軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

991話 ラストバトル・その3

ラインハルトが契約した最強種達の力を完全に得ているのなら、クサナギの一撃も通らない可能性がある。

でも、俺は構うことなく一撃を放った。

……たぶん、彼女ならそうするだろうと思っていたから。

「滅びよ」

エーデルワイスは髪を揺らめかせつつ、多量の魔力を使い、魔法を放つ。

彼女の指先から赤い光の線が走る。

一閃。

その軌跡に従い、世界を震わせるかのような強烈な爆発が起きた。

初めて見る魔法だ。

エーデルワイスもまた、切り札を隠し持っていたのだろう。

とても頼りになる。

ただ……

「……ちっ、届かぬか」

ラインハルトは健在だ。

今の強烈な一撃を受けたはずなのに、傷一つ……衣服が汚れてすらいない。

どう防いだ?

あるいは回避したのだろうか?

「魔法というのなら、今の俺も使うことができるぞ」

ラインハルトは不敵な表情で、手の平をこちらに向ける。

ゾクリ、と背中が震えた。

「回避っ!!!」

「イクシオンブラスト」

叫ぶと同時に、ラインハルトの魔法が炸裂した。

異界の幻獣の力を借りて、極大の紫電を周囲に撒き散らす。

極めて速く、そして、次の攻撃地点の予測がしにくい。

それでも俺達は、一人も脱落することなく、回避してみせた。

今の超級魔法は……モナと契約した『共鳴』の力か。

なら次は……

「来たれ、終焉の白撃」

予想していた通りの攻撃が来る。

ただ、予想はしていたものの……

「これは……まずい!?」

火力が圧倒的すぎる。

イリスは、わりと気軽に使っていたものの……

実際にこの身で受けるとなると、こんなにも脅威なのか。

回避と防御に専念。

今はそれだけを考えて、やり過ごすことだけを考えた。

ほどなくして魔力の嵐が収まり、閃光がゆっくりと消えていく。

なんとか耐えたけれど……

「まだ終わりではない」

「連射!?」

そんなこと、イリスでもできなかったような……そうか!

今のラインハルトは、『共鳴』により、複数の最強種の力を完璧に使いこなすことができる。

それを利用して、最強種達の力を組み合わせることで、普通ならできないことを成し遂げているのか。

なんて力だ。

これなら、一人で俺達を相手にすることも可能だろう。

さきほど、エーデルワイスの攻撃を防いだのも、その力の応用だろう。

「させるものか」

エーデルワイスが前に出た。

右手に魔力を溜めて……

振り抜くと同時に解き放つ。

膨大な魔力が波となり、ラインハルトの魔法を相殺した。

ただ、そこで終わり。

エーデルワイスの魔法がラインハルトに届くことはない。

「ルナティックボルト!」

「イグニートランス!」

こうなることは予想できていた、という感じで、シフォンとユウキも魔法を放つ。

俺は攻撃に参加しない。

ヤツの防御の手段を見極めないと。

紫電と紅蓮が迫るものの、ラインハルトは平然としていた。

回避も防御もしようとしない。

いや、これは……

「消えろ」

ラインハルトが指を鳴らすと同時に、二人が放った魔法は途中で霧散した。

……そういうことか。

マテリアルキャンセラー。

以前、タニアから聞いたことがある。

それなりの実力者なら、相手の魔法に干渉して打ち消すことができる、と。

初めてアリオス達と戦った時……

タニアはマテリアルキャンセラーを使用して、リーンとミナを圧倒したとか。

「だとしても……反則だろう」

シフォンもユウキも、それなりに魔法が得意だ。

それなのに、一瞬でかき消されてしまうなんて。

物理も魔法も厳しい。

ラインハルトに届く攻撃はないのだろうか?

いや、そんなことはない。

突破口があるはずだ。

そして、それを必ず見つけてみせる。

そのために……

「ユウキ、一緒に。エーデルワイスとシフォンは援護を頼む」

「うん、了解」

みんな、疑問を挟むことなく、即座に応えてくれた。

ありがたい。

俺とユウキは、それぞれの武器を手に、横に並んで駆けていく。

そんな俺達を迎撃するために、ラインハルトが魔法を……

「……なんだと?」

その顔に小さな驚きが走る。