軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

920話 祈りと希望・その1

「なにを……した?」

今度は、はっきりとエーデルワイスの表情に動揺が現れていた。

その色は濃く、今、目の前で起きたことを認識できていない様子だ。

「俺はなにも」

なにかしたのは、みんなだ。

今この間、外で戦っているみんなが力を貸してくれたんだ。

『がんばって』

『負けるんじゃねーぞ』

『僕達は一緒だよ』

『あなたならば成し遂げられるでしょう』

『ヘマなんてするんじゃねえぞ?』

みんなの声が聞こえてくる。

心が届いてくる。

この力は……いや。

これは力じゃない。

『希望』だ。

温かい陽の力は、果てしない力を与えてくれる。

何度でも立ち上がり、前に向かう想いを与えてくれる。

「なんだ、それは……」

エーデルワイスが、一歩、後ろに下がる。

それは、温かな光を恐れているようにも見えた。

「そのような力は……私は、知らぬ」

「そうだな。魔王であるキミは知らないと思う」

だから、教える。

世界は絶望ばかりじゃない、って。

辛いこともあるけど幸せもあるんだ、って。

信じることができるんだ、って。

希望は存在する……と、そう教えてやる!

「よくわからないけど、チャンスね」

「ぶっ潰す!」

アリエイルとミツキが突撃して……

「勝手しないでくれる!?」

「にゃん!」

タニアとカナデも続いた。

エーデルワイスは、今までと同じように迎撃をしようとするが……

「マルチ・ブースト!」

「なっ……」

みんなに身体能力を強化する魔法をかけた。

ぐんっ、と急加速。

それは予想していなかったらしく、みんなはエーデルワイスの攻撃をくぐり抜けて、痛烈な一撃を叩き込むことに成功する。

「そのような攻撃、私には……通じぬ!」

「「「「っ!?」」」

魔力が実体を伴い、衝撃波となって荒れた。

みんなが吹き飛ばされて、それぞれ壁に叩きつけられる。

ソラとルナとフィーニア。

それと、モナがサポートに向かう。

なにも言わなくても、やるべきことを各々、把握していた。

心が繋がっているみたいだ。

「諦めろ。人間は滅ぶ運命だ、他に辿る道はない」

「あるさ」

それを、今から示してみせる。

武器をクサナギに切り替えて、前に出た。

「ホームランやー!」

「穿て、ブラッドシュート」

「アニキ!」

魔力で編み込まれた球、血の矢、雷撃。

リファ達の援護がエーデルワイスを撃つ。

圧倒的な魔力を前に防がれてしまうものの、でも、道は開けた。

みんなが作ってくれた隙を逃すことなく、俺はさらに前に出た。

エーデルワイスに近接戦をしかける。

「ぐっ!?」

エーデルワイスは、素手でクサナギの刃を受け止めてみせた。

ただ、その顔は苦しそうに歪んでいる。

今までとは違う。

攻撃が確実に通っている。

「ルナティックボルト……極・雷鳴剣!」

「起動……二式・アブソリュートゼロ」

左右からシフォンとラインハルトが突撃。

それぞれ全力の攻撃を叩き込む。

「なん、だと……!?」

今までは、エーデルワイスは俺達の攻撃を簡単に弾いていた。

あるいは平然と受け止めていた。

でも、今は違う。

わずかではあるけれど、しっかりとダメージが通っていた。

エーデルワイスが弱体化したわけじゃない。

単純に、俺達の力が増しただけだ。

「なぜ、急に……」

「俺達だけの力じゃない。これは、みんなの希望の力だ」