作品タイトル不明
974話 チームソラ&ルナ・その1
「やあやあやあ。ようこそ、ボクが守る動力炉へ。キミ達を迎えるために、盛大な歓迎の準備を……」
「イクシオンブラスト!」
「イフリートディザスター!」
「ぎゃあああああ!?」
ソラとルナは問答無用で超級魔法を放ち、モナは悲鳴をあげながら、すんでのところで回避に成功した。
先手必勝。
どこかの誰かとまったく同じことをしているが、二人はそのことを知らない。
「おー、なんか花火みたいだぞ」
「自分もやった方がよかったっすかね?」
ショコラとライハは、わりと呑気なものだった。
イベントを見学するような感覚で、さらに魔法を連打するソラとルナを眺めている。
「ふぅ……やってやりました」
「これだけやれば、さすがのモナも生きてはいられないだろう」
「キミ達は殺意が高すぎるんじゃないかなぁ!?」
モナが怒りの抗議をあげた。
ソラとルナの魔法のせいであちらこちらが焦げていて、髪もボサボサになっていた。
「むっ、しぶといのだ」
「もう10発くらい、いっておきますか?」
「やめなよ!? ボクにも、色々と言わせてよ!? ってか、いきなり問答無用でめちゃくちゃ魔法をぶっ放すとか、脳筋にもほどがあるんじゃないかなぁ!?」
「そう認識されるのは、ひどく心外ですね」
「うむ。我らは、カナデやタニアとは違うのだ」
本人がいたらげんこつを確実に食らうようなことを口にする。
もちろん、本人がいないからこそ言いたい放題だ。
「まったく……ボクじゃなかったら死んでいたぜ? 動力炉も守れなかったかもね」
「それで……あんたが、ここを守る番人、ってわけっすか?」
「その通り! ボクがいる限り、ここから先、一歩も進めないと思ってほしいな。普段は怠けて、ダラダラすることを最高とするボクだけど……今日は一味違うぜぃ?」
不敵な笑みを浮かべるモナ。
飄々としたところしか見ていないため、このような態度をとると妙な凄味があり……
一同に緊張が走る。
「さて。ここまで来たのなら、もう話すことはないね。後は力を示すのみ。キミ達の覚悟を見せてもらおうか」
「む? そういうことならば、我らの先制攻撃が非難されるいわれはないのでは?」
「そうですね。さっさと戦えというのなら、ソラ達は、さっさと戦ったまでですから」
「……そう言われるとそうだね。ボクは、見当違いな抗議をしていたのかもしれない」
そこで納得してしまう辺り、モナも色々とズレていた。
「ま、わかりやすくいこうじゃないか。ボクは、ここを守る。そしてキミ達は、動力炉を破壊したい。戦いで決めよう」
「負けないっすよ」
「やってやるぞー」
「……タンクのキミは、ちょっと緊張感がないね」
「そんなことないぞ?」
「まあいいや。じゃあ……今度は、ボクからいかせてもらおうか」
そう言いつつも、モナはその場から動こうとしない。
不敵な表情で腕を組んだままだ。
ライハは怪訝そうに眉をひそめて……
そして、モナの髪が地面に伸びて、そのまま刺さっていることに気がついた。
「下っす!」
ライハは、モナが戦うところを直接見たことはない。
ただ、事前に情報を共有していたため、体を変化させて戦うことを知っていた。
ガッ!
地面の中を進んできたモナの髪が勢いよく生えてきた。
それは槍のように鋭く、下からライハ達を一斉に狙う。
ライハはソラを抱えて跳躍して……
ショコラはルナの前に立ち、その巨大な盾で攻撃を受け止めた。
「へぇ、対応が早いじゃないか」
「うるさいっす!」
ライハは、なおも迫る攻撃を回避しつつ、雷撃を飛ばした。
蛇のようにうねる雷撃がモナを撃つ。
しかし、それは分体。
水が弾けるように消えてしまう。
「どこに……!?」
「上なのだ!」
モナは高く、高く跳躍していた。
ライハの上を取り、そこから魔法を叩き込んでくる。
「ドラグーンハウリング」
降り注ぐ竜の幻影。
その咆哮は触れるもの全てを打ち砕く。
「迎撃を……」
「間に合わないのだ! ショコラ!」
「おっけー」
ショコラが前に出て、他のメンバーはその背に隠れる。
自身の背丈ほどもある巨大な盾をどっしりと構えて、特殊な機構を展開。
盾が拡がり、球体になってショコラ達を包みこんだ。
着弾。
そして衝撃。
モナの魔法はショコラの盾を貫くことはできず……
「ふふん」
ショコラは盾を元に戻して、ドヤ顔を披露してみせた。
なかなか表情の変わらない彼女にとって、極めて珍しいことである。
「その程度?」
「むぎゃーーー! めっちゃムカつく!!!」