軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

777話 外と中と

謀反の話を聞いて、謁見の間にいる人の反応は様々だった。

「ば、ばかな!? もう行動を起こしたというのか!?」

文官達は焦り、

「ふむ、意外と早いな」

王は落ち着いていて、

「すぐに関係者に連絡を」

「ココロ姉さまには、まだ出撃しないように、と。いざとなれば鎖で縛り付けてでも止めてください」

ユウキとサーリャさまは、すぐ行動に移っていた。

さすがというかなんというか……うん、頼もしい二人だ。

というか、ココロ王女のことがものすごく気になる。

サーリャさまはかなり過激なことを口にしているが、そういうことをしてしまうような人なのか?

まだ一度も会ったことがないのだけど、どんな人なのだろう?

「敵の規模は?」

「え? ……あっ、は、はい。数はさほど多くありません。騎士団からもいくらか流れたようすですが、十分の一以下です。ただ、北の砦をおさえられてしまい……」

「やはりそうきたか」

「えっと……」

「第一から第三騎士団までを動かす。すぐに準備をするように伝えろ」

「は、はい!」

あくまでも落ち着いている王とは正反対に、兵士はとても慌てていた。

謀反の話を知らされていなかったのだろう。

まあ、それも仕方ない。

貴族が謀反を企んでいるなんて、そんな話、公にできるわけがない。

民には動揺が広がる。

貴族の間では疑心暗鬼が広がる。

公表していいことなんてない。

一部の者しか知らなかったのだろう。

「ユウキ、騎士を率いて現地へ。ただ、交戦はできるだけ控えよ」

「はい。無理に従わされている者もいるはずだから、その者達を味方にするための準備を……ということですね?」

「うむ。儂も、できるだけ早くそちらへ向かう。サーリャ」

「はい」

「お前は城に残り、国をまとめてほしい。できるな?」

「大丈夫ですが……ココロ姉さまが不安材料なのですが」

「……アレのことを考えても仕方ない。それに、おそらくは謀反を起こした貴族のところへ向かい、討伐しようとするだろう。アレはそういうところがある」

「確かに」

「ココロの手綱は儂が握る。サーリャは国のことだけを考えればいい」

「わかりました」

なにやら、ココロさまはひどい言われようだった。

どんな人なのかますます気になる。

サーリャさまがこちらを見る。

「レインさまとシフォンさまは、私のお手伝いをしていただけますか?」

「もちろんです」

「でも、なにをすればいいのかな?」

「私の予想ではおそらく……」

――――――――――

「にゃふー」

王都の南にある教会。

そこに、俺、カナデ、リファ、アクス、セルの姿があった。

他のメンバーとは別行動中。

俺達五人は、神に祈りを捧げる敬虔な信者のフリをしていた。

カナデの尻尾がぴょこぴょこと落ち着きなく揺れる。

「お祈りとか、ちょっと苦手なんだけど……」

「吸血鬼が祈るとか、アリ?」

「いいんじゃないか? 神様に関しては最強種も共通だろ」

「それに、宗派が違うといってお祈りを拒むほど神様も狭量じゃないと思うわ」

「おしゃべりもほどほどにな」

祈りを捧げているフリをしているので、あまりしゃべっていたら不審に思われてしまうかもしれない。

そもそも、どうしてこんなところにいるのか?

それはサーリャさまの指示によるものだ。

謀反を起こした貴族は色々な策を考えているはず。

外から崩すだけではなくて、中から叩く。

決起するタイミングに合わせて暴動などを起こすだろう……と。

そんな予想をしたサーリャさまの指示に従い、俺達はいくつかのグループに分かれて王都に散らばった。

この教会は、王都の防衛の要らしい。

王都は結界に包まれていて、魔物の侵入を阻むだけではなくて、いざという時は盾となる。

その役目の一つを、この教会が果たしているのだとか。

なので、敵が狙うとしたら、まず間違いなく教会が狙われるとのこと。

「……」

「どうしたの、レイン? なんだか難しい顔をしているよ」

「敵ならボクがやっつけるよ?」

「あ、そういう不安はないんだ。ただ……」

アリオスのことを考える。

「冒険者狩りとアリオスの問題は解決していない……というか、なにをしようとしているのかさっぱりわからないから、そこが気になって」

アリオスのことだ。

絶対にろくでもないことを企んでいる。

そして、動くとしたらこのタイミングだ。

混乱が広がる中で己の野望を達成しようとするに違いない。

ただ、目的がわからない。

どんな対策をとるべきか?

どう動くべきか?

方針を立てることができず、後手に回ってしまうのが痛い。

アリオス……お前は、なにを考えているんだ?

「うわぁ!?」

思考を現実に引き戻すかのように、誰かの悲鳴が響いた。