軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

迷宮攻略5

仲間を悪く言われれば怒る。

至極普通のことだが・・・期待通りの反応を得られて俺は今、少しホッとしている。

もしかして、仲間すらも見下しているんじゃねぇか・・・と、ジェイドにほんの少しとはいえ、疑念を持っちまってたからだ。

だが、ジェイドはそんなことを考える気配もなく、素直に怒っていた。

ヨハンとリミアについても、ケイトとは長い付き合いでもねぇし、そこを起点にしたやり方でどこまで効果があるか微妙なところだったが・・・こっちも普通に怒ってたな。

残りの二人は、なんとなくで気付いてそうなのと全く自分の価値を疑ってねぇのとで、付き合いはするけど・・・って感じか。

まぁ、下手に口を挟まねぇでくれるなら有難てぇことだ。

唯一黒く塗られた壁に見送られながら奥に進み、あいつらはそのまま中央へ向かう。俺はユノと二人、入り口のすぐ側で待機する。

この開けた空間は終着点でまず間違いねぇ。

さっきまでの通路との違いは、壁にある赤いライトの数が倍以上あること。そして、その位置。

通路では等間隔だった赤いライトだが、この広間では連なるように隙間なく配置されてる。

そのせいか左右は嫌に広く感じる。

逆に、その位置は通路より高く・・・にもかかわらず、天井の高さがハッキリしねぇ。

どうにも・・・距離感を狂わされてるな。

やることが一々陰気くせぇのにやたらと的確で効果的だ。

言うか・・・?

いや、折角煽ったのが無駄になるか。

今声をかけるのは水を差すことになる。集中を途切れさせるかもしれねぇ。

なにより、あいつらはもう中央についちまった。

広間の中央。

6人の足元が光る。

壁の赤いライトのように。

それは地面を走るように広がりながら紋様を描き・・・。

やがて、広間の半分を埋めるほどの魔法陣が出来上がる。

「ッ‼ 構えろ‼」

その、ジェイドの声に応えるように魔法陣は輝きを増し、そして・・・試練が始まる。

現れたのはガーゴイル。

動く石造のようなモンスターだ。

大きさは全長2メートルぐらいか? 頭から尻尾まで、で2メートルだからそれほどデカくは感じねぇ。

形は・・・ドラゴンとワイバーンと足したような造形で、腕に羽が生えてはいるが胴体がトカゲ過ぎて飛べねぇだろう。

問題があるとすれば、腕の振りに遅れて外側の羽が来ること、攻撃が腕や拳だけじゃなく羽の可能性があること、後は尻尾があることぐらいか。

強い魔力は感じねぇし・・・足元の魔法陣。

ガーゴイルが出るまでは全体が光ってたが、アレが出てからは円形の外側しか光ってねぇ。

おそらくだが、アレは1体目。

それに気付けるかどうか・・・ってところか。

「大丈夫・・・なのでしょうか? 私にはどうすることも出来ませんが、ゼネス様なら・・・?」

「それはどっちの心配だ? あいつらのことか? それとも、自分の試験のことか?」

「そんなの‼ あの方達のことに決まっています‼」

「だよな・・・。ま、大丈夫だろ。アレはまだ1体目だからな」

「1体目? ということは、さらに後からモンスターが? ゼネス様はそのことを教えなくてもいいのですか⁉」

「教えようかとも思ったが、俺からの試練だ。これから冒険者になって旅に出れば、似たようなことは幾らでもある。その時に焦らなくて済むように、今回はその経験だ」

「でも、なにかあってからでは! ゼネス様はもう魔法も使えないのでしょう⁉」

「あぁ・・・それは嘘だ」

どうにかしないと、と焦ってるのはむしろユノの方か。

あっけらかんと嘘だと教えてやると驚いた表情で固まっちまった。

それに比べて・・・6人の方は苦戦しているようだが、焦ってはなさそうだな。陣形も崩れてねぇし、声も出してる。

モンスター相手ですら慣れてねぇのにその上、自分よりデカい相手だからな。対応は難しいだろう。

だが、それが始まりだ。

お前らの冒険の、な。