作品タイトル不明
五十三話
クロードは目的の階層の手前の安全地帯までやってきていた。
ここまでくる冒険者はいないようで貸し切り状態だ。
「携行食で食事と言うのも味気ないな。ここはさっき手に入れたリザードマンの肉でも焼いてみよう」
生活魔法で肉をあぶり塩、胡椒で軽く味を調える。
「これぐらい焼けば十分かな。それではさっそく」
熱々な肉にかぶりつく。
「筋肉質ではあるけどこの食感がまたいいな」
あっという間に食べ終わり食後の一服として紅茶をいれて楽しむ。
ゆったりとした時間を過ごした後はこの後どうするか考えていた。
「寝るにはまだ早いよね。やっぱり少しだけ覗いてみようかな」
片付けを手早く済ませ装備を確認し安全地帯を抜ける。
通路の先は少し広い部屋になっており目的のリザードマンが溜まっていた。
クロードに気が付いたリザードマンが向かってくる。
「うひゃー。いるいる。鴨葱鴨葱っと」
多重詠唱でエアカッターを放ち近づいてくる傍から狩っていく。
ハイテンションのクロードは部屋のリザードマンを狩りつくした後次の部屋に向かう。
気が付けば階層中のリザードマンを狩りつくしておりしかたなく安全地帯に戻ってきた。
中にはリザードマンの上位個体も含まれておりそちらは少し階級の上の人の装備にすればいいかなどと考えていた。
一眠りした後沸き時間を考えて手隙となったクロードは武器を生活魔法の応用で溶かし錬金釜に入れてインゴットを生成していた。
「うん。まずまずの出来だな。これを鍛冶屋に持ち込んで武器を作ってもらえば武器の調達の方も問題ないかな」
一方このダンジョンを管理する兵士は一向に帰ってきていないクロードを心配していた。
ダンジョンへの挑戦は自己責任である。
男爵であるクロードに言われれば通さないわけにはいかないが子供が行方不明になったのに何もしなければ評判に差し障る。
「もう少し様子を見て戻ってこなければ探索隊を結成する」
責任者である隊長の下した決定はこうであった。
クロードはそんなことになっているとは露知らずリザードマンを狩り続けていた。
目標の数より多めに素材を確保したクロードは転移魔法でいっきにダンジョンの入り口に戻ってきた。
入り口に戻ってきたクロードは何やらざわついているのが気にかかり近くの人に聞いてみることにした。
「何事かあったのですか」
「子供がダンジョンに入って戻ってこないらしい。お前もこんなところうろついてないで家に帰れ」
「心配してくれてありがとうございます」
そこに今にも出発しようとしていたダンジョンの管理部隊がクロードに気が付く。
「クロード男爵ですね。ご無事ですか」
「あはは。ご心配をおかけしたようで申し訳ありません」
苦笑いしつつも反省するクロードであった。