軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

新たな戦力と今後の予定。運命の日は近い

その後、『獅子の牙』のカイル達とともにギルドへと戻った。

今日の仕事分は済んだと思い込んでいたエマは驚き、俺がカイルを紹介すると大笑いした。

『君はそういう運命力でもあるのかい!?』

という言葉とともに『獅子の牙』を歓迎すると、ギルドの職員を再招集して翌日以降の計画を立てた。

まず俺達は、今日と同じ第九ダンジョンを攻略する。『獅子の牙』を第七、ギルド職員を第八に入れ、攻略できそうなら攻略する。

無論、俺達は積極的に魔王のコアを破壊しに行く。

今日は昼食に時間を取ってしまったのと、結局シビラが『獅子の牙』に絡んで酒を飲ませたので、約一名帰ってもらっている。

故に、調査は明日以降だ。

エマも話を聞いた時はさすがに呆れていたな。

改めて紹介されたが、『獅子の牙』は【剣聖】のカイルの他、【魔卿】の女、【剣士】の女、【神官】の男の四人組だった。

バランスのいいパーティーだし、ここに【魔卿】がいるというのは驚きだな。

他二人もベテランだ。

第七ダンジョンは、カイル達が入ってくれるなら魔物が溢れることもほぼないだろう。

安心して、俺達は第九ダンジョンの深いところまで潜っていけるな。

事前に四日後は入れないことを伝えて、俺達は孤児院へと戻った。

この三日間で、全て攻略を狙わせてもらおう。

帰ってきた俺達は、子供達からの激しい質問攻めを受けることになった。

「にいちゃん強いん?」

「エミーさん、すてき……」

「ジャネットさん賢者なんだ、すごいなあ」

「シビラぜってー寝てたって」

思い思いに口を開く子らに、順番に回答していく。

俺の活躍をエミーが全力で肯定し、エミーの強さを俺が保証し、ジャネットの圧倒的な器用さを俺とエミーが讃える。

シビラの活躍は、エミーとジャネットが一応保証していたのでノーコメント。

「窓見たら、壁の玉がめちゃ光って、空がぶわーってなんか覆われて、そしたらあのバット全部はじかれたの!」

そうか、こいつらにも街に入ろうとしてきた魔物は見えたわけか。

ならば不安もあっただろうな。

「でもでも、セントゴダートって強い人すごく多いから世界一大丈夫だってイザベラ先生も言ってたよ」

年長らしき少年が、そのことを指摘する。

確かに街を守る冒険者の数も質も、このセントゴダートは圧倒的に一番だろう。

「ああ、俺が見た限りでも職員は優秀そうだし、街壁も高い。皆も大人になったら、街を守る戦士になれるさ」

「へへっ……!」

俺の言葉に気恥ずかしそうに笑う少年を微笑ましく思うと、視界の隅にルナが見えた。

隣には、会話相手がいるぞ。

ルナは俺と目が合うと、周りの子らと一緒に俺のところに来た。

「ラセル、えっと……よく帰ったな!」

「ああ」

「なあ、ラセルは強いんだよな? な?」

その回答は、俺自身より他の皆に任せた方がいいだろう。

エミーの方を向くと、エミーはルナに向かって元気よく頷いた。

「もうほんとすごいんだよ! ラセルはよい、良い感じの動きで、とにかく【聖騎士】の私より剣使うの上手いぐらいなんだから!」

「そ、そうなんだ……! き、聞いたか!? 黒いのはやはりかっこいいのだ! きっとラセルは……」

「でも【聖者】なんだよね?」

「もしかしたら……」

何やら他の子らとひそひそ話をしている。

内容はよく分からないが、どうやら全く会話できないわけじゃなさそうで安心した。

なんだ、友達できそうじゃないか。

ルナの様子に、シビラが笑顔で頷いている。

どうやら、皆仲良くという約束は守れそうだな。

果たして太陽の女神教の孤児院としてこれでいいのかは分からないが、仲良くできるのなら存分にこの『黒い人』を使ってくれ。

子供達の様子を、シスターのミラベルがじっと見ていた。

ルナの方を見ていたようだが、俺と目が合うと小さく礼をし、院の奥へと向かった。

仲良くできるか心配していた、というところだろうか?

何だったら話しかけても良かったと思うが……まあ子供のことは子供同士で解決できるのならそれでいいだろう。

「……ラセルちゃん!」

入れ替わりで、フレデリカがやってきた。

「大丈夫だった? 朝からギルドの招集って言ってたから気になって……」

「問題ないし、そもそも新規ダンジョンはこれで四回目か? ま、慣れた……と言ってしまえば油断になるかもしれないが、慣れたものだ。それに——」

俺は、隣にいる皆に目を向けた。

「——今は、頼りになりすぎるぐらい仲間が多いからな」

その言葉に、エミーとジャネットが笑顔を向けた。

「なになに、好感度青天井ラセルとアタシの挙式の話? 太陽の女神の前でやる?」

「お前は今日一番活躍してなかったよな」

「あっマジで辛辣ゥ! でもそれも照れ隠しね!」

シビラの実にらしい返答を聞き流し、フレデリカに向き直って肩をすくめる。

フレデリカはシビラの調子に、心配そうな顔をすっかり崩してクスクス笑っていた。

そんな反応に、何とも形容しがたい悪戯成功みたいな表情でニーッと笑うと、両手の親指をグッと立てた。

こいつがこんな調子だから、待つ方も心配するのすら難しそうなのは良いことだと思うよほんと。

——四日後の予定。

ギルドでも探索参加不可を伝えたが、その日はここセントゴダート本来の目的である『太陽の女神』シャーロットに会う日だ。

運命の日は、確実に近づいている。

その前に心配事は、全て片付けてしまおう。