リーダーが嘘ついてたなんて思わないです。けど、少なくともスイにはいい人に見えたです。
それからは驚いたです。
とても強いことに。
本当に疑わないことに。
そしてその・・・魔力の使い方に。
他人の魔法を奪うなんて。
簡単じゃないはずです。
はず・・・なんです。
でも、あれならスイにも出来てしまうです。
それから、スイは練習してその技を使えるようになったです!
次に合う時に見せてみましょう!
そしたらもっと。凄いものを見せてくれるはずです‼
そう思っていたですけど・・・。
次にあった時にはもっと驚いたです。
ワンダーゴーレムの討伐。
ワンダーゴーレムなんておとぎ話にしか出てこないですよ?
それを一人で・・・。
現場を見てスイにはもうわけがわからなかったです。
絶対に魔法で倒してる。
なのに、どんな魔法なのか想像もつかないです。
そんなことばかり考えてたら話しかけることも出来ず・・・・・・。
次に驚かせるのはスイだと思っていたですけど・・・。
ワンダーゴーレムとの戦いの話を聞きました。
ここでもやっぱり驚かされたです。
拍子抜けという意味で。
覚えてないって・・・それはあんまりです!
他の難しいことはわからなかったですけど・・・。
スイは魔法が大好きです! スイを支えてくる魔法が!
だから、もっとすごい魔法使いになりたくて。
その方法を知りたかったです。
でも・・・・・・考えてみたら、魔法はそういうものかも知れないです。
スイにも覚えがあるです。
なので、スイは自分で探すことにしました!
そこから1週間。
ゼネスさんを観察してみたですけど・・・・・・。
凄く気配り屋さんです。
なんにでもよく気が付くというか、周りをよく見ている気がするです。
マネしてみたら、
「どうしたんだ? 落ち着かないのか?」
ってリーダーに心配されました。
挙句、トイレか? って・・・流石に失礼だと思うです!
そんな中。
「手伝ってくれ」
最大のチャンス到来です!
2人で作業すれば魔法のコツがわかるかも!
スイはすぐに、
「任せろです!」
って言ってたです。
冒険者ギルドを探す間に色んな話をしたです。
でも、特別なことはなにもわからなかったです。
唯一わかったのは、ゼネスさんは優しいってことだけです。
スイのいうことをよく聞いてくれたですし、そういえばご飯も奢ってくれるって言ってたです!
もしかしたら・・・? ってそんなわけないです! よね?
優しさが魔法の秘密だったら、スイが優しくないことになっちゃうですから!
そして、問題が起きたです。
亜人⁉
それを聞いて凄く・・・凄く怖かったです。
心臓をギュッ‼ と握られような・・・。
なにより、
「亜人だぁあああああ‼」
そう言われた時はもう生きた心地がしなかったです。
でも、ゼネスさんは・・・。
すぐにスイのフードを取って聞いたです。
「うちの仲間になにか用でも?」
それで、広場中を埋め尽くす人の波を止めちゃったです。
スイは後ろに隠れるしか出来なかった・・・。
仲間。そう言ってくれたのは嬉しかったです。
でも・・・、
スイ達の秘密がバレたら・・・?
だから聞いたです。
「もし、スイが本当に亜人だったら・・・どうなってたです?」
そしたら、
「・・・そうだな。たぶん、俺が全員殴り倒して黙らせたんじゃねぇか?」
なんて。
真面目な顔で言うことです?
本当はそういうこと聞きたかったんじゃないですけど・・・つい、
「そんなこと出来るんです⁉」
聞き返したです。
すると、少しだけ考えてから。
「たぶんな」
って・・・。
スイには無理です。
あれだけの人を相手にするなんて、それを黙らせるなんて。
でもきっと、ゼネスさんなら出来るです。
だって。疑うような顔をしないから。
スイに見せる顔が変わらないから。
だから。
この人が味方なら、スイ達の秘密がバレたって。
きっと・・・大丈夫です‼