軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

971話 チームタニア・その3

タニアの瞳が紅に輝いた。

それに呼応するかのように、闘気が、オーラが湧き上がる。

それはタニアの体を包み込み……

そして、巨大化する。

力が一気に弾けて……

「ガァッ!!!」

レッドドラゴンが姿を現した。

それは、タニアが本来の姿に戻ったもの。

ただ、体や翼が大きくなるなど、一部が異なっている。

タニアもまた、覚醒状態に移行していた。

そのための変化であり……

そして、力と魔力は何倍にも増している。

『なっ……!?』

『あんただけが覚醒できると思っていた? 残念、あたしもできるようになったのよ』

タニアは得意そうに言って、ちらりと後ろに視線をやる。

『みんな、あたしに乗って!』

「オッケーやで!」

ニーナ、ティナ、コハネがタニアの頭部に乗る。

ライドオン。

これでニーナ達は、タニアとアリエイルの派手な戦いに巻き込まれることはない。

それどころか、タニアの頭の上に乗ることで攻撃をして、援護をすることができる。

『みんな、いくわよ!』

先手を取ったのはタニアだ。

地面をひび割れさせながら、激しい突撃を見せる。

そのまま体当たり。

隕石が落ちてきたかのような轟音と衝撃が広がり、アリエイルが怯んだ。

『このっ、これくらいで……えっ!?』

アリエイルは、すぐに反撃に移ろうとしたが、足に違和感を覚えた。

慌てて視線をやると、片足が半分ほど異空間に囚われている。

ニーナの仕業だ。

通常、覚醒状態に移行した竜族を囚えることなど不可能なのだけど……

ニーナもまた、覚醒状態に移行していた。

故に、地力は互角。

器用に亜空間に繋がる扉を操り、アリエイルを拘束してみせる。

「これがうちの、新必殺技やーーーっ!」

ティナは魔力を練り上げた。

いつものように魔力による球を作り上げていくが……

最初は、人形バージョンのティナの手の平サイズ。

続けて、ニーナやコハネの手の平サイズ。

そして、覚醒状態のタニアの手の平サイズになり……

さらに成長して、太陽のように大きく輝いてみせる。

特大の魔力球。

小細工は一切ない、純粋な力の塊。

だからこそ厄介で……

『くぅうううっ……!?』

魔力球はアリエイルを押し潰そうとする。

力で押し返そうとしているが、ニーナの拘束のせいでうまくふんばることができず、苦戦しているようだ。

その隙を逃すことなく、

「初手で決めてみせましょう……全武装、展開」

コハネの周囲に、様々な武装が出現した。

その数は十を越えて、さらに増えていく。

コハネがまとうそれは、さながら武装のドレスのよう。

「フルウェポンコンビネーション……オープンファイア」

コハネの武装が一斉に火を吹いた。

鋼鉄の弾丸が。

爆発する炸裂弾が。

光を束ねた熱線が。

ありとあらゆる攻撃が雨のように降り注ぎ、アリエイルの鱗を焼く。

『みんな、いい感じよ! 最後はあたしが……!』

三人の攻撃を受けてよろめくアリエイルを、タニアが殴り飛ばした。

前傾姿勢になり、両手を地面につける。

反動に耐えるためだ。

なにもしなければ、『ソレ』の反動で自身が吹き飛ばされかねない。

『大盤振る舞いよ、また、喰らいなさいっ!!!』

ドラゴンブレス。

通常時とは違い、本来の姿で放つブレスは強化されていて……

さらに覚醒状態ということで、その威力は数倍に増していた。

光を圧縮して、圧縮して、圧縮して……

一気に爆発させたかのような、閃き。

アリエイルの姿が光の中に消えて……

直後、大爆発が起きた。

爆炎と粉塵が広がり、周囲の視界を奪われてしまう。

「……やりすぎたんちゃう?」

『かもね……ま、まあ、大丈夫。あいつも最強種だし』

「……ゆだん、ダメ」

ニーナは硬い表情で言う。

コハネもまた、似たような顔をしていた。

そして……

『よくもやってくれたわね……!』