軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

992話 ラストバトル・その4

ラインハルトは迎撃のために魔法を放とうとするが、しかし、魔力を一点に集めることができないでいた。

いいぞ。

うまくいっているようだ。

コハネと契約したことで得た能力……『ジャミング』。

場の魔力をかき乱して、相手の能力の使用を制限するというものだ。

かなり凶悪な能力のため、使用するために複数の制限があるものの……

それらは全て満たしている。

使用は初めてじゃない。

エーデルワイスと戦った時、使っている。

故に、ラインハルトもこの能力を知っている。

とはいえ、防ごうとして防げるものではない。

発動条件は難しいものの、それを満たせば後は問題ない。

なにせ、原初の最強種のコハネの能力なのだ。

そうそう簡単に防げるものではない。

「ユウキ!」

「ああ!」

俺達は、さらに加速。

そのままの勢いで、時間差でラインハルトに斬撃を叩き込む。

俺の斬撃は防がれて、ユウキの攻撃は避けられてしまう。

でも、それでも構わない。

「ギガボルト! からの……雷鳴波っ!」

「イフリートディザスター!」

シフォンとエーデルワイスの魔法が炸裂した。

ジャミングは使用したまま。

さきほどのように、マテリアルキャンセラーで攻撃を無効化することはできないはず。

これなら……どうだ!?

「やるな」

ラインハルトはわずかに血を流していた。

よし。

ダメージが届いている。

この調子でいけば、いずれ勝てるはずだ。

「思っていた以上に、お前達は強い……ただ、予想の範囲内だ」

「なっ……」

ラインハルトの体が金色に輝いた。

そして、視認できないほどの超速で動く。

「これは……ぐっ!?」

気がつけばラインハルトが横に回り込んでいた。

考えるよりも先に体が動いて、上体を逸らす。

直後、ラインハルトの短剣が走り、さきほどまでいた場所を薙ぐ。

「レイン!」

ユウキが前に出て、ラインハルトを牽制……

「優れた剣技ではあるが、ただ、優れているだけだ」

「がっ!?」

ユウキの双剣が嵐のように踊る。

しかし、ラインハルトはその全てをミリ単位で完全に見切る。

さらにカウンターを繰り出して、ユウキを吹き飛ばした。

シフォンが動いて、ユウキを受け止めた。

回復用のポーションを飲ませている。

「ちぃっ!」

エーデルワイスも前に出た。

その拳に炎をまとう。

魔力が編み込まれた、特殊な炎だろう。

その一撃は鉄の塊であろうと砕く。

それなのに……

「……届かないか」

ラインハルトは、エーデルワイスの拳を軽々と受け止めて見せた。

その一撃一撃にとんでもない魔力が込められているはずなのに。

怯むことなく。

ダメージを受けることもなく。

そうなることが当然のように、全てを防いでみせた。

そして、ユウキの時と同じようにカウンターを繰り出す。

ただ、こちらは不発に終わる。

エーデルワイスは、ラインハルトのカウンターを予測していたらしく、しっかりと防いでみせた。

大きく吹き飛ばされるものの、それは、衝撃を逃がすために自分から後ろに跳んだようだ。

地面に手をついて勢いを殺しつつ、停止。

ラインハルトを睨みつつ、こちらに声をかけてくる。

「我が主よ、気をつけろ。ヤツは……」

「ああ……『覚醒』も使えるんだな?」

『共鳴』で、契約した最強種の力を100パーセント引き出すことができる。

この話を聞いた時点で気づくべきだった。

100パーセントということは、相手の全ての能力を使用できるということで……

当然、そこに『覚醒』も含まれているだろう。

今、ラインハルトが見せているのは、猫霊族の『覚醒』の力だ。

「まさか、ここまでとは……」

「……厄介だな」

エーデルワイスが苦い表情になる。

驚きだ。

いつも自信たっぷりで不敵な彼女が、そんな顔を見せるなんて。

いや……待てよ?

そうか、そういうことか。

それならエーデルワイスが脅威を覚えるのも納得だ。

「『共鳴』は、契約した相手の全ての力を100パーセント使うことができる……数に関係なく、同時に。つまり……」

「正解だ」

ラインハルトは光の翼を生やす。