作品タイトル不明
818話 再び北大陸へ
数日で準備を済ませて……
そして、まずは精霊族の里へ移動した。
ちなみに、クウとコウはナタリーさんに預かってもらった。
「もふもふー♪」と喜んでいたので、たぶん問題ないだろう。
「では、私はここで」
「ママ……また、ね?」
「はい、またです」
ノキアさんと別れた後、俺達は北大陸へ。
いざという時に備えて、前回の来訪時、不死鳥族の里に門を繋げておいた。
エルフィンさんに挨拶をして……
話をして……
それから、里を出て北に向かう。
「レイン、レイン。私達、どこを目指すの?」
「ここかな」
エルフィンさんからもらった北大陸の地図。
その一点を指さした。
「山?」
「北大陸の北部は山脈になっているみたいだけど……エルフィンさん曰く、十番目の最強種がいるとしたら、その山脈以外ありえない、って言ってたから」
「そういえば、山の方から妙な力を感じる、とか言ってたわね」
「山に行くなって、ぼく、言われていた!」
「わ、わらひも同じようなことを言われていて……なんていうか、その……山全体が一つの結界として機能している、とか。すみませんすみません、不確定な情報を!」
「ふむ。だとしたら、とんでもなく厄介な話だな」
「ええ。自然を利用した結界は、ソラ達精霊族も使っていますが……山を一つ、となると規模が違います。破る方法は、まずないかと」
だとしても行かないといけない。
魔族との和解を成し遂げるために。
そのために必要な情報を手に入れないといけない。
全てを知らないといけない。
「とりあえず、行けるところまで行こう。そこから先は、違和感のある場所を探していくしかないな」
「にゃっけー!」
「なんすか、それ?」
「カナデ語だね。ボクも最初は混乱した」
こんな時でもみんなはマイペースだ。
だからこそ頼りになる。
――――――――――
狼や馬などを使役して、一気に山の麓に移動した。
そこから先は自分達の足で歩いて、登ることに。
熊などを使役すれば楽にはなるのだけど……
この先、なにがあるかわからない。
巻き込んでしまったら申しわけないので、使役するのはやめておいた。
ただ……
「ふぅ……ふぅ……はぁぁぁ……」
「はひぃ……はひぃ……」
ソラとルナが汗だくになって、今にも死にそうな顔になっていた。
登山を始めて1時間。
二人の体力はすぐに底をついた。
「ちょっと休憩しようか」
「レイン……ソラ達のこと、気に……しないで、ください……」
「う、む……我は、まだまだ……いけるの、だぁ……」
ぜんぜんいけなさそうな顔で言わないでほしい。
「無理しなくていいよ。それに、そろそろ捜索範囲を絞りたいから。そのための話し合いもしよう」
「そ、そういうことなら……」
「とりあえず、寝るのだ……」
そこが限界だったらしく、二人は目を回して倒れた。
慌てた様子でフィーニアとサクラが駆け寄り、二人の介抱をする。
「そろそろ暗くなってきたから、ここでキャンプをしよう」
「了解っす! 自分、仲間に追われて西大陸を放浪していた時があったから、サバイバルなら任せてくださいっす」
「笑顔でさらっと笑えないことを言わないでちょうだい」
「にゃー、がんばれ!」
テントなどの設置はライハ達に任せよう。
残りのメンバーで料理といくか。
「ニーナ、食料を出してくれるか?」
「ん」
「ボク、料理できないよ?」
「わたくしが教えるので、サポートをお願いいたしますわ」
「イリスは料理できる?」
「ふふ、淑女のたしなみですわ」
「おー」
イリスの場合、たまに妙な薬を入れようとするから、ソラとは別の意味で怖いんだけど……
まあ、さすがにこんな場面でそんなことはしないか。
ほどなくして料理が完成して、同じタイミングでテントなどの設置が終わる。
ソラとルナも回復して、みんなで熱々の料理を食べた。
こんな時になんだけど、キャンプに来たようでちょっと楽しい。
広い空の下、みんなで食べるご飯は格別だ。
そして、夜。
火の番と見張りをしつつ、交代で睡眠を取る。
念のために鳥と仮契約をして、無理のない範囲で周囲の偵察も行ってもらう。
「ふぁ」
なるべくみんなに休んでほしいので、今、見張りをしているのは俺だけだ。
ただ、さすがに眠くなってきた。
もう少しで交代だからがんばろう。
「アニキ」
「ライハ?」
振り返るとライハがテントから出てきた。